チップさんのレビュー一覧
投稿者:チップ
罪の声
2017/01/17 06:54
事件にかかわってしまった子供たち
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
グリコ森永事件の脅迫電話に子供の声が使われていた事からインスピレーションを得て書かれたフィクション
実際のグリコ森永事件を丹念に取材して事実とフィクションを巧みに織り交ぜた渾身の作品
グリコ森永事件により人生を狂わされてしまった子供の話は作者のフィクションだが、本当に人生を狂わされてしまった子供がいるのかもしれないと思わされる秀作です。
正欲
2021/06/19 07:19
ニュースを見る目が変わってしまう問題作
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
作品の評価は人によって分かれると思います。
しかし、読む前と読んだ後ではニュースで報道される事件を見る目が変わってしまう問題作だと思います。
報道される容疑者の供述に「そんな事ある訳ないだろ。口実だろ」と思った事は何度もある。
でもそれが真実だとしたら?
世の中には多様な価値観があり、自分には理解できない趣味趣向の人間はいる
さまざまな価値観を認めるという事の持つ矛盾点を読み応えのある作品に仕上げた作者の力量に感服した。
みかづき
2016/11/18 07:03
満月にあこがれる途上の月
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
昭和36年、小学校用務員だった大島吾郎は勉強を教えていた児童の母親・赤坂千明の強引な押しによりともに学習塾を立ち上げる。
ベビーブームと高度経済成長を背景に吾郎と千明の塾は順調に成長していく。
目まぐるしく変わる文部省の方針に翻弄され、保護者からは目の前の成績を上げる事を要望されて吾郎と千明の方針の違いは埋めがたいものになっていく。
昭和から平成の塾業界を舞台に3世代の家族の物語を描く長編
「カラフル」や「DIVE」など児童文学の世界で数々の賞を受賞した森絵都さんが「塾」を舞台に教育と子供を描きました。
最終章の「新月」で千明と吾郎の孫 一郎の成長には目を見張るものがありました。
教育は子供をコントロールするためにあるんじゃない。
不条理に抗う力たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだ。
タイトルの「みかづき」の意味も最終章の吾郎のスピーチでわかる。
教育とは何か家族とは何か
感動の長編でした。
ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト
2023/07/23 04:57
題名の勝利
10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
短期間に版を重ねる大ヒット
内容は森永氏が過去の著書やラジオ等で話している事が多い。
ヒットの一番の要因は題名とユーモラスな表紙イラストだと思う。
財政均衡主義が正しいか間違っているかは判断が分かれるが、現在の日本が「将来世代にツケを残さない」といいながら肝心の将来世代が生まれないという状況になっているのに、財務省が気候主義をやめないのは「真理教」と揶揄されてっもしかたないと思う
老いる家崩れる街 住宅過剰社会の末路
2017/02/17 16:30
子世代に「負動産」を残さないために今できる事を始めなくてはいけない
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
新国立競技場など東京オリンピックにかかわる費用が膨らんでいるという報道がされている頃、著者の子供(当時中1)がテレビを見ていてつぶやいた
「これ以上、自分達の世代に迷惑をかける事はやめて欲しいな」
投票権も決定権もまだない子供達が大人になって使う建物・まちという空間、そしてそれらの維持管理・更新するための財政負担を私たち世代が一方的に決めて押し付けていいのか?
著者が改めて気づかされた瞬間だったとあとがきに書かれています。
人口が減っていき空き家があふれているのに新たな住宅が建て続けられている「日本」
誰もがこのままではいけないと内心思っているのに、改善されない。
今立ち止まらければ次世代に大きな負債を残してしまうと思う。
政府はもう噓をつけない
2016/09/24 07:25
強欲資本主義に奪われたものを取り戻そうとするもう一つの闘いが始まっている
7人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
リーマンショックの時に世界中が目にしたように、今アメリカの政治を実質的に動かしているのは金融業界です。
そういわれても不思議に思わない程、アメリカに限らず世界中が強欲資本主義に翻弄されている。
堤さんの書籍を読むと暗澹たる気持ちになるが、世界中で強欲資本主義に何もかも値札をつけられて売りにだされてしまったものを取り戻そうという闘いが始まっている。
全く主張が違うようにみえるサンダース氏とトランプ氏も同じコインの裏と表
アメリカの民衆がグローバル化という名の強欲資本主義に反旗を翻しているのだという。
アメリカの抱える真の病理が個々の政策などではなく、それを束ねて飲み込んでいく「政治とカネ」という構造そのものだという事。国家としての力を失い超富裕層だけが潤う「株式会社国家」になってしまったアメリカの悲鳴がトランプ・サンダース旋風を巻き起こした。
労働よりも資本が、製造業よりも金融業が重視され「今だけカネだけ自分だけ」が暴走する流れの中で、立ち止まってもう一度人間にとって「幸せとは何か」と見直す人が増えている。
欲にのまれて道を踏み外す一方で、人類が進化の中で創り出したもう一つの財産「共同体」や「憲法」「民主主義や人権」「すぐに結果が出なくても時間をかけて育てていくことの喜び」そして私たち日本人が世界に誇る他者への優しさに満ちた「お互いさま」の価値観。
守るべきものが見えてきている人が増えてきている。
欧州のメディアがほとんど報道されなかったアイスランドの「鍋とフライパン革命」
強欲資本主義を牛耳っている1%の力は大きくあきらめそうになるけどあきらめてしまっては終わりなのだと改めて思った。
ある行旅死亡人の物語
2022/12/22 04:55
身元はわかったが謎は残る
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
何気なくアクセスした「行旅死亡人データベース」にのっていた「所持金ランキング」
3400万円を所持した右手指をすべて欠損した75歳ぐらいと思われる尼崎の女性
興味を持って取材を始めるとさまざまな謎が浮かび上がる
所持していた印鑑から身元がわかるが、それでも3000万円以上の所持金の出どころは不明のまま
アパートを借りた名義人の「田中竜二」さんとの関係もわからなかった
全国の行旅死亡人にはもっとさまざまなドラマがあるのだろうと興味を持った
ルポ食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?
2023/02/26 05:49
環境を破壊するのは「牛」ではなく、その飼い方
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
地球温暖化の犯人として「二酸化炭素」や「メタンガス」があげられ、その犯人の一つとして「牛」と言われている。
しかし、問題は牛ではなく飼い方が間違っているからだという。
あらゆる方面で進む国際金融資本の寡占化。
さまざまなで「土壌」を守るための活動が始まっている。
私たちは今声をあげないと大切な地球が壊れてしまうと思った。
老〜い、どん! 1 70〜90代あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる
2020/02/29 08:52
老いていく日常
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
樋口先生の軽快な語り口でスラスラと読めた
自宅が老朽化するころには自分は老人ホームに入る予定でいたが、自宅が自分より早く老朽化して迷ったが、80歳すぎて二世帯住宅に建て替える事になった。
人間の寿命が延びて「家」の寿命を超えてしまった。これから日本全体に起こる事だと思った。
樋口先生のケースがすべての人にあてはまるわけではないが、「ヘタヨロ期」をどう過ごすかは考えないといけないと思った。
58歳から日々を大切に小さく暮らす
2020/03/15 06:05
信者以外は図書館で借りれば十分
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
60歳近くなり体力が衰え自分の身の回りを整理する事を考え始めたシングルアラカンのエッセイのようなもの。
きれいな写真がたくさん。
内容は具体的な事はあまり書いてなく信者以外は著者が愛用しているように図書館で借りれば十分だと思った。
派遣社員あすみの家計簿 1
2020/03/09 07:35
サブキャラも魅力的 節約情報はあまりお勧めできません
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
彼氏と結婚するために大手会社を寿退社し、駅から20分のマンションに引っ越し、新居の家具等も自分のカードで購入したら彼氏に逃げられた。
カードの支払い・家賃の引き落とし
正社員時代には考えた事のなかった引き落とし金額との格闘
節約情報満載とあるが、こんな食生活を長く続けていたら健康を壊します。
物語は一か月程度でどん底を抜け出して徐々に安定した生活に移っていくのでいいが長期間続けるもやし生活ではない
派遣された会社の上司やアドバイスをくれる親友。サンプル配りの同僚などサブキャラも魅力的。
ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!
2023/09/12 05:34
冷凍の仕方が大変わかりやすい
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
特売で買いすぎた食材やあまってしまった食材
今まではそのまま冷凍室へ放り込んでいたが、ちょっとした工夫で後々利用しやすくなる
レタスなど冷凍できないと思っていたものの工夫次第で冷凍できるのは知らなかった
厚揚げやこんにゃく、しらたきのように生とは違った食感になる冷凍の仕方
大変わかりやすく参考になった
死ぬまで、働く。 97歳・現役看護師の「仕事がある限り働き続ける」生き方
2021/12/31 14:12
97歳まで元気で自立して働きつづけられる幸せ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ただただ羨ましいの一言
97歳で週2日ほど看護師として現役で働いている著者。
入居者は著者より年下の方が多い。
著者の日常が簡易な文章でつづられている
必要とされ働ける場所があり、その声にこたえられる健康に恵まれるのは羨ましいしかないです。
ぼくたちに、もうモノは必要ない。
2015/10/22 17:58
ミニマリストといいながらiphone依存が気になる
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
断捨離の上を行くミニマリスト
何もなり部屋はすっきりとして美しい。
本の最初の頃は多すぎるモノの束縛を離れ、現在の自分にとって「必要」な事や物に目覚めていくのに共感が持てたのですが、途中から「スティーブ ジョブズ教」ともとれるiphone礼賛にちょっと疑問を感じるようになりました。
iphoneがあれば事足りるからと捨てたモノたち
じゃあ、iphoneが故障したらどうなるの?
色々と賛否両論のミニマリストですが、現代がモノが多すぎるのは間違いない。
捨てる事は「技術」である。
これは名言
いきなり断捨離マスターにはなれない。
ミニマリストとまではいかなくても、多すぎるモノを見直すのは現代の日本人には必要な事だとおもう。
2024/05/28 05:46
「違和感」を大切にしよう
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
日本は同調圧力の強い国だったが、最近とくにひどくなっているように感じていました。
天邪鬼と言われても「違和感」を持つ事を大切にしないと思った
軍産複合体という言葉は知っていたが、デジタル版軍産複合体ともいえる「検産複合体」は知らなかった。
EU版農民一揆ともいえる活動も知らなかった。
自分を守るためには「違和感」を大切にしてさまざまなアンテナを張らないといけないと思った