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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
警察官のみゆきとその娘・美和と一緒に暮らす手話通訳士・荒井尚人は日常生活での通訳のほか、裁判所や警察等の公的機関での手話通訳も行う。
その荒井が手話通訳を担当した事件。
1.弁護側の証人
2.風の記憶
3.龍の耳を君に
手話通訳士の仕事の重要性を知るとともに、ろう者の置かれている状況も理解できた。荒井さんは優秀で行動力もあるのだが、何森さんが登場するとちょっと霞んで見えてしまうのが残念。むしろみゆきさんを交通課から捜査一課に異動させてみゆきさんとのコンビの方がいいのかもしれない。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
聾者の親から生まれた聴こえる子「コーダ」である主人公が、手話通訳士として事件に携わる中で、彼にしかわからない視点で真実に迫るシリーズ第二弾。
単純なハンディキャップの生活苦悩を描くものではなく、手話・口話の種類や習得などもっと根の部分まで深く掘られた作品。既刊を読んでいないと人間関係の理解は難しいけど、個の題材は切り離して読めるので、シリーズどの巻でもまず手に取ってほしい。子供の頃から色んな人と触れ合う事が、偏見を生み出さない方法の一つだと強く感じた。
息子達に読ませたい
2021/02/26 17:38
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投稿者:TAROLEB - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二作の本作から初読しましたが、一気に読みました。ミステリとしてはおそらくありきたりな筋かもしれませんが、それに聾者の方々の説明が押し付けがましくなく散らされていて、小説として非常に読み応えがあり、面白かったです。途中二箇所で久しぶりに号泣してしまいました。是非一作目や続編も読んでみたいと思います。
一般的には知らない現実を垣間見れる
2020/12/31 19:06
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投稿者:優乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
身近にこういう知り合いがいない環境なので、とても興味深い一冊だと思えました。
社会の現実を知るのにも一度は読んで後悔しない内容だと思います。
文体も読みやすく、すんなり完読できるはず。
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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで読ませて頂いたものも素晴らしい小説だとは思っておりましたが、そこに相手を思いやる愛情も絡み合い、とても読み応えのあるものでした。
自分の読む順番が逆になってしまっていた事もあり、まだご結婚前で…
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前作の「デフヴォイス」は、荒井のコーダである苦悩や警察での出来事での葛藤が前半に強すぎたが、今回はそれを超えて、人との繋がりも手話通訳も美和との関係も良くなり読みやすく面白い。龍の耳の話もいい。益岡さんのプレゼントさ…喜ばれなくて英知にくれるってのと、みゆきが刑事課に異動したがるのと、みゆきがやたらイライラしてるのが、ちょっと解せない(笑) 瑠美の離婚は、この後の作品でまた説明?されるのかな、どうなんだろ。
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プロローグ
第1話 弁護側の証人
第2話 風の記憶
第3話 龍の耳を君に
エピローグ
荒井さんの淡々としていても、気になることは追っていく生き方が気にかかる。前作も読みたくなった。
18歳で就職した職場で手話研修があり、興味があったので受けてみた。受付にろうの方がいらっしゃった時は不安ながらも使ってみた事もあるし、トイレという手話だと思い出して案内でき嬉しかった事もある。けれど、その時覚えた手話はもうほとんど忘れてしまったし、手話の辞典を手に入れた気がするけどさてどこにあるのだろう。
五感のどれかが欠けた状態は想像するしかない。実際にそうなった時にしか分からないだろう。常に想像しているのは難しいけれど、折に触れて想像することを続けたい。
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デフヴォイスシリーズの二作目
前作の登場人物達もちょくちょく出てきます。
前作をもう一度読み返したくなった。
聾者の問題も前巻をより掘り下げる事は去ることながら、佐村河内さんの話や森友・家計学園の忖度問題さらに発達障害への社会の理解不足なども取り上げられております。
社会派ミステリーというジャンルに本作を当て嵌めて良いかどうかは置いておき、読んで損しない一冊である事は間違いありません!
主人公の荒井尚人は聾者の両親を持つ聞こえる子供『コーダ』である事を悩みながらも一定程度を乗り越えて聾者の通訳という仕事を生業としていた。
法廷での通訳、警察での通訳を通じ、更に自分の仕事のあり方へ悩んでいく。ある時、場面緘黙症の少年に手話を教える事になるのだが、少年はとある事件の重要な場面を目撃していた・・・
さらに荒井は警察官の恋人とその連れ子の3人で暮らしている。こちらの進行も見ものです!
因みに聾という感じの成り立ちの説明が本作品中にありますが是非覚えて欲しいと思います。
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この作品は丸山正樹さんのデビュー作の『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』の続編です。
第一作で主人公の荒井尚人は警察に勤める安斉みゆきと恋人同士でしたが、この作品ではみゆきの職業柄、結婚はしていませんが、荒井はみゆきと娘の小学二年生の美和と一緒に暮らすようになりました。
荒井はろう者の親から生まれた聴こえる子のコーダであり、ろう者ののために通訳や法廷・警察での手話通訳の仕事をしています。
まず、同居を始めた荒木と荒木を「アラチャン」と呼んで慕う美和とのやりとりが自然でとてもいいと思いました。美和は手話を覚えていきますが、みゆきは手話が覚えられず、二人のやりとりにイライラしてしまう場面もありますが。
そして荒木は美和の友だちの英知からも慕われます。英知は場面かく黙症ですが、とても愛らしい気質をそなえていて、天性のいいものを持っています。
第3話がメインのストーリーですが、最後の謎解きは読んでいるうちに大体わかってしまいましたが、それも読者に花を持たせる作者の意図かと思いました。
読み終わって清々しさが残りました。
以下途中までのストーリー。
第1話 弁護側の証人
荒井が法廷での手話通訳をしたとある事件。
林部学という40代のろう者の強盗事件の弁護人の片貝の手話通訳を引き受けます。
林部は無罪を主張しています。
第2話 風の記憶
五歳の時に聴力を失った新開浩二が同じ視聴覚障害者ばかり狙った事件を何件も起こしました。
刑事の津村は「なんで聴覚障碍者ばかりを狙うんだ。仲間だろう」と質問します。
第3話 龍の耳を君に
美和の同級生で仲の良い場面かく黙症(言葉を話したり理解する能力は正常なのに、特定の状況では話すことができない)の少年漆原英知に荒井は手話を教え、時々面倒をみています。そして英知が殺人事件の現場を目撃しているのに荒井は気づきます。
英知の母親の漆原真紀子が容疑者として逮捕されてしまいます。
英知の目撃証言で、母親を助けることはできるのか。
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デフ・ヴォイスの続編。手話通訳士の荒井とその家族がある事件に関係するお話。
手話通訳士のことや、手話にも種類があること、聞こえない人の葛藤なども描かれている。次の展開が気になり、一気読みしてしまった。おすすめ
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初めて読む作家さんでしたが とてもよかった。
手話は 一つの言語である。
そして 発達障害の説明もとてもわかりやすくよかった。
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以前読んだ『デフ・ヴォイス』の続巻です。手話通訳士・荒井を主人公とした三つのお話からなる連作集でした。
主人公の荒井は相変わらず不器用で冴えないおじさんでしたが、とても誠実で優しい人ですね。ぜひともしあわせになってほしいなぁ…。
今回のメインは緘黙症(かんもくしょう)の少年。ろう者の世界だけでなく発達障害のことにも触れられていました。前作に続き「社会的少数者の声」を届けてくれる本です。
もちろんミステリとしてもとてもおもしろかったです。
シリーズ3作目の『慟哭は聴こえない』もスピンオフの『刑事何森 孤高の相貌』もぜひ読みたいですね。
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ろうの両親から生まれたが自分は聴者という言わば2つの世界の境界に生きる手話通訳士荒井尚人が主人公のシリーズ第2弾。解説の頭木氏も言う通り単に「未知の世界についての知識が得られるミステリ」に留まるものではなく,ろうの世界に生きる人たちの気持ちを熱く描く。ミステリとしても大変上質だ。
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シリーズ2作目。 手話通訳士の荒井の視点から、彼が関わった3つの事件についてのお話。 ろう者と一括りに言っても、日本手話を話せる人、幼少期の教育により聴覚口話法を習い、口の形から言葉を読み取ったり、言葉を発せられる人・・・。当たり前ですが、育ってきた環境や、聞こえなくなった時期やきっかけによって、コミュニケーションの力がこれだけ違ってくるものだと感じ、それがひいては、差別や偏見につながるものだとは。 今回も読み応えがありました。
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今月最後の一冊になるかな。
「デフヴォイス」シリーズの2作目。
手話通訳士の荒井が今回も様々なろう者たちのために奔走する。
あるとき荒井は、恋人のみゆきの娘、小学生の美和の学校の同級生であり、「言葉を話さない」英知に手話を教えることになるのだが、英知はある事件と大きく関わっていたことがわかる。
荒井が通訳士としての仕事を逸脱してるのでは?と思うシーンがある。
自身も、両親と兄がろう者という環境で育ってきたこともあり、彼らの気持ちに自然に寄り添ってしまうのだ。
その荒井の想い、優しさが私は好きだ。
英知くんはろう者ではないけれど、でも障害を持ちながらも、懸命に生きる少年に、荒井は少しずつ心を解き放たせていく。
荒井と英知くんの、その心を通わせていく描写が好きだな。
1作目よりも個人的に今作の方が好きかも。人と人との関係がより丁寧に描かれている印象。
今、この世の中の状況のせいか、ミステリーを読むのをなんだか避けている。
だけど、このシリーズはミステリーではあるけれど、その中にも人の懸命さ、暖かさを感じる。
そして、自分が普段あまり触れることのない、聾唖のことを少しでも知るきっかけにもなる。
荒井と、みゆき親子の不器用だけど暖かい関係性も見所。今後どうなるか楽しみ。
第3作目ももう手元に借りてる。
早く読みたいなぁ。