大地の牙―満州国演義六―(新潮文庫)
著者 船戸与一
「帝国政府は爾後(じご)国民政府を対手とせず」。日本は中国との交渉の道を自ら鎖した。徐州、武漢での作戦を成功させたものの、「事変」は泥沼化の一途を辿る――。敷島太郎は愛人...
大地の牙―満州国演義六―(新潮文庫)
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商品説明
「帝国政府は爾後(じご)国民政府を対手とせず」。日本は中国との交渉の道を自ら鎖した。徐州、武漢での作戦を成功させたものの、「事変」は泥沼化の一途を辿る――。敷島太郎は愛人の身体に溺れ、次郎は柳絮(りゅうじょ)のごとく彷徨い続ける。三郎は復讐に身を焦がし、四郎は陰謀の犠牲者を茫然と見つめた。そして、満蒙国境ノモンハンで日ソ両軍が激突する。大陸に凱歌と悲鳴が轟く。混沌の第六巻。(解説・北上次郎)
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悪しき精神論
2016/10/25 02:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノモンハン事件で日本軍の悪い面が浮き彫りに。精神論で何とか成るとトップが思っているのは、現在のブラック企業の経営者達にも通じるものがあるかも。
満州国を中心に描かれてきた本書も世界の混沌の中で益々複雑に。
2021/02/27 12:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
満州国を中心に描かれてきた本書も世界の混沌の中で益々複雑に。北はノモンハン事件でソ連軍と衝突。南は「日中戦争」の拡大で中国全土へ波及し、その先にはインドを初め東南アジア諸国が関係してくる。伴って地図も満州国周辺から中国全土に拡大。本作の期間は、1938年1月10日~1940年3月12日、日中戦争の拡大期から第二次欧州大戦本格化まで。どうも歴史の激動に飲み込まれて4兄弟の物語が霞み出した感じがするのが残念。本作末では、次郎だけが上海で、あとの3兄弟は新京に集結。次郎はインドまで足を伸ばすのか。歴史の荒波に翻弄される4兄弟の今後が気がかり。
さて、1941年12月8日の太平洋戦争開始まで1年を切った今、反共(対ソ連・中国)という構図を踏み越えて、親独、反英米という世論に傾いていった背景が今一不鮮明。何時もながら太平洋戦争を避ける道は無かったのかと考えてしまう。