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投稿者:Carmilla - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の最後になって、二人は気持ちを確かめ合う。
もうちょっと情熱的かと持っていたけど、ずいぶんとあっさりしているのね。
まあ時代が時代だし、作者は牧師の妻だから、その後のことは想像にお任せします……と。
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投稿者:にゃお - この投稿者のレビュー一覧を見る
ついに…
いやくっつくとは知ってましたが、ロイとかもって不安でした。
クリスティーンも不安の種でしたし…
ギルバートの献身な愛に癒されました。
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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「赤毛のアン」「アンの友情」に続く、赤毛のアンシリーズ第3弾。
恋に恋している状態のアンでしたが、さてギルバートとはどうなることやら。
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
アンの大学生活と恋愛のお話です。
ルビーの亡くなり方は寂しかったです。重い。死ぬのが怖いと友人に泣かれたら、どうしてよいやら分からないでしょう。それでも見舞いに行ったアンはすごいと思います。普通は足が遠のきますよね…。
ジェーンの描写も、アニメのイメージ…堅実で誠実そう…なイメージを持っていたので、兄の求婚をアンに断られた時に内心で「孤児のくせに」と思うのは腹立ちまぎれであっても、そんな事を思う子には見えなかったけれど…と違和感を持ってしまいました。
後々のお金持ちとの結婚も、
「そんな(即物的な)子だったっけ…?」と思いましたが、アニメの方が大分美化されているのかもしれませんね。
アンもギルバートの結婚の申し込みを一度は断るのはまだ良いとして、なんぼ理想の美男子だからとはいえ、ロイにプロポーズされるまで2年も!ロイを本当には好きじゃないと分からないなんて、そんな事あるかなぁと思ってしまいました。
ギルとクリスティーンについての噂を聞くと明らかに不機嫌になるし、
彼らの目の前でワザとロイに愛想よくして見せたり、
はたから見ていた友人…主にフィル…には明らかなんですが、自分では分からないのが若さと言うものなんでしょうか。
どうもこの巻については、アンに辛口になってしまいます。
私はロイがひたすら気の毒でした。
彼も口で言うほどには「アンひとすじ」というわけでは無かったようですが、アンのした事を考えるとむしろ良かったのではと思います。
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【アン十八歳に。青年たちに求婚され、少しずつ大人の女性へ】日本初の「全文訳」、詳細な訳註収録の決定版「赤毛のアン」シリーズ第三巻。ギルバートと共にカナダ本土の大学に進んだアンは……。
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ちょうど自分の年齢的に感じる、友人の結婚や大人になってしまった喜びと切なさが書かれていて読んでいて胸が締め付けられた。途中、アンにハラハラしたけど、ちゃんと自分の気持ちに気づいてよかった!本当にアンが頑なでどうなることかと思った。私、フィルがかなり好きだな~。続きに期待!
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読了。赤毛のアン3作目。
アンは大学に進学し、キングスポートでの学生生活が描かれている。アンはその間に6人もの男性に求婚される。素直になれずギルバートとはすれ違いだらけ。読んでいる方がもどかしくなる。
デイビィとのやり取りは面白く読める。悪戯も悪気があるのかないのか、思ったことを口にしたり手紙に書いたり、アンがデイビィを導いていく様子は、昔アンが周りから受けた愛情と同様なのかもしれない。
アンの愛情は続編を待ちわびる読者のために書いたとどこかで読んだ。なるほど、当時の読者は読みながらジリジリとした思いだっただろうか。
昔あった映画やNetflixのドラマはちょうどこの作品までか。
作品とは別に、文春文庫は註釈を読む楽しみもある。
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ギルバートと想いが通じて本当に良かった!とマリラとリンド夫人と一緒に安堵しました笑。しかし男の人に対するアンの態度はいっそ残酷にも思えるけど、当時からしたらそういうもんなんか…?
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『本屋さんのダイアナ』の序盤で「赤毛のアンが面白いのはアンの青春まで、アンの愛情は恋愛ばっかりで面白くない」と主人公の少女たちが話していたが、そう話すのも分かる気がする。
2作目までの雰囲気とかなり異なる、大人のための作品である。
アヴォンリーの人々はこれまでよりあまり出てこず、
親友のダイアナも結婚して忙しくなり、
アンも次々と求婚される。
今までおとぎ話のように素敵だったのに、この作品は現実を見せつけられる。
(とはいってもアンのコミニケーション能力が素晴らしいので大体都合よく事が運ぶ。うらやましい限りである。)
子供の頃の甘い空想と、幻滅。
アン自身もそこに悩む。
だからギルバートへの愛に気付けず、一度は彼の求婚を断ってしまうのだ。
友達としては良い、一緒にいて楽しい、でもそれ以上のものは求められたくない。
一方で、彼が他の女の子といるとキリキリしてしまう…
彼を失うと思うと怖い。
そしてようやく愛情に気づくことができたのだ。
この作品は、空想好きなアンが、いかに現実を受け入れて大人になるか、その成長過程が描かれている。
現実は空想とは違うが、それはまた良いものである。
■お気に入り登場人物
ディビィ:2作目でマリラとアンが預かった双子の一人。いたずらっ子。ぼく知りたいな。と、ずけずけ聞いてるのが可愛過ぎる。現実にいたら手を焼くんだろうなぁ。ちなみに、皆んながもう一人の双子、ドーラのことをあまり気にかけてないのが気になってしまう。良い子だし、大体は被害者なのでケアしてあげてほしい。ドーラ回も今後あるのかな……?
フィル:レッドモンド大学の同級生。新キャラ登場。すごい美人で、マンガにいそうな天真爛漫。友達になりたいなぁ。
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『赤毛のアン』シリーズ3作目、大学時代のアンの話です。
お金持ちで美人だけど愛すべき人物のフィルや、パティの家で家事をしてくれるジェイムジーナおばさん、そしてアンの理想の恋人ロイ等々、新たな人物も登場し、アンの周りは賑やかです。
アンに好意を抱いていたギルバートの想いは報われるのか、ドキドキの展開です。
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今回この本の松本訳と原書を1、2章ずつ交互に読み進め、1か月かけてやっと読み終えました。
原書と訳書を読み比べてみて、ほんと、訳者を尊敬します
普段読み慣れている英米の現代英語に比べて、昔のカナダ英語であるせいか、単語がかなり違う
それを素敵な日本語に訳しているのは凄いです
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大人になるのは少し寂しいけれど、素敵なことだと感じることができる作品でした。
巻末の訳注を読みながら読みました。
一巻、二巻とは少し違う感じがしましたが、訳者あとがきを読んで、書いた当時のモンゴメリの成長による違いなのかなと感じました。
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第3巻もとてもよかったです!
アンが大学に進み、都会に暮らす18歳から22歳までの4年間が描かれています。新しい友達や、男性からの求婚など多くの経験を積みます。
アンの恋模様には読み手の私も胸が締め付けられました。ラストシーンは感動しました。
ぜひ読んで頂きたい一冊です!
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松本侑子新訳版アンシリーズ第3巻。
原題は『Anne of the Island』。1915年の作品。
アンがアヴォンリーを離れ、カナダ本島のレッドモンド大学で過ごす4年間の物語。
アンのモテ期到来。4年間で5人に求婚されます。恋バナも多くて、シリーズの中ではいちばんキャピキャピしたストーリーではないでしょうか。第2巻よりこちらのほうが『アンの青春』のタイトルにあっている気がして、昔からあれ、どっちがどっちで、順番はどちらが先?と混乱します。
私もレッドモンド大学に通って、パティの家に住んで、墓地や海岸公園を散策したい!と憧れました。
解説によるとモンゴメリはレッドモンド大学のモデルになったハリファックスのダルハウジー大学で講義を受けていますが、学費が続かず1年間しか通っていません。アンの4年間というのはモンゴメリ自身の願望なんですね。
解説ではキングスポートのモデルとなったハリファックスについて詳しくガイドされているのでGoogleマップで実在の墓地公園、海岸公園、ダルハウジー大学、パティの家があるスポフォード街のモデル、ヤング街などを聖地巡礼しながら読みました。Googleマップで見ても美しい港町です。
パティの家に一緒に住むのはクィーン学院の同級生だったプリシラ・グラント、ステラ・メイナードと、新しい友フィリッパ・ゴードン。
一方でアヴォンリー時代の同級生ダイアナとジェーン・アンドリューズは結婚、そしてルビー・ギリスは若くして亡くなります。だからということもあるのでしょうけれど、少女時代が永遠に去ってしまったことを嘆く場面がいくつか印象的でした。
「そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。」
そのほかアヴォンリー周辺の町についても解説をもとにGoogleマップで距離を整理してみました。
(馬車の速度は天候などにもよるようで諸説ありますが時速10kmで計算。)
・アヴォンリー
キャベンディッシュがモデル
・カーモディ
スタンリーブリッジがモデル
キャベンディッシュから6.9km(車で6分、馬車で42分)
『赤毛のアン』の後半あたりに駅ができるが小さな駅。
・ブライト・リヴァー
ハンター・リヴァーがモデル
キャベンディッシュから16.4km(車で15分、馬車で1時間38分)
『赤毛のアン』でアンが降り立った駅。
・シャーロットタウン
キャベンディッシュから37km(車で36分、馬車で3時間42分)
クィーン学院があるプリンス・エドワード島の州都。
・キングスポート
ハリファクスがモデル
キャベンディッシュから250km
『アンの愛情』ではシャーロットタウンから船で向かって1日かかって到着。
こうやってみるとキャベンディッシュは本当に田舎なんですね。鉄道は1989年に廃線になってしまったそうです。いつかグリーンゲイブルズに行ってみたいと思っていまし��がシャーロットタウンからはレンタカーやツアーを利用するほか交通手段がないようです。
「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」
以下、引用。
21
「行きたくないなら、行かなくてもいいじゃないか。大人なんだから。ぼくが大きくなったら、したくないことは一つもしないよ」
「そのうちわかるわよ。人は、生涯を通じて、やりたくないことをしているの」
32
「この森は、今、幽霊が漂っているの……昔の思い出という幽霊よ」
「昔、ここで遊んでいた小さな女の子のダイアナと私が、今もいて、夕方、《木の精の泉》のほとりに腰かけて、おばけたちと、ひっそり会っているような気がするわ。」
42
「このかいわいは、もとは地位のある人たちの『お屋敷町』だったの。でも上流の人たちがセント・ジョン通りから離れて、通りの家々は、今は、古き良き日々の夢を見ているんだわ。」
55
「今朝、大学で見かけた女子のなかで、いちばんきれいだったわ」
フィリッパのゆがんだ口もとに、魅惑の微笑がほころび、小さな白い歯がのぞいた。
「私もそう思ったわ」
56
「だけど、プリシラも私も、見た目には自信があるから、保証してもらわなくても、大丈夫、お気づかいは無用よ」
63
「今日の午後、心の小さな根っこを、キングスポートの土におろしたのね。そう願いたいわ。いつまでも植えかえられたままの気持ちでいるのはいやだもの」
65
さらにギルバートは、「ラムズ」入会にも誘われた──学友会ラムダ・シータを、レッドモンドでは短く縮めて、こう呼びならわしていた。
入会にあたっては、あらかじめ厳しい試練があり、キングスポートの目抜き通りを、婦人用の日よけ帽(サンボンネット)をかぶり、派手な花柄木綿(キャラコ)のゆったりした料理用エプロンをかけて、丸一日、ねり歩かなければならなかった。
73
合衆国は恐ろしいとこにちがいないので、アンが行かないよう願っています。それにしても、当節の娘さんが世界中をうろつきまわる様子といったら、ぞっとします。あちらこちらをさまよい歩いたヨブ記の悪魔(サタン)を思い起こします。神様は、そんなおつもりで娘たちをお創りにならなかったはずですよ、まったく。
80
「この静けさは、祈りのようね」
81
彼にしてみれば、かたわらをゆく生き生きとして喜びにあふれた娘に、悲しみなど結びつけられなかった。至高の高みに飛翔する者は、どん底のきわみにも沈みこむこと、また幸福の絶頂を心ゆくまで味わう者こそが、悲哀を身にしみてこうむることを、彼は知らないのだった。
83
「あの通りには、小さくて、どうにかなりそうなくらいすてきな家があるの、アンに見せたいわ。百万長者が建てたんじゃないのよ。
スポフォード街が、まだ田舎道だったころ、自然に生えたにちがいないわ。生えてきたの……建てたんじゃなくて!」
87
「キルティング・パーティに、一、二回出て、おしゃべり好きなおばあさんたちが、面とむかって、あるいは陰にまわってアンの噂話をするのよ。」
94
「そうらしいね」マリラが答えた。「ルドヴィックはこの先も通うようだが、あんな求婚のしかたじゃ、この先も進まないと、世間は、あきらめているよ」
「私がセオドーラなら、もうちっと男をせかすんだがね、まったく」リンド夫人が言った。たしかにこの夫人なら、間違いなくせきたてるだろう。
132
「夕焼けの空へ、ポールが作文に書いた月光の小舟をこいで行けたらいいのに」
「そこには私たちの過去が、すべてあるのよ……遠い日の春と花たちのすべてが。ポールが夕焼け空の国で見た花壇には、かつて私たちのために咲きひらいた薔薇もあったのよ」
146
「それに、都会を舞台にして、金持ち連中なんぞ、書くべきじゃなかったよ。やつらの何を知ってるんだ。なぜここアヴォンリーを舞台にしない……もちろん、地名は変えにゃならんよ。さもないと、レイチェル・リンドが、自分がヒロインだと思いかねないからな」
171
「だって……その……何も、天国に行けないことを恐れてるんじゃないのよ。私は教会の信者だもの。でも……天国は、こことは全然違うでしょう……そう思うと……こわくなるの……それに……きっと……ホームシックになるわ。もちろん天国はきれいでしょうよ、聖書に書いてあるもの……でも、私が慣れ親しんだところじゃないわ」
190
すると、「お隣」の人づきあいの悪い老百万長者が、赤と黄色の派手な「チューリップパターン」のキルトを買いたいと言って来た。リンド夫人がアンに贈った一枚だった。なんでも、おっかさんがよくこんな刺し子(キルト)を縫っていたので、思い出のよすがに、何としてもほしいと言うのだ。
202
「悪魔というものは、そんなにみにくくないものですよ」ジェイムジーナおばさんが考え深げに言った。「もしみにくい悪魔がいたなら、たいした悪さはしません。私が思うに、悪魔は、ハンサムな紳士の姿をしているのですよ」
216
「十代は、人生のすてきな季節ですからね。もっとも、私から十代が去っていったことは、一度もありませんよ、嬉しいことに」
217
「『シルク』とか『レース』という言葉には、魔法がかかっていますね。言葉の響きだけで舞踏会に飛んでいきたくなるわ。」
218
「フィルったら、どんなに自分がきれいか、本当にわかっているの?」アンはつくづく見とれた。
「もちろんわかってるわ。姿見と男性たちは、何のためにあるのよ。」
223
「どうしてまじめでなくちゃいけないの? そんな人は、はいて捨てるほどいるわ。世間には、私みたいな人間も必要よ、世の中を楽しませるのよ、みんながみんな、知的で、まじめで、深刻ぶって、死ぬほど本気だったら、世界は恐ろしいことになってるわ。」
229
「アンったら、自分の目で愛を見ているのに、わからないのね。愛とはこういうものだと想像のなかで創りあげて、現実の愛もそんなふうに見えるはずだと思いこんでるのよ。」
234
「お父さんんは不器量��ったが、気だてのいい人でね。二人が一緒になったときにゃ、みんなして言ったもんだよ。あんなに愛しあってる夫婦はまたとはいまいって……かわいそうにね、長く生きられなくて。だけど、生きてる間は、そりゃあ幸せだったからね。それがよっぽど肝心だよ」
238
「一年は一冊の本よ、そうでしょ、マリラ。春のページは、メイフラワーとすみれでつづられているの。夏は薔薇、秋はかえでの紅葉、冬は柊と常緑樹よ」
258
「どんな人でも、足にリウマチをわずらいます。ただ老人は、心にリウマチをわずらうんです。」
267
「だから私、考えてるの。嘆き暮らして死ぬか、それとも勉強をつづけて文学士号をとって、分別のある立派な人になるか」
「分別のある立派な人には、なれそうもないから、嘆き暮らして死ぬほうがいいわよ」
アンは冷たく答えた。
280
「いつも六月の世界に生きたら、どんな感じかしら」
「そんな世界は飽きてしまうよ」マリラがため息をついた。
288
「おばさんは、大事にしてきた『煙草縞』の棒針編みのベッドカバーを一枚、ダイアナにくださったでしょ。私も結婚したら一枚くださるそうよ」
292
アンは笑い、それから吐息をついた。自分が年齢を重ね、常識をわきまえ、賢くなったように感じられたのだ──もっとも、それがアンの若さの証だったが。そしてアンは胸につぶやいた。あの懐かしく、愉快な日々に帰りたい。かつて人生は、希望と夢想からなる薔薇色のかすみのむこうに見えていた。そして今となっては、永遠に失われた名状しがたい何かをはらんでいた。それはいったいどこへ行ったのだろう──あの輝きと夢は。
335
とにかく、娘は言ったものです。私のモットーは、『自分の葬式で読みあげられて恥ずかしい文章は一行たりとも書くなかれ』とね。アンも、文学の方面に乗り出すなら、これをモットーになさい。」
345
「ただし、分別も充分に身についたかどうかは疑わしいですよ。もちろん期待などしていません。分別というものは、経験をつんでこそ身につくのです。大学で学ぶものではありません。大学に四年通ったみなさんと違って、私は大学へ行っていませんが、お嬢さん方よりも、よほど分別がありますよ」
353
「私はこの家に、私の夢とあこがれを残していくわ、次に住む人を祝福するために」
そうした古い夢の数々は部屋に残り、漂うのではないだろうか……喜び、苦しみ、笑い、泣いた部屋から永久に去っても、そこに暮らした人の何か、つまり手にふれることも目にすることもできないものの、その人らしい何かが残るのではないだろうか?
371
『私はこの世界を出ていった──だがもはやそれは
あのころ帯びていたロマンスの色をまとわない』
アンはため息をついた──しかし、世界はロマンスをうばわれた!という考えに、ロマンスをおぼえ、すぐさまかなりのところ慰められた。
410
モンゴメリが本作を執筆する前の1912年、イギリスの豪華客船タイタニック号がカナダ東海岸沖合いで氷山と衝突、国際的に決められた無線の救難信号SOSが、このとき初めて発信され、受信したハリファクス��ら救助船が現場へ急行した。ハリファックスには犠牲者の墓地がある。
435
『アヴォンリー物語』(1911)(原題 Chronicles of Avonlea)の一話「奮いたったルドヴィック」