人の痛みを感じる人
2024/12/12 19:08
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからにじむ雰囲気に引かれる。性別や年齢に関係なく、確かにぬいぐるみが好きな人は優しいと思うから。
優しいというと語弊があるかもしれない。物言わぬ何か(ぬいぐるみ)にだけ自分の本心が語れるような。人の痛みを自分の痛みのように感じて苦しくなる感じ。
自分はそこまでではないが、本書の登場人物には共感できるところがある。
そしてそういう人はたいてい生きづらい。
自分の中にある生きづらさと、自分には理解しきれなくても生きづらさを感じている人たちの思いをそっと示してくれる優しい短編集。
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観たのでその余韻で読む。七森は男らしさとか恋が苦手な男子。その「ふたごのような」同級生の麦戸は、大学のぬいぐるみサークル「ぬいサー」に入る。ぬいぐるみを作るのではなく話し相手として話しかけること。怪しげにも見えるが、そのことが彼等の視点を通じて説明される。繊細な、繊細すぎることでちょっとしたことで傷つく七森たち。一方で白城という存在は異彩を放っていて、彼女はぬいサーの中でもぬいぐるみに話かけない。白城は少しの間だけ七森と交際し別れている。白城は少し客観的で台風の目のような存在。心から共感するかというとちがうが、確かに響くものはある。
ほかに3篇収録。こちらは読み飛ばしてしまった。
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投稿者:オムラ椅子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても繊細なひとたちの話だった。
でも、それでいい。お話の中とはいえ、登場人物たちに、繊細でいてくれてありがとうって声をかけたくなる。
誰もがなにかしら繊細で、
それがまわりに理解されたりされなかったりだから。
ぬいぐるみや何かに話しかける、という行為が、核になっている本だと思う。
相手が人間でなくとも、言語化することには意味がある。
ところどころ、主語の入れ替りがわかりにくくて読みにくかった。
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投稿者:さらしな - この投稿者のレビュー一覧を見る
ふわふわしているけれど、手に取るととても重たい。
そんなお話だったように思います。
今まで男の子の視点だったのに、不意に女の子の視点に切り替わってしまうところがあって、どうしてそうしたのか理由を知りたい。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぬいぐるみとしゃべるサークルに属している大学生の話が一番心に残りました。優しさとは何かを考えさせられました。
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うーんこれは・・・しんどいな~。繊細な若者たちの感じ方、世の中の受け止め方を描いているのだと思う。
たとえば『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の七森は、"男の子"の輪の中で"ふつう"に振る舞おうとし、そうしてしまう自分もイヤだし、そうさせる周りもこわい。少し経ってから、あのときの自分は誰かを傷つけていたと思って、後悔したり苦しくなったりする。
そういういろんな気持ちをどこにも吐き出せずに自分の中でぐるぐるさせているだけだから、苦しくって生きづらい。でも、へんな話だがこんなふうに文字にされると強力、というか圧力の高い表現になっており、読み手の私は直接言われたような気分になって、たじろいでしまった。こわい、つらいという想いと、言葉のつよさがアンバランスなのだ。
七森や麦戸ちゃんに気持ちを寄せきれないという点から言えば、私は生きづらさをはっきり感じたこともなければ、ひとの痛みにも鈍感な、強者ということになるのだろう。自分の言動で誰かを傷つけたくないのは当然だが、だからといって何も言えなくなるほどではない。自分が言いたいことと、人が言われたくないことを、その都度考えながらやっていくしかないのだ。
なぜそんなに怖がるの?と思って読んでいたけれど、さきの"アンバランスさ"のせいで答えをつかめずじまいだった。
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やさしくて少しいびつなストーリー
やさしくないひとはたくさんいるけど
やさしいつもりのひとも沢山いる
やさしいつもりに悩む人も
現代の優しさを考えさせられる
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他の人の感想通り、やさしいというより繊細さんって感じだな…と思った
強さを兼ね添えた優しさが好きなので登場人物の中では白城が自分にとって一番好感が持てる
「強くて優しい」に一番近いのは二つ目の「たのしいことに水と気づく」の方のお話かなと感じたので、収録されてる話ではこれが一番好き
一番最後の話も村田沙耶香みがあって(他の作家名出すのごめんなさい)好き
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「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
恋愛がよくわからない、セックスに興味がない男の子が主人公ってだけでも心底嬉しかったのに後半は私が欲しかった言葉がいっぱいあって、読み終えた後に駅のホームで泣き崩れていた。
世間に蔓延る嫌なことを拾い上げ、自問自答をしていく。
それが誠実で凄く良かった。
「つらい」と吐露することがどれだけ難しいことなのか。
だからこそ、最後の数ページをこれから先忘れられないと思う。
私の心は強く強く揺り動かされた。
ぬいぐるみとしゃべる人は優しいが、ぬいぐるみとしゃべらない人の中には優しい人もいる。
愛しい愛しい物語。
「たのしいことに水と気づく」
結婚の話と忽然と消えた妹の話。特に前者は日本で結婚することの制約の多さや面倒くささについてもう少し踏み込んで欲しかったと思うけど良かった!
私は好き。
これも恋愛がよく分からないと思ってる女の子が主人公。
終盤が映画みたいに鮮やかだったので最高でした!
「バスタオルの映像」
私がたまーにお笑い番組を見かけても全然笑えないし面白くないと思うのはこういう部分だったのを思い出した。
好きなもの嫌いなもの、世の中色々な人がいるんだし千差万別当たり前なのに、自分と一緒じゃないから掌を返すように怒り出す。
今もどこかで見る光景。
リアルだ。
「だいじょうぶのあいさつ」
この本の中でこれが一番異色のような気がしたが、根底にあるのは一緒かな。
私自身、親とうまくいっていないので読んでいてグサグサ刺さってしまった分、ラスト4ページで号泣してしまった。
優しさが染みてくる。
この作者、マジでなんでも書けるんだな。
凄かった。
大前粟生、人類の希望。
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ほんタメ!から
やさしいってなんだろう。主人公はセンシティブなだけかなぁと思う。優しいところもあるけどすごく優しいと言われるとそうでもないと思うなぁ。いや、やさしいのかな。この物語を読んでる最中ずっと考えた。題名で気になってしまう。
抱えた傷やモヤモヤが自分で処理できない場合は人に話してスッキリするしかないのかなと再認識した。警戒感が強かったり伝える力がないと辛い思いを抱え続けるんだろうな。私は逆のタイプだから共感はできないけどこんな人もいるよねって理解するための材料になった。
たのしいことに水と気づく
このお話の方が好みだったかも。
たかが結婚ごときで私を変えられると思うな。
すごく好きな文だった。強さと勢いと怒りが伝わってきた。
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何回読んでも泣いてしまう。
ずっと言葉にうまくできない自分のしんどさが七森くんのしんどさと繋がる。白城さんだってちゃんとやさしいし、ヤナだってちゃんとやさしいことがなんだか余計に苦しくなる。
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やさしいというより弱い。
やさしいということは弱いということなのかも。
傷つきやすく、弱い人たちの話。
でもそれが悪いことだとも思わない。
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最後の話、優しすぎて傷つきすぎたゆえの行動に恐怖さえ感じて、珍しく最後まで読めなかった。。。
表紙とタイトルでかわいいと思って買ってみたら、めちゃくちゃ重い話カーニバルだった。笑
タイトルの話も、優しすぎて乗り越えられない弱さがたくさんすぎて。あーわたしも昔こんな時あったなって場面が沢山あってしんどかった、、
少し年をとって思うのは、あの時は諦めたり見なかったことにする力が今よりなかったなということ。
わたしが許せない、わたしが受け入れられない行動をもう見なかったことにしたり、吐き出したりする術を具体的につけていかないとこの世は乗り切っていけない。
ぬいぐるみとしゃべるのはきっとみんなの処世術であり癒しであり悲しみや怒りの浄化なんだろう。
そうじゃないと、優しさと弱さだけに飲み込まれちゃうことは、時にそれが暴力や怒りに変わったりすることもある。優しすぎることは残酷にもなりえるんだよなあ。
映画でこの感じをどうやって表現されるのかすごく気になる、、、
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感じやすい人間は時に疲れてしまう
どちらかというと私もそっち側の人間かもしれない
最近HSPなんていう便利な言葉もあるけど
感受性が強く他人の痛みや心に共感してしまう人は
本当に生き辛いよなぁと思った
不安で空気を読みすぎてしまったり、
相手の気持ち考えすぎて、
全然見当違いな心配したり、
読んでいて思い当たる節があった
ぬいぐるみにこそ最近は話しかけないけど、
話しかけたりぬいぐるみを大切にして心を保つ人たち、分かるよ分かるって思った
私の場合は今は対人間より
対猫と接してる方が癒されるし
考えすぎて感じすぎて疲れるので
とりあえず休みたいです
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独特の文章。主人公たちの「やさしさ」と感じやすさを表現するため、いろんな留保がついてまどろっこしい印象を受ける(もちろんそれも含めて狙いだと思うけど)。
自分が大学生の時、ここまで露骨に嫌な思いをしたことはなかったけど、男子学生たちに見た目でランキング付けられたりとかそういう気持ち悪いことは無数にあり、あの時の自分は鈍感で良かったな思うと共に、知らずに傷つけただれかがいたんだろうなと思う。