東京史 ──七つのテーマで巨大都市を読み解く
著者 源川真希
明治維新による誕生から今日までの約150年間、破壊と再生を繰り返しダイナミックに発展してきた帝都/首都東京。巨大都市はいかに形作られ、人々はどのように暮らしてきたのか? ...
東京史 ──七つのテーマで巨大都市を読み解く
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商品説明
明治維新による誕生から今日までの約150年間、破壊と再生を繰り返しダイナミックに発展してきた帝都/首都東京。巨大都市はいかに形作られ、人々はどのように暮らしてきたのか? 関東大震災や太平洋戦争からの復興、高度成長とオリンピック、バブル経済とその崩壊、住まいとインフラ、自治と首都機能、工業化と脱工業化、繁華街と娯楽、高層化と臨海副都心開発――今や世界的都市となった東京を様々な角度から見つめ、読み解き、その歴史を一望する。まったく新しい東京史。
目次
- プロローグ/今の都心の姿から考える/本書の視点/本書で取り上げること/第1章 破壊と復興が築いた都市/戊辰戦争と近代の始まり/最初の本格的な都市計画/都市計画が直面する社会/災害の克服を目指す──荒川放水路の整備/関東大震災と復興/公園は誰のためか?/都市に葬る/緑地はいかにつくられたか?/空襲の本格化のなかで/戦火をくぐり抜けた街並みを求めて/うまくいかなかった戦後の復興計画/東京オリンピックと都市改造/埋立地からできた都市/埋立地の多様な使われ方/都市の再生か、経済の再生か?/第2章 帝都・首都圏とインフラの拡大/「帝都」と「首都」の来歴/帝都交通網の拡大/暴動の標的となった路面電車/多摩の近代/市域拡張とは何か?/東京のなかの島嶼/首都圏の誕生/戦後の交通網拡大と終わる都電の役割/首都圏の諸県と東京のつながり/首都圏の未来/第3章 近代都市を生きる民衆/自由放任時代の都市/「スラム」という空間/都市民衆騒擾とは何だったのか?/男性の心情から暴動を説明する/社会都市の形成/公設市場・食堂・職業紹介所/「行き倒れ」る人々/朝鮮人と東京/関東大震災と朝鮮人/昭和初期の貧困を生きる/貧困のどん底/子供の労働のありよう/『綴方教室』の反響/敗戦後の戦災孤児/住宅不足と団地・木賃アパート/集団就職と若者の労働環境/開発を支えた労働者たち/第4章 自治と政治/東京府と東京市/東京都の誕生は戦時下だった/汚職が多発した東京市会/選挙粛正の掛け声のなかで/日比谷公会堂と東京市政調査会/都市の「美」は排除を伴うのか?/敗戦から高度経済成長期の都政/革新都政の誕生/保守による都政の奪還/世界との都市間競争/第5章 工業化と脱工業化のなかで/近代東京と工業/都市化のなかの農業と屎尿/戦後の屎尿処理問題/戦前の労働問題/横浜と東京の都市間競争/三多摩での都市間競争/高度経済成長と工業/脱工業化の時代のなかで/スマートシティとは?/第6章 繁華街・娯楽と都市社会/近現代東京と繁華街/近代の大イヴェント/「花街」とはどういう場所か?/ツーリズムと戦争/帝都の復興を祝う/オリンピック・万博と紀元二千六百年/紀元二千六百年関連行事と社会への影響/ヤミ市と戦後の駅前繁華街/月島という街/第7章 高いところ低いところ/山の手と下町/川と生活/近代における高い場所/関東大震災前からあった丸ビル/さらに高いところを求めて/アーバン・ルネサンスからバブルへ/バブル崩壊から都市再生の現在へ/都市再生は未来に何を残すか?/エピローグ 東京を通してみた近現代/近代の工業化と貧困への対応/帝都の復興とさらなる破壊/敗戦から高度経済成長期の社会と政治/ポスト高度経済成長の都市空間/東京史に残された課題/あとがき/東京史関連年表/参考文献
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政治的にスリリングな近代史
2024/11/06 10:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:天使のくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
たかだか200年もない期間が、歴史として扱われるというのは、けっこう学ぶことが多いかもしれない。そんなわずかな昔のことでさえ、正確には記憶が伝承されていないから。
東京オリンピックひとつをとっても、何となく1964年は成功したけど、2020年(の翌年)はさんざんだったなあ、くらいに思うかもしれない。でも、1964年ですら、さんざんだったことがたくさん。どれだけホームレスを排除したか、無理な新幹線の工事でどれだけ死んだか。
日本は戦争はもうしないと思われているけど、戦後復興に朝鮮戦争がどれだけ寄与したか。
関東大震災の復興と太平洋戦争の復興はどうだったのか。東京のどこが郭町だったかも。
荒川放水路の掘削なんかも、遠い話。
結局のところ、そういう歴史の上にぼくたちがいるわけで、もちろん平安時代も江戸時代もあるけれども、近代史もある。というか、ひょっとしたら、タチが悪いことに、近代史は捏造され続けてきたのかもしれない。明治時代以降のものが、なんとなく日本の伝統にされているし。
という意味で、近代史は政治的にスリリングだとも思うのです。
読みやすく、分かりやすい内容です。
2023/07/19 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
純粋に東京の歴史について、各章ごとに様々な切り口から著された1冊です。
非常に読みやすい文章で、分かりやすい内容です。読み終えて、東京の歴史に詳しくなれました。
東京は破壊と復興が築いた都市
2023/07/03 16:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の源川真希氏は東京が破壊と復興が築いた都市だという、考えてみればそうだ、西洋に追いつけ追い越せと築き上げた東京が関東大震災で焼け野原になり、ようやく復興したと思ったら、今度は空襲、それでもめげずに復興した東京、当たり前のように眺める東京の街、でも冷静に考えると、よくもまあ、あの焼け野原をここまでと思ってしまう
破壊と復興
2023/06/20 16:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
再一極集中が再燃し、社会構造の問題としての経済的格差が問題化する階級都市東京。明治からの競争社会の世の中の生きづらさや生活難や貧困などを、政治史・社会経済的視点から都市史として概論している。