三国志名臣列伝 後漢篇
著者 宮城谷昌光
後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。184年に始まった「黄巾の乱」により、...
三国志名臣列伝 後漢篇
商品説明
後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。
能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。
184年に始まった「黄巾の乱」により、王朝の礎が揺らぐ中、
後漢の理想を体現する名臣たちが輩出する。
大将軍の何進、
劉備の師である盧植、
曹操を支えた荀イクなど7人を描く、宮城谷昌光の「三国志」シリーズ。
解説・湯川豊
目次
何進(かしん)
朱儁(しゅしゅん)
王允(おういん)
慮植(ろしょく)
孔融(こうゆう)
皇甫嵩(こうほすう)
荀イク(じゅんいく)
※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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古代中国の争乱劇場
2021/10/30 13:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
三国志を語るうえで、後漢末期の政治の混乱を理解することは必須である。そのため、その時期を駆け抜けた、そして後漢を守ろうとした人たちを知るのがいい。彼らの生き様は、現代社会にも、影響を与えてほしい。正義の心は失ってほしくないが、正義を振りかざせば、武器に等しく、傷つく人たちが増える。
“生みの苦しみの時代”に後漢王朝を支えた賢臣の献身
2021/09/23 16:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
春秋篇、戦国篇、楚漢篇に続いて待望の後漢篇である。だが、最も馴染みが無く暗い時代が「後漢」だと気がついた。
勿論、後漢王朝の開祖たる光武帝こと劉秀と光烈皇后となる陰麗華を主人公とした歴史ドラマ「秀麗伝」を観て楽しんだり、黄巾の乱について学校の世界史で習ったのだが、英雄豪傑が活躍したとの印象に乏しい。
それでも、文字どおり魏・蜀・呉鼎立の「三国志」時代に先立つ後漢の重要さに気付かされ、数多の英雄たちを乱世に送り出す“生みの苦しみの時代”だったと改めて思い到った。
いつの時代でもそうだが、特に王朝が危ういときにこそ、その屋台骨を身を賭して支える賢臣の献身や名臣の支えが必要なのだと理解した。
建国の功臣であれば恩賞封土で報われもしようが、あまり突出した存在となると君主に警戒され、「狡兎(こうと)死して走狗(そうく)烹(に)らる」運命に陥った前漢で国士無双と謳われた大将軍韓信の故事もある。
本書では、献帝劉協を護って丞相曹操から死を賜った“王佐の才”荀いく(漢字がシステム上拒否されるため、已む無く平仮名で表記)の「陰徳」ぶりが哀れで、かつ切ない。秦の始皇帝暗殺未遂の前科持ちで、劉邦の前漢建国の軍師を務めた張子房こと張良が見せた処世術の見事さを、改めて思い返した。
もう一人、黄巾の乱の平定に尽力した皇甫嵩も魅力的な人物として映る。自らの軍功に恬淡で、他人に譲る美点を備えた稀有な武将だったようだ。
私兵化した暴虐な軍事力で一時の権力者となった董卓と対立し投獄され、死の淵に臨むも決して阿(おもね)ることのなかったその高潔さが、(董卓と交友のあった息子の懸命の取り成しがあったとは言え)その命を救った気がする。
後漢篇の(読)後感(想)としてはこんな処か、なんか変?
有り得ない誤植
2021/04/20 01:36
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投稿者:NCC1701H - この投稿者のレビュー一覧を見る
49ページの16行目、「皇后になって気象の烈しさをむきだしに」の「気象」は明らかに「気性」の誤植である。宮城谷氏が間違えたにせよ、通常、校閲の段階で気付く間違えだと思う。残念である。
内容としては、三国志では大きく取り上げられない人達は、実は活躍していたことを知り得た、非常に興味深い一冊である。
短編にありがちな事績のみ追いかける記述ではなく、短い中に物語性を包含させた、その人物の「歴史」になっている構成が秀逸である。
列伝
2021/03/19 05:18
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何進、朱しゅん、王允、盧植、孔融、皇甫嵩、荀いくを取り上げられている。同時代なのに重複することがほとんどなく流石である。それぞれの人物が著者によって生き生きとよみがえっているようである。
短編の方が良い
2021/02/22 22:14
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投稿者:再版 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編の方が良い。下手に十年かけて書いた十数巻の長編小説よりも、列伝を肉づけした短編の方が、ずっと面白いと思う。
脇役にしたくない名臣たち
2020/12/25 16:37
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投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三国志に登場する何進、朱儁、王允、盧植、孔融、皇甫嵩、荀いくの7人に焦点を当てた人物伝。何進や朱儁、孔融などはかなりマイナスイメージが強いのだが、宮城谷さんの描く彼らは全く正反対の人物像だ。常に謙虚な姿勢で周囲の意見によく耳を傾け、皆から絶大な人気がある何進。親孝行で義侠心に富む熱血漢の朱儁。10歳の頃から秀才ぶりを発揮し、機知に富み、正義感が強く、肝が据わっていて、権力におもねずにはっきりと物申す孔融。いずれも素晴らしい義士たちだ。