重音を正しい音程で弾いた時に聞こえるTartini Tone(差音、結合音)はTartiniが発見したと言われており、Leopold Mozartもそれを教科書で述べています。(下図)
Tartini Toneはぼんやりした低い音で、聴き手には聞こえにくいですが、弾き手には訓練すれば聞こえるようになり、マイクが楽器に近い時には録音にも残ります。Tartini toneの把握は重音の正しい音程の練習には必要不可欠なスキルですが、日本の音楽教育でどの程度教えているのか(あるいは差音を理解している教師がどの程度いるのか)は不明です。たまたま米国大学の弦楽器の教授
William Fitzpatrick という人が解説した動画を眺めていたら、なんと、間違えて教えていました!!
動画の5分のところでA/C(長6度)のTartini ToneはFという説明は正しく、彼の弾く重音で録画にFの音が認められます。ところが、5分14秒でA/Cis(短6度)のTartini toneをEと説明しており、お手本を示そうと何度か弾くのですが、なかなか当たらない(笑)。それもそのはず、短6度のTartini Toneは正しくは上の音と同じAなのです。冒頭示したLeopold Mozartの教科書もAとなっています。この教授の弟子はさぞかし迷ったことでしょう。
Tartini Tone(差音)を正しく理解し、純正律和音とピタゴラス和音の使い分けと妥協含めて実践・指導できる教師がどの程度いるのでしょうか?
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コメント
jackviolin
William - host, on August 15, 2020 @11:15 am PST
Hi and thanks for your observation! After having gone through my notes and looked again at "combination tones" I realized that I spoke in error and you and Leopold Mozart are correct as it is an "A"! Here is one of the articles I used in my research: https://www.academia.edu/30974857
2020/08/17 URL 編集