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KazTさんのレビュー一覧

投稿者:KazT

92 件中 1 件~ 15 件を表示
残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか

2020/03/08 10:29

ヒトは進化の頂点ではない

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書のタイトルの「残酷」とは、限られた地球の中で行われる生存闘争の結果が「進化」であることを伝えています。特に、様々な証拠からヒトは進化の頂点でもなく、特別な存在ではないことを著者は説明します。よく「ヒトはサルから進化した」と言われ、チンパンジーやゴリラは人より劣っていると考えがちですが、そのような誤解は本書を読めば、彼らはそれぞれの環境下において進化の頂点にいて、現存するすべての生物がそれぞれ進化の頂点にいるのだと気づかされます。
そして、なぜ、我々は死ななければならないのか、この重要な疑問にも自然淘汰の宿命であることを教えてくれます。
非常に専門的な内容も分かりやすく解説してくれて、前作「絶滅の人類史」同様、進化や自然淘汰について理解を深めさせてくれる良書だと思います。

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座右の書です。

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者が人に読むことを勧める唯一の本だという中国の古典「貞観政要」について、そのエッセンスを著者なりの解釈や読者へのメッセージを加えてて解説します。
著者がビジネスリーダーにとって必読の書と語るだけあって、非常に内容の濃い教えが示されていると思います。
著者が座右の銘とする「三鏡」や「十思九徳」等、貞観政要に書かれている内容そのものの説明だけでなく、著者が各章につけたタイトルを読むだけでも会社組織で働く人にとっては身に染みる言葉となっています。
例えば、第1章「リーダーは「器」を大きくしようとせず、中身を捨てなさい」や第4章「思い付きの指示は必ず部下に見抜かれるー信と誠がある人が人を動かす」など、はっとさせられる言葉にあふれてます。
私自身の座右の書のひとつです。

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科学とは何か?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

物理学者でキリスト教の聖職者である著者が、宇宙の原理を解明しようとしてきた科学者たちと神との関係を語ります。
コペルニクスやガリレオはキリスト教徒であり、けして神を否定するために地動説を説いたわけではなく、神が書いた宇宙の原理を読み解こうとした。
現在までに科学者が解明してきた物理科学の法則は神の存在を否定する領域ではなく、神がつくり出したと思われていた領域を狭めていく作業だった。
「光あれ」すらも、科学がその始まりを解明しつつあるが、真の宇宙の始まりを追求していけば、いずれは、なぜこのような法則が存在するのか、という謎に行きつき、科学が神を否定できないことになる。
と語ります。
科学の発展と宗教の関係を面白く読むことができ、科学とは何か、考えさせられます。

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メインテーマは殺人

メインテーマは殺人

2020/10/11 16:06

シリーズものとしての面白も期待できます。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

作者自身がワトソン役となり、元刑事のホーソーンから彼を主人公とする探偵小説を書くことを依頼される設定。現実世界と作品の世界が交錯するような内容が面白い。
「老婦人が自身の葬式を手配した直後に殺された」
その謎解きの面白さも十分ですが、それに加えて作者がこの探偵小説を書くまでの葛藤を知る楽しさもあります。
全10作のシリーズになるそうなので、シリーズものとしての面白も期待大です。

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コロナ後の世界

2020/10/11 16:01

この時期に読むべき1冊

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ジャレド・ダイアモンド、ポールグルーグマンのほか、LIFE SHIFTのリンダ・グラットン、GAFAのスコット・キャロウエイらが、コロナ後に世界がどうなるかについて語ります。
コロナのようパンデミックに対しては、一見、独裁国家の方がよいように見えるが、ジャレド・ダイアモンド、ポールグルーグマンともに独裁者は間違いを隠すため、結果的に良いことはないと考えています。
ぜひ、この時期に読むべき1冊だと思います。

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市場経済の疑問に答えてくれる

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1960年代のアメリカ社会を題材に不道徳と一般に言われている商売を行う人々が、いかに市場経済で役に立つ存在であるかを説明した原書を訳者が現代日本を題材に論理を変えずに超訳してます。
経済社会の裏のような場所がいかに有用であるか、論理的かつ明快に解説する本書を読むことで、経済社会の構造が非常によく見えてきます。
例えば、中国製品が日本に入ってくるから失業者を生み出している。だから、保護主義こそが解決策だ、とすることの誤りを「絶対優位」と「比較優位」で説明します。
ある弁護士は法律家としても優秀で、文書作成も非常に得意だが、弁護士ほど文書作成が得意でない秘書を使うのはなぜか?
秘書が文書作成に倍の時間がかかっても、文書作成時間を弁護士が法律家として仕事をした方がより報酬を得られれば、能力の劣る秘書であっても雇うことになる。
同様に、中国製品が日本のあらゆる製品に対して優位性があったとしても、製品を輸出することで受け取った金をどこかで使わないと稼ぐ意味がないため、比較的優位性のある日本製品(例えば中国製品に比べ性能は少し良いが価格が高いなど)を買うことになる。
など、市場経済の疑問に答えてくれる良書だと思います。

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「科学的思考」のレッスン 学校で教えてくれないサイエンス

「科学的思考」のレッスン 学校で教えてくれないサイエンス

2020/03/24 06:20

科学的思考を身に着けるのに最適

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「科学的に考えるとはどういうことか」について、様々な例を挙げてわかりやすく解説します。
そもそも科学とは何かという問いについては、「ちょっとでもより良い仮説を求めていく営み」であり「裸の事実を少しでも減らしていくこと」であることを読者につたえ、この活動に参加しないものが疑似科学と定義している。さらに、一般の人々には科学の中身よりも、科学とはどんな活動か、ということの知識を持つことが重要であると語ります。
後半では福島原発事故を例に、科学リテラシーについてのレッスンが行われ、まさに学校では教えてくれない市民にとって必要な「科学的思考」を身に着けるのに最適で非常に親切な一冊だと思います。

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ひねもすのたり日記 1 (BIG COMICS SPECIAL)

ひねもすのたり日記 1 (BIG COMICS SPECIAL)

2020/01/03 10:08

素晴らしい本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ちばてつや氏の自伝的マンガです。全編カラーで暖かみのある色使いで非常に素晴らしい本です。
自伝的な内容で1巻は戦時中、繰らしていた中国での生活と終戦後の混乱、日本への逃避行が主な話ですが、漫画界の巨匠の人柄や近況を知ることもできます。
ちばてつや氏の一家が終戦後、1年間にわたる苦労は子供の目を通して強く記憶されていることが描かれているため、意外とさらりとしてますが、現実はものすごく辛いものだったということが伝わってきます。

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絵で見る明治の東京

絵で見る明治の東京

2019/09/21 12:48

非常に分かりやすい内容

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

明治の初めから終わりまでの45年間における、江戸から東京への移り変わりを時系列に解説し、出来事がわかりやすく正確なイラストとともに描かれます。
今はない建物や人々の暮らしをペン画で描き、平易な文体で説明してくれるため、明治の東京がどのような都市であったか、よく知ることができます。

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技術者たちの敗戦

2021/04/04 12:36

日本の技術産業の歴史を紐解く

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

太平洋戦争中に戦闘機や戦艦、鉄道、レーダーなどを開発した若手技術者たちの戦中と戦後の生きざまを描くノンフィクションです。
一流の技術を持ち、戦後、活躍し成功を収めたものもいれば、戦後の大きな環境変化に追いつけず、技術者の道から離れるものも。
日本の技術産業の歴史を紐解く役割も果たしている良書だと思います。

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罪悪

2020/12/02 22:50

前作「犯罪」に負けず劣らずの傑作

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

弁護士の作者が、弁護士が語る形式で描く短編集の第2弾です。
前作の短編集「犯罪」に負けず劣らず、バラエティに富んだ内容で読み手を引き付けます。
短い作品は3ページほどのショートショートですが、最後の「秘密」はわずか3ページ。
わずか3ページながら解説にも書かれている通り、最終話にふさわしい意外性のある作品になっています。

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罪悪

罪悪

2020/10/11 15:47

傑作「犯罪」に負けず劣らずの作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

弁護士の作者が、弁護士が語る形式で描く短編集の第2弾です。
前作の傑作「犯罪」に負けず劣らず、バラエティに富んだ内容で読み手をぐいぐい引き付ける作品ばかりです。
短い作品は3ページほどのショートショートにもかかわらず、研ぎ澄まされた文章で、読者に行間を読ませるテクニックは最高。
最後の「秘密」もわずか3ページながら解説にも書かれてますが、まさに最終話にふさわしい作品になっています。

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効率的にインプットするためのノウハウが盛りだくさん

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

精神科医の著者が学びの効率を最大化するインプット術を解説します。
前作「アウトプット大全」とリンクする内容が多いですが、アウトプット大全では行動することで現実世界を変えるアウトプット術に対し、本作はアウトプットすることを前提としたインプット術を伝えます。
ぜひ取り組みたいと思う内容がたくさんありましたが、特に参考になったものが以下の6つです。
・インプットするときは必ず「何のためにするか(方向性、目標)」を考えよう。
・インプットとアウトプットは表裏一体。どちらかだけに集中せず同時処理を意識しよう。
・アウトプットを前提にインプットを行う。
・本の全体像を理解して重要な部分から読むことで効率的に読める。
・質問を前提に話を聞く。質問により理解力が高まる。
・インプット直後にアウトプット(想起練習)することで記憶が増強
・寝る前の15分は記憶のゴールデンタイム。
一つの内容が2~4ページでまとめられ、興味ある所から読むことができ非常に読みやすいので、ぜひ読んでみてください。

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組織をつくる難しさを痛感

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満州事変から終戦まで、日本軍における指揮官と参謀の組み合わせを13例紹介し、そのコンビネーションが生み出した歴史を解説します。
どの事例も、良い成果を生み出すことなく失敗に終わるものばかりですが、その原因が指揮官と参謀のコンビネーションにあるのか、回避不可能な歴史的背景にあるのか、それとも日本軍全体の組織にあるのか、考えさせられる内容です。
沖縄戦を指揮した牛島司令官と長参謀長の事例では、まさに当時の日本軍の精鋭コンビで、かつての日露戦争における大山巌と児玉源太郎を彷彿させる関係であったにもかかわらず、その結果を考えれば、このコンビネーションが必ずしも最善のものではないことを示します。果たして、完璧な組み合わせが理論的に存在するのか、組織をつくる難しさを痛感させられます。

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ヒトごろし

ヒトごろし

2020/05/01 19:56

【ネタばれ】鬼の副長、土方歳三

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

土方歳三がなぜ新選組の副長となり、鬼と呼ばれるようなヒトとなったか。
殺人集団の新選組は、土方歳三がその望みをかなえるために生み出したもの。
フィクションでありながら、本当にそうではなかったかと思わされる作品です。
ほとんどが土方歳三の心のうちの描写で、数々の有名な事件が語られます。
土方歳三の卓越した人を見抜く力、先を読む能力が発揮されますが、そのすべてが彼の望みを達するためだけに使われ、一切ぶれない凄みが伝わってきます。
各章の終わりの決めセリフとして、俺はー。「土方歳三だ」と答えます。
そしてその土方歳三が最後に語るのは・・・。ぜひ読んでみてください。
また、本作には重要な登場人物として、土方歳三に刀を渡し、斬られて美しく死にたいという女性、お涼が登場しますが、彼女はある京極作品で重要な役割を果たしています。

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