心が軽くなりました
2023/07/07 17:06
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
知らない間に心って小さくなっちゃう時がある。ひとりで悩んでいる時に、こんな町に迷い込めたら良いなぁ。
メンタルクリニック
2023/04/11 13:34
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
漠然とした不安に眠れない夜、立ちはだかる無慈悲な壁に砕かれた期待、孤独に呑まれた心にそっと寄り添う「椎木メンタルクリニック」を舞台にした再生の連作短篇集。
精神科医とカウンセラーの夫婦がひっそりと営む、民家を改築した憩いの場のような病院。鬱など一般的に理解が高くなってきた病への、未だに根付いている偏見から、診療に行く事への躊躇いを拭う工夫が凝らされいて良かった。「心の病」は気合いでは治らないし、病院に通う事は恥ずかしい事ではない。認めて向き合わないと治るものも治らないという、至極当たり前の事だけど忘れてしまいがちな事を、6篇の異なるケースを通し優しく紡いだ物語。
正反対なまでの自意識の多寡が印象的な前半と、育児ノイローゼにスポットを当てた後半。「自分だけ出来ない」「自分が悪い」と思い込まず、ふと周りに目を向けたくなるような、視野を広げる効果を感じました。
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投稿者:ぷりしら - この投稿者のレビュー一覧を見る
優しくていい話しだった。そして、(残念ながら)それ以上のものではなかった。
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舞台は、純喫茶・純と椎木メンタルクリニック。
さまざまな悩みを抱えてる登場人物たち。
誰でも、生きてるだけで100点!!
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現在妊娠中の私にはちょっと読んでいて苦しいと感じるものもあったけれど、それでも自分の身近にこんなクリニックがあったら、逃げ場があったらと思わざる得ないくらい素敵な話だった。幸せそうで大丈夫そうなあの人もほんとうは苦しみを乗り越えて今があるかもしれないし、苦しんでる最中かもしれないんだよね。
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こんなメンタルクリニックがあったらいいなという理想をそのまま形にしたよう。
一軒家の温かみのある診療所でじっくり話を聞いてくれる。
心に痛みを抱えている椎木夫妻だから、時間をかけて丁寧に患者さんに寄り添うことが出来るのかな。
二人はもちろんのこと、登場人物がみんな優しくて真面目ないい人。
だから、心が疲れてしまうんだろう。
そんな時は立ち止まって、助けてもらえばいいんだよなと改めて思った。
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短編集。
どの短編にも純喫茶「純」と椎木メンタルクリニックが登場。
タイトルからして分かるようにちょっと心の病気にかかってしまった人が、徐々に自分を取り戻していく話。
人は風邪をひいてもある程度は自然治癒力で治すことができるが、心の風邪はそうもいかない。
敷居は高いかもしれないが、この本の主人公たちのようにメンタルクリニックに勇気を出して行ってみることが大事だと思うし、自分も気持ちが塞いだときは行くつもりだ。
産後うつの女性の話は、子どもが可愛いと思えず、夫は育児に非協力的、そのうえ義理の母が干渉してきて気を遣う…と結構ストレスな状況の主人公という設定だった。よくありそうな話ではある。
義母が女性の心の病を知ったとき言い放った一言を聞くだに、産後うつは意外と世間一般の共通認識ではないのかもしれないと思う。
最後には夫の義母への半ば脅しとも取れるような一言によって女性のストレスは少し解消されていたが、もっと早く夫が介入してくれればと恨めしい気持ちを抱いてしまった。
人は人のせいで気分が塞ぎ込む。しかし、人のおかげで回復することもできる。
誰かに助けてもらうことを恐れずに、この主人公たちにはこの先進んでいってほしい。
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病気や障害と名前がつくほどではないけれど 誰でも 不安や依存 追い詰められたりは あると思う。
なんとなく敷居が高い メンタルクリニックも こんなに行きやすい 話しやすい所が 実際にあるといいな。
只 最後の方はみんな あまりにもいい人の集まりで 少し甘ったるく感じた。
欠けた月でも月は月。
欠けた月も 好きだけどな
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誰しも簡単に打ち明けられないことはある。
それが自分に重くのしかかればのしかかるほど。
病だとは認めたくない自分。
偏見の目を向けられる恐怖。
自分の現在地を知り認めることはこんなに簡単ではないと思いつつ、みんながこうやって前を向けたらいいのにと思う。
あの人の笑顔の過去はもしかしたら泣き腫らした目のあとに生まれた笑顔かもしれないと思って過ごしたい。
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少し読んで、作者間違えてたかな?と表紙を見直した。窪美澄さんってこういう感じのを書く人だったっけ?
こんな心療内科が本当にあったらいいのに…という絵に描いたような居心地の良い、優しい精神科医とその妻の心理カウンセラーのいる普通の一軒家のような病院。
心に傷を負ったり、生きづらさを抱えている人達が、この夫婦に助けられて、また前を向いて生きていく。
最近、傷ついた心を癒し少しずつまた前を向いて生きていくといった小説が、特に人気女流作家さんのものでとても多い気がする。少し食傷気味だ。
窪美澄さんはもう少し尖ったものを書かれていた印象があったのだけれど…。
でも、作中で、絶望的でどうしようもない時に人に助けてもらう場面を読んで、自分にも、過去に助けてもらった恩人がいたことを、その方がしてくれたことを思い出した。読んでいて、こんな良い話があるわけないと荒んだ心で思っていたけれど、自分にも助けてくれた人が確かにいた事を思い出した。その方の優しさが、当時の私と子供を救ってくれた。あの時、あの方の優しさに助けられたのだから、いつか、今度は自分が誰かを助けようと強く思う。
多くの人にとって、生活も苦しく、希望が見えにくい今の世の中には、こういう物語が必要なのかもしれない。
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やさしくて、心の緊張が和らぐ連作短編集。誰もが心が弱くなったり、1人では立っていられなくなったりする。でも支え合って生きていけば良い、そんな思いが込められているのを感じた。
p.33 「生きていたら、誰だって、いちど家にどくじけてしまう時期もあるよ。でも、そんなのちっとも恥ずかしくいいことじゃない。私なんかくじけてばっかり」
p.41 「篠原さん、これからは自分のできたところを加点方式で褒めてあげてね。鬱になってしまう人は、真面目すぎて、自分に厳しすぎて、つい減点してしまうのね。どんなことでもいいの。顔がられたでもベッドを整えられただけでも、1.0それに本当は篠原さんが生きてるだけで100点なんだよ」
p.69 「このクリニックにはね、ほんの少し、雲、ひどく、心が疲れてしまった人がたくさん来るの。人間だもの、そういう時期は誰にでもあるよね。でもね、人間は完全な悪じゃないし、誰だってどこかをかけているものなの。私だってそう…こんなふうに、偉そうに人にものを言っているけれど、心の弱さでも負けない自信があるよ0誰だって無理を重ねたら心が疲れてしまう。みんな自分の人生に完璧を求めてしまうかもしれないけれど、そうするとどうやっても心に負担がかかるの。ほどほどでいいんだよ。人生長いんだから。それにこういう病院に来るのは、とても勇気のいることでしょう。心が疲れてしまった人を助けてあげるなんて、本当におこがましいけれど、このクリニックに来て、少し休んで、みんなが元気になって去っていく。そんなことが本当に嬉しいの。上村さん、このクリニックに来てくれて、本当にありがとうね」
p.77 人間は完全なものじゃないのよ。いつか早織先生が僕に言ってくれたことを思い出した。完全な。なんてもう目指さない。僕が欠けた月のまま、生きていくのだ。かけた場所には、きっと真実が光を投げかけてくれる。真美に欠けた部分なんてあるとは思わないけれど、もし、あるとするのなら、僕が光を投げかける。これからもずっと、そうだ。キュート冷たい風が僕のほうの出ていた。僕は真実をきつく、きつく抱きしめた。2人でいるから、寒くはなかった。僕ら2人を、欠けた月はいつまでも照らしていた。
p.99 眠りは充電、なんだと思った。体にも心にも今日1日過ごすためのエネルギーが蓄えられている。私は少しほっとした。先生が言うように、薬に過大な期待をしちゃいけないのかもしれないけれど、とにかくこの薬があれば眠ることができる。そのことがありがたかった。
p.102 「人間て、相手に大事にされたばっかりだと思うし、しちゃうこともあるんだよ。有馬さんならどんなわがままでも聞いてくれるって何でもしてくれる、どんな感情をぶつけたって起こらない、って勘違いしてしまう。有馬さんが一生懸命何かをしてあげなくたって、そのままの有馬さんを愛してくれる人がいるんだよ」
p.111 「強い人なんていないよ、あさみさん。みんな、いろんなところでぺしゃんこになって、心折れて、そういう時は、こういうところで、少し心を休めて、また歩き出していく。休み休みでいいじゃない。人は1人じゃ生きられない。でも、身近なところで誰かに頼らなくても、私たちみたいな人もいる。そういう時は誰かを頼っていいんだよ。それにあさみさんは生きているだけで、愛されるに値する人間なんだよ。恋愛がうまくいかなくたって、それはその人の相性が悪かっただけ。それだけは忘れないでいて欲しいの」
p.180 「世の中にはどうしょうもない娘が溢れかえっているって事、そういう事情を抱えて生きている人がたくさんいるっていうこと…私、後になってみてほんの少しわかったんだ」
p.181 人は、自分の内側に入ったまま、外に出られなくなってしまう時がある。それも精神科医の勉強して、知ったことだった。けれど、時期が来れば人は自分の空をそっと壊して外に出てくる。じゅんさんにもそういう時期がきっと来るはずだ。僕とさおりはそれを辛抱強く待つつもりでいた。
p.186 心の病は、もう大丈夫、とはなかなか言い切れない。けれど、今一度、心がつくじけるようなことがあっても、さおりは何度でも回復への道を歩き始めるだろう。僕はそう確信したのだった。
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正直、あまり好きではなかった。
鬱ってそんなすぐに回復するもんか?と思った。
個人的に、窪美澄作品は好きな作品とあまり合わなかった作品がはっきり分かれてて、今までなにが違うのかわからなかったけど、私は窪美澄が書く長編小説は好きだけど、短編は苦手。
短編だから、短いページで表現しないといけないとなると、当然削らなければいけない部分も出てくるけど、「なんでそこちゃんと説明しないのにこっちにはこんなに文字数使ってるの?」てなることが多い。
この人の短編は物語が急に展開するから、見てて違和感というか、その部分だけ浮いてるように見える。
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今、欲しいときに!
本当にここぞのタイミングで
わたしの手元に来てくれた本…!
大好きな窪美澄さん、さらに好きに好きになりました!
本当にちょっとしたきっかけで
いつものパフォーマンスが出来なくなったり、
朝起きることが出来なくなったり、
ちょっと疲れたちょっと調子がのらないが続いて…
みたいなことは起きてしまうから
この作品はとっても薬になる。
ある純喫茶とクリニックを舞台にした連作短編集で、
出てくる人物全員が好きになる。
読んで明るくなる。
やっぱこういう作品が好きなんだなぁぁあ
大切に抱いて眠りたい、、、
毎度のことながら窪美澄さん読むと本当に窪美澄さんしか読めなくなる症候群。
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一つ一つのお話は短いけれど、どれも心にじんわり沁みて自分でも気づかなかった心のコリをほぐしてくれた。どうしたいかもわからず、もやもやしたままの自分の気持を持て余しそうになってたのに、急に視界がひらけて焦らなくていいから一步ずつ前に進もうと思えた本。
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こんなメンタルクリニックがあったら行ってみたい。
心も風邪をひく時があるから。
みんながあたたかくて
人との繋がりを大切にしたいと思えるお話でした。