至高の十大指揮者
著者 著者:中川 右介
本書は「同じ曲でも指揮者によってどう違うのか」といった演奏比較を目的とした本ではない。もちろん、演奏を聴いていただきたいので、それぞれのCDを何点か紹介していくが、名盤ガ...
至高の十大指揮者
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商品説明
本書は「同じ曲でも指揮者によってどう違うのか」といった演奏比較を目的とした本ではない。もちろん、演奏を聴いていただきたいので、それぞれのCDを何点か紹介していくが、名盤ガイドではない。ネット時代のいまは、検索すればたいがいの演奏家の曲がすぐに見つかり、タダで聴くことができる。それがいいのか悪いのかは別として、かつてのような、「この曲はこの人の演奏」「この指揮者ならこの曲」という名曲名盤選びは必要なくなった。
したがって、演奏比較、その特色の解説といった観点ではなく、その指揮者がどのようにキャリアを積み上げ、何を成し遂げたかという人生の物語を提示する。
指揮者ごとの列伝なので、それぞれの章は独立しており、興味のある人物から読んでいただいてかまわないが、それぞれの物語にほかの指揮者が脇役として登場することも多いので、第一章から順に読んでいただいたほうが、通史としてわかりやすいかもしれない。
(本書「はじめに」より引用)
<目次>
第1章 「自由の闘士」アルトゥーロ・トスカニーニ
第2章 「故国喪失者」ブルーノ・ワルター
第3章 「第三帝国の指揮者」ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
第4章 「パリのドイツ人、ボストンのフランス人」シャルル・ミュンシュ
第5章 「孤高の人」エフゲニー・ムラヴィンスキー
第6章 「帝王」ヘルベルト・フォン・カラヤン
第7章 「スーパースター」レナード・バーンスタイン
第8章 「無欲にして全てを得た人」クラウディオ・アバド
第9章 「冒険者」小澤征爾
第10章 「革新者」サイモン・ラトル
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お値打ちの一冊
2020/04/08 14:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自宅勤務が続いて、テレビをつけっぱなしだと気が散るし、「コロナ、コロナ」の連呼(当たり前だが)なのでうんざり。
パソコンに向かって仕事をするためにBGMをかけることが多くなった。
そんなに豊かではないライブラリーの中からCDを選んで低くかけながら仕事をすると思いのほか気持ちよく仕事できることを発見。
いまさらながらにライブラリーの幅の深さの貧弱さを感じるが、とりわけクラシックは「カラヤン」ばかりである。
小学校高学年から中学校にかけて学習研究社という出版社が出していたクラシックのレコードが付いた月刊誌を購読していたことがある。
その時はフルトヴェングラーとか聞いていたと思うが、中学校高学年からはカラヤン一辺倒になった。
実際にコンサートに行ったことはないが、教育テレビや国営放送でたまにやっているカラヤン指揮のコンサート番組を見て、その「格好良さ」に惹かれたミーハークラシックファンである。
かじった程度。
だが、この状況の中でまたクラシックに触れるようになり、新聞の書評でこの本を知った。
なんと10人もの名指揮者の評伝が1冊にまとまっているとは。
思わずすぐに購入(だいたいそれである。hontoはほんとにその点便利)。
カラヤンがナチスに入党していたらしいことは映画「愛と悲しみのボレロ」でうっすらと知っていたが、そのあたりの事情も詳しく知ることができた。
戦後アメリカではじめて招聘されて指揮したときにコンサートホールがチケット完売にも関わらず無観客であったというエピソードはもう少し深堀できたかとは思うが。
(ナチスに入党していたために意趣返しをユダヤ系アメリカ人にされたというのが定説ー諸説あり)
カラヤンから読み始めたのは無論だが、読み終わり最初から読み始めると、全編を通じて詳細なバイオグラフィーであり、クラシックの楽しみ方が増えたような気がする。
まさにお値打ちの一冊である。
クラシック音楽や指揮者に浅識であるが大変に面白く読めた
2020/02/08 15:05
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
1) グスタフ.マーラーの曲は、指揮者にとっては振りがいがあるのか、この本の十大指揮者の多くが演奏しているのが興味深い。
2) 戦争や政治が絡んだときの、指揮者の心の変化は何とも言えない。筋を通したトスカニーニ、ムラビンスキー、バーンスタインの生き方は、魅力的だ。
3) 「鶏口となるも牛後となるなかれ」を実践し、「帝王」となったカラヤンは、ドイツ敗戦間際までベルリンに留まったが、そのカラヤンがベルリンの壁崩壊直前に亡くなったのは残念だ。もし、生きていたら、バーンスタインと共に祝賀公演を指揮していたかもしれない。
世界の有名な10名の指揮者の生涯を描いた貴重な一冊です!
2020/04/26 12:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、世界で有名な指揮者の中から、その活躍した年代や地域などを考慮して10名を選び出し、彼らのキャリア形成や生涯における成果、業績などについて詳細に紹介した人間ドラマの書です。同書で扱われている10人とは、「三大指揮者」と称されるアルトゥーロ・トスカニーニとブルーノ・ワルターとヴィルヘルム・フルトヴェングラーをはじめ、シャルル・ミュンシュ、エフゲニー・ムラヴィンスキー、ヘルベルト・フォン・カラヤン、レナード・バーンスタイン、クラウディオ・アバド、小澤征爾、サイモン・ラトルです。こうした世界的に有名な指揮者の生涯が手に取るようにわかる貴重な一冊です!
マエストロ
2020/07/19 12:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uruuduki - この投稿者のレビュー一覧を見る
「マエストロ」
この言葉は、偉大なる指揮者たちに送られる称号の中でも格別なものと、クラシックに没頭するようになった頃に認識したことだ。
ところで、日本人ならおそらくこの称号はヘルベルト・フォン・カラヤンの為に有るように思っている人が多いのではなかろうか。「帝王」の風格、華やかな演奏、暗い評判から復活した人物。どれをとっても、人を魅了する要素を持っている。
大戦の時代はどの指揮者にとっても重く辛かっただろう。フルトヴェングラーもその時代を潜った指揮者だった。個人的にはフルトヴェングラーの方が好きではあるが、これはあくまで個人的な好みだ。それを含めて、こういった本は好きなので、購入しようかどうしようか考えた。
結果は今回は見送りだった。
何のことは無い。小澤征爾さんはバーンスタイン氏の弟子で、フルトヴェングラー氏とカラヤン氏は仲が悪く?と考えていて、目次にジョージ・セル辺りは無いのを知ったから。単純に個人的興味が薄れただけだ。
だが「マエストロ」と呼んでいいほどの指揮者とは?とは難しい選択だろうと思う。それほどクラシックの世界には優れた指揮者が多いのだ。
しかもこの本は、始まりが、録音が残るトスカニーニからだ。だがそれでも、もし選定する人が変わったら別の名前が挙がるだろう。