少年になり、本を買うのだ
著者 桜庭一樹(著)
小説家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。本当に毎日本を読むのである。こよなく愛するジョン・ディクスン・カーのミステリをはじめ、ガルシア=マルケスの傑作小説、アゴタ・クリスト...
少年になり、本を買うのだ
商品説明
小説家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。本当に毎日本を読むのである。こよなく愛するジョン・ディクスン・カーのミステリをはじめ、ガルシア=マルケスの傑作小説、アゴタ・クリストフの自伝、死刑囚についてのドキュメント、茨木のり子の詩集から三島由紀夫のエッセイまで、縦横無尽に読んで過ごした、疾風怒濤の一年間!/【もくじ】二月 読書にまつわるすごいこと(たぶん)を発見する。/三月 町中に“なぞの女”がいる、気がする。/四月 ジョン・ランプリエールが辞書になる!/五月 夏木マリと、カー談義する。/六月 直毛なのに、アフロである。/七月 バナナの皮で、世界が滅亡する。/八月 傑作の前を、歌って通りすぎている。/九月 百匹の蝉が死に、百人の老人がやってくる。夏が、終わったのだ。/十月 片手に二十世紀梨、片手に豆腐竹輪の夜である。/十一月 「ビバビバ都会! 野戦病院!」である。/十二月 少年になり、花を買うのだ。/一月 書店はタイムマッシーンである。/単行本版あとがき/文庫版あとがき
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読んで食って喋って寝る
2010/03/22 15:13
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
近親相姦を題材とした小説「私の男」で有名な
桜庭一樹さんの読書日記。
と、書くと「どんなヘビーな日記なんだ」と
思われそうです。
実際に自分も「私の男」しか読んでいなかったので
書店でこのピンクのかわいらしい文庫を見かけたときは
!?
となりました。
先入観ってバカにできません。
そして、評者は「桜庭一樹」というペンネームで
作者を男性だと思ってました。(ごめんなさい)
やっぱり先入観って怖いです。
女性である作者の性別を男性であると
思っていた事に対する言い訳ではありませんが
作者は空手をやっていたらしく、道場にも通っています。
そして自らの課題を「色気」だと書いています。
そして本書のタイトルは「少年になり、本を買うのだ」
です。男性になりたいという願望があるのでしょうか。
一人称が「俺」だったりする場面も多いです。
内容はもうタイトルにもあるように
「読書日記」そのものです。
どうやら桜庭氏はかなりの読書家らしく
しかも、ものすごい読書量だという事です。
そんな桜庭氏は毎日書店をうろつき、大量の本を入手し
編集者や出版社のスタッフと妙にノリツッコミな会話をし
家に帰って本を読んで寝る。
実家にも頻繁に帰省し、その際はダンボール単位で
本を実家に送り、もちろん帰省の道中でも本を読み
実家においても毎日、街の小さな書店をぶらつき
家族ともノリツッコミな会話をして
ご飯を食べて本を読んで寝るという生活を送っています。
東京にいようが、実家に帰省中だろうが
日記のラストが「○○という本を読んだ。○○だった。寝た」
という形で終わるパターンが多く、本当に一日中本を読んで
ばかりいるのだなぁと証拠も確信もないのに妙に納得
させられる日記でした。
そしてうらやましいです。自分も一年位でいいから
読書だけして暮らしてみたいと思い、時々そんな妄想
をしています。
※上記○○にはタイトルや感想が入ります。
もちろんプロとしてのストイックな部分もあり
自分の作品を書いている時は、(本書では)
あるミュージシャンのPVを流しっぱなしにして
大好きな読書を一切せず、自分の作品と、自分が
作ろうとしている作品にマッチした音楽漬けになる
そうです。そして、その際は食事もほとんど摂らず
痩せていくらしいです。
ちょっとストイック過ぎるなぁと思いつつも
氏のプロ意識に圧倒されました。
そして、ちょっと真似出来そうにもありません。
本書の特徴ですが、氏の日記の中で
大量の本が紹介されています。
ジャンル的にはミステリーが多めであるという
感じです。
というより、ほとんどミステリーが主体でしょうか。
ミステリーをたくさん読む方なら自分が読んだ本を
氏の日記の中にみつけるという楽しみと、その本を
氏がどのように読んだのかを知るという楽しみがある
と思います。
今まで自分はほとんどミステリーを読まなかったのですが
本書を読了後、大量のフセンを貼っていました。
すなわち、簡易購入予定リストになったという事です。
そして、ついにミステリーも読むようになってしまいました。
そんなわけで、本書に載っているミステリーをはじめとした
様々な本を一気に買ってしまったのです。
新たにミステリーというジャンルを読み始めた感想は
「もっと早くから読んでいれば……」というものでした。
ちなみに本書の帯には「本が読みたくなる」と書かれています。
自分にとっては、正に、その通りな本でした。
読書において、ミステリーを読むという楽しみが
また一つ増えた半面、書籍代の増加という悩みも増えました。
本書では毎日のように本を購入している氏の記述が見られます
大丈夫なんでしょうか?と思うくらい買っています。
それもまた、真似出来そうにありません。
(うらやましいですが……)
氏の読書量の多さに圧倒されつつ、けっして読書を強要
するような文章ではなく、むしろ「本が好きでたまらない」
という作者の文章を読むと、きっと読者も自然と本が読み
たくなるはずです。
個人的には、自己啓発書にありがちな「本を読みなさい」
というような記述を100回読むより、本書「少年になり、
本を買うのだ」を読む方が、よっぽど本が読みたくなると思い
ます。
読書好きにも、そうでない方にもおすすめしたい
一作です。
エッセイって面白いなあと思った本
2021/10/31 23:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kamille - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は読書の趣味をちょっと変えてみようと思って読書エッセイでありまた自分が元々好きな推理ものなどを書かれてる方の本だから丁度いいかもと思って読み始めました
結果読書の趣味以外にもエッセイって面白いなあと予想外のいい影響も与えてくれた本になりました