終戦のローレライ みんなのレビュー
- 福井晴敏 (著)
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終戦のローレライ 1
2009/02/02 22:08
終戦の夏を描いた、事実と空想の世界。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
終戦の夏を描いた、事実と空想の世界。
歴史の中に「もし?」が存在したら、というテーマは題材としてかなり使われています。
太平洋戦争末期に、もし圧倒的な秘密兵器があったら・・・そういう発想なのかもしれません。
ローレライ。
この何とも不思議な語感。
ナチスドイツの開発した特殊兵器回収のため、五島列島に向かう船とその乗組員。
生きて帰ってくれるかどうかは、全く分からない中で特殊兵器とは何かを想像させられます。
敗戦が近い絶望的な状況の中、それでも軍務を果たす男たちの姿は、現代の日本人が忘れかけている「国家への忠誠心」が読み取れます。
国家に忠誠をもつというのが、必ずしもよいこととは言い切れませんが、心の中のよりどころとしての存在は大きいはずです。
結果、一生懸命生きることができるのでしょう。
さて、この小説は、描写が細かいです。ですから、自然と文字数も多くなるのですが、「特殊兵器とはなにか」という疑問があるため、さくさく読み進めることができます。
第一巻はこれから始まる物語の序曲です。
龍.
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終戦のローレライ 2
2009/02/02 22:10
全4巻のうちの第2巻。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
全4巻のうちの第2巻。
第1巻はプロローグ的な物語でした。
特殊兵器「ローレライ」とは何か?という疑問が読者の主な関心でした。
第2巻では特殊兵器の正体が分かります。人を介したレーダーシステム。
奇想天外のアイディアには驚かされるばかりですが、物語はごくごく自然に進みます。あたかも本当にそういうシステムがあるような錯覚を覚えます。
細かい点の描写や背景がそうさせるのです。また、登場人物たちの会話も、リアリティがあります。
ローレライシステムの中心にあるのが、パウラというドイツ人の若い女性。
しかし、本書ではここから特殊兵器自体ではなく「戦争の終わらせ方」を問いかけることになります。
「あるべき終戦の形」
そのために、特殊兵器ローレライが使われることになります。
しかし、このあるべき姿は、人それぞれ考え方が異なります。
あるべき終戦の形を模索しながら、物語は進みます。
龍.
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2022/07/24 11:15
息がつまる
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M★ - この投稿者のレビュー一覧を見る
良く調べた資料の上に展開する妄想ドラマ。
舞台が潜水艦なので、読んでいて酸欠になりそうな緊迫感。
映画化されている作品なので、映画も観てみたい。
2017/12/04 15:44
終戦のローレライ、のタイトルが持つ意味
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
綿密なプロットに裏打ちされた物語が、著者一流の筆力で迫ってくる。映画や漫画もいいだろうが、情景のにおいまでかぎとれる感覚におちいるのは、小説の長所である。折笠少年を始めとする人物たちが向かう先を、是非読んでいただきたい。そして「終戦のローレライ」という言葉にこめられた想いの記述がある後半に至るまで、是非読み進めていただきたい。(追記:映画化の際にタイトルを単に「ローレライ」としたのは、残念でならない。まさにあのタイトルにこそ意味があるのだから)
2017/11/14 14:42
ローレライ・システム、起動。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1,2巻を読み終えて、映画に匹敵する情景や人物を描写する筆致、物語のエンターテイメント性に脱帽する。面白い。
終戦のローレライ 4
2005/03/30 09:04
奇跡
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ごくたまに、読書を趣味とした自分を誉めてさえやりたくなる作品に出会う。年間約100冊読む中で、ほんの数作品。5作品は無い。この作品は、まさにそれにあたる珠玉の1作だ。
日本人として、というより人としての矜持が当然のように生きている。守るべき物の為に命を張り、後世の為に子供を諭そうとする大人らしい大人がいる。縦と横の社会が、礼儀と道徳を持って存在する。全て、現代社会が忘れてしまった「大事な物」。
人の命が軽んじられた時代。命の有り方を勘違いした時代。1ページ繰るごとに、死んで行った者達の無念を痛感し、今の時代に生まれた自分に感謝さえ覚える。だけに、「戦争は絶対にいけないのだ」という思いが溢れてくる。そして、自分の命も人の命も、全てかけがえの無い物であって、決して軽んじてはいけないのだと痛感させられる。読了時の呆然とした感触。珠玉というより、奇跡と言った方が良い作品かもしれない。
終戦のローレライ 4
2009/02/07 22:10
ローレライの最終巻。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
ローレライの最終巻。
「国家としての切腹」の思想は、戦争を始めた大人たちのエゴなのでしょう。
それよりも「命の大切さ」を選択する乗組員に共感を覚えます。
圧巻なのは、最後の戦闘シーン。
アクロバット的な操船術と緻密な戦術。
この二つがかみ合って初めてなさせる驚くべき戦果。読む者を引きこませずにはいられません。映画のシーンも悪くはないのですが、文字情報による描写はディテールにこだわっているため、画像よりも現実感が増します。
しかし、最後はやはり「命」の大切さ。
「命をつなぐ」という表現がぴったりです。
「名も知れぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ 故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月・・・いずれの日にか 国に帰らん・・・」
しばらく詩が頭を離れませんでした。
龍.
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終戦のローレライ 3
2009/02/07 22:08
物語も佳境の第三巻です。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語も佳境の第三巻です。
物語の最初の方では、ローレライの兵器の正体が生身の人間であったことが悲劇的で物語の中心でした。
第3巻では、「戦争の終わらせ方」が語られていきます。
「国家としての切腹」
この作戦を考え行動している朝倉大佐と潜水艦伊507乗組員が狭い船内で、自分たちの思いをぶつけます。
でも、「国家のため」と「個人の生死」の重軽は、どうやって判断するのでしょうか?
太平洋戦争中では、明らかに前者に偏っていたと思われます。
太平洋戦争末期。原爆投下にしてもそうですが、人間の生死が政治的な駆け引きの道具に使われていたようです。
そんな中、必死に生きようとするこの物語の主人公たちの姿は感動せずにはいられません。
現代では?
国家と個人。考えさせられます。
龍.
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終戦のローレライ 2
2013/08/04 06:42
あとはどうなった?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピンポン - この投稿者のレビュー一覧を見る
中途半端な発行でフラストレーションがたまります。
なにより1巻と2巻の厚みの差は何?
映画版といろいろ違うし裏設定みたいなものもうかがえて楽しみなだけに残念
終戦のローレライ 4
2020/12/30 19:26
戦争
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鎮文修 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊507のクライマックスと戦後のエピローグが描かれる完結巻。
小説全体を通して描写がかなり長い。特に船の仕組みが分かっていないと場面を取るのが大変なのではないかと思った。しかしそれを上回る迫力と面白さだと思った。
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