より賢いレポート、より深い影響力。

より賢いレポート、より深い影響力。

私の記事の日本語訳を通してこの機会を与えてくれたBen Holtに感謝を込めて、第7弾の記事をお届けします!


データに埋もれながら取り組む仕事の中で、提示されている内容を見て絶望の声を上げることはありませんか?だいたい1日に18回ぐらいありますよね?  

ない?私だけ? :)  

このような叫びの原因となる問題は、方法論の根本的な問題や想像力の欠如などといった大げさなことではありません。それらは大抵は小さくて、これまでに蓄積された知恵によって発見できるはずのことです。  

ここに、多くの中でも特に私が心を痛めている、よくある4つの間違いを紹介します。どれもデータの消費者(おそらくあなたの上司の上司)の視点を考慮して導き出されたものです。 

1. 最適な「高度」への調整をお願いします!

これはとても単純な間違いです。複数の数字を報告する際は、それらが同じ高度にあることを確認してください。 

YouTubeのこの例を見てください:

[YouTube Engagement Statistics]

「11kの高評価」と「351の低評価」を見ると、351に過度な重みが与えられてしまいます。 

サブリミナル的ですが、大量のデータを迅速に評価しようとするこの世界では非常に重要です。 

最適に調整されたバージョンなら、「11k | 0.4k」と表記されることでしょう。

または、「11,000 | 351」。 

どちらの方法も、351を適切な視点に置きます。それは11,000と比べてはるかに小さい数字です。 

X (Twitter) Analyticsからの例をこちらに示します:

[Twitter Engagement Statistics]

「14.6k」からの「18」と「12」と書かれていると、実際ほど低効率には見えません。

高度を修正すると「14,600 | 18 | 12」となります。 

これで、払うお金に対して受け取ることになる価値が、より鮮明に目の前に迫ってきます。 

それがあなたの仕事です。物事をコンテキストの中に置き、現実を磨くのです。 

2. 誤った精度の排除。 

46,165,688ドルに... 80セントまで書き加えることが本当に役に立つでしょうか? 

あなたはこういうとき、本当にそんなに精密に測定しますか?

[Google Analytics Statistics]

答えは、Google Analyticsに限らず、すべての解析方法において、断固としてノーです! 

では、なぜ実際よりも正確な数字であるかのようにほのめかすのでしょうか?なぜ視覚的な混乱を増やすのでしょうか? 

「Product Revenue」のすぐ下のボックスを考えてみてください。全体を読んで、それが何を言っているのか、そしてそれを言う価値が何なのかを考慮してください。心が痛むでしょう? 

偽りの精密さの例は至る所に見られます。私はそれらを「偽りの」と呼びます。なぜなら、単にそのデータがどうやって収集、処理、報告されたかを理解すれば、その数字は実はプラスマイナス5%から10%の間で多かったり少なかったりの幅を持つであろうことを実感するからです。それにもかかわらず、プレゼンテーションは、ありもしない小数点以下2桁レベルの精度を示唆しています。

 この表を例にとってみましょう...

[GA Behavior Metrics]

離脱率の値を単に四捨五入しても、価値は失われません。85.02%は単に85%にすることができます。28.97%は29%にできます。 

リーダーから小数点2桁を求められることがあったら、それはあなたの会社が豚に空を飛ばせるビジネスを始めるのと同じぐらいレアなことでしょうが、それが偽りの精度であるという理由を説明してあげてください。驚くべきことに、その説明を聞いて彼らはあなたをさらに信頼するようになるでしょう。 

統計分析の結果を報告するときは、信頼区間を共有してください。35%ではあるけれど、その信頼区間は4%から43%の間だと伝えることで、偽りの精度を排除します。

調査結果を報告する際は、n=314で、ほとんどの回答者がイリノイ州からだったと報告してください。偽りの精度を明らかにしてください。 

それ以外の場合にも同じ様に。 

3. コンテキストのひとつまみがデータを美味しくする。 

下の画像より下へまだスクロールしないでください。よく聞いてください。 

このスライドを見て、数字を吟味し、何を学んだかを心の中で振り返ってください。 

「80%プラス

モバイル検索、過去2年間で最高の伸び」

[Mobile Search Growth]

まだです。 

お願いです。さっきの質問を熟考してください:上記のスライドから学んだ価値のあることは何ですか? 

もうできましたか? 

表面的には、素晴らしいと思ったに違いありません。わずか2年で80%の大幅な上昇です。 

もう少し考えると、待って、本当に大きいのか?重要なのか?中身が空っぽじゃないか?と思いませんか? 

それはスライドにコンテキストがないためです。 

もし他のモバイル検索が全部6,000%増加していたら、80%はひどい数字です。6,000%がコンテキストです。 

もし80%はカナダのAndroid携帯電話だけで増えているなら、それはOKでしょうか?Androidとカナダはコンテキストの一部です。 

もしモバイル検索で最高の80%の伸びが超富裕層によるものと表しているなら、それは魅力的です。(お金!)その人口統計的な情報がコンテキストです。 

もし80%の増加がモバイル検索経由での携帯電話の売り上げを76%増加させたなら、それは驚くべきことです。その売り上げ数字がコンテキストです。 

もしモバイル検索の80%の増加が、デスクトップ検索が50%減少した時期に起こったなら、それは怖い。(そして重要)デスクトップ検索の数字がコンテキストです。 

もっと続けることはできますが、大体は分かっていただけたと思います。 

最初に魅力的に見えたデータが空虚な感じを与えた理由は、その周りにコンテキストがなかったからです。 

どんなデータも良いものにも悪いものにも、有用にもゴミにも、示唆的にも邪魔ものにもなります。それをどちらのカテゴリーに入れるのか、決めるのはコンテキストです。 

ほとんどの指標はまだコンテキストなしで報告されていますーそれによって実質的に持っている価値を無効にしています。 

レポートを作成するのに非常に、非常に努力しましたよね。ならばその中に最も関連が高いコンテキストを持たせないままでリーダーシップチームに向けてぶちまけるのはやめておきましょう。 

もう一度ゲームをしたければ、もう一つ例があります... このスライドから得られる最も驚くべきコンテキストは何でしょう: 

「165%プラス

『ウォーターボトル』のモバイル検索、過去2年間で最高の伸び」

[Mobile Searches | Water Bottles]

私は16個も思いつきます。あなたはただ一つだけ考えれば結構です。 

関連するコンテキストを求めるアナリストへの秘密のヒント:ビジネスの優先事項、目標、戦略を理解する必要があります。それだけで、あなたのレポートやスライドをより価値あるものにするだけでなく、あなたの影響力を高めることができます。 

コンテキストは女王です。(今も参考になる、なんと2008年から5つのティップスですよ!) 

4. なんでもかんでも見せればよいというものではない! 

これはよく目にする初心者のミスです。 

例えば、16列もあるレポート。 

各KPIにバリアンス、目標、スパークライン、セグメント別パフォーマンス、逃した機会の数が添付されている、そのようなダッシュボード。16のKPIごとに! 

Facebook Analyticsに出てくる次の例を考えてみてください...

[Facebook Page Insights]

たくさんのデータにアクセスできるからと言って、それをすべて一つのグラフ/レポート/スライドに入れる必要はありません。 

上のチャートを理解する唯一の方法は、全時間範囲にわたってマウスをすべてのデータポイント上にマウスオーバーさせることで表示されている7つのディメンションのパフォーマンスを理解することです。 

そんな時間はありませんよね。 

でも、一番重要なディメンションがもっとも大きな面積を占めて自然と際立つから大丈夫」という言い訳もしてはいけません。 

いいですか。KPIダッシュボードやFBアナリティクスレポートの受け手の身になってみましょう。彼らの立場に立ってみてください。会社で50のタスクをこなしながら、あなたのアナリティクスレポートを見ることで彼らが感じる圧倒的な負担を想像してください。仕事のやり方を変えませんか? 

ありとあらゆるものを投げ込むことで自分が際立つことはまずないです。深い共感を持って、自分が行った分析を深く理解した上で、ちょうど良いひとくちサイズの情報を提供することで目立ってください。 

.#friendsdontletfriendsdatapuke (#友達は友達にデータのげろを吐かせない) 

結論:私はこの業界で繰り返される間違いを、これら以外にも少なくとも20は知っています。あなたが私の仕事を見れば、私がまだ気づいていない間違いを見つけることができるかもしれませんね。より鋭く見つめ、愛を持ってそれらを指摘し、データが持つ影響力のレベルを高めるための手助けをすることに、私たち全員で取り組みましょう。 

たくさんの愛を込めて。 

アビナッシュ


#marketing #マーケティング #analytics #アナリティクス #webanalytics #ウェブ解析



Dustin Wallace

Simplifying and Automating Marketing Tag QA

6ヶ月前

I like number 4. You can save yourself from this by intelligently deciding on what to track in the first place so those endless dimensions and events aren't available to visualize in the first place!

いいね!
返信
Amir B.Mohamamdi

Data Analytics Executive | AI Enthusiast

7ヶ月前

Beside the great points you have made. Out of curiosity! Why do you write your blogs in Japanese?

Absolutely! Adding a dash of context truly makes data digestible. Eliminating false precision is a game changer. Keep enlightening us with such wisdom! Avinash Kaushik

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Arti Chaudhary

COO @Two99 now expanding to Dubai | Performance Marketing | Saved ₹300M+ in ad spends | 4X Marketing ROI with optimized ad spends

7ヶ月前

Great advice! Simplifying dashboards by avoiding common mistakes can significantly enhance their effectiveness.

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Manvindra Chaudhri

Performance Marketer @PMM | Media Buyer - Meta & Google Ads Specialist | WordPress & Shopify Developer | PPC, SMM & SEO Strategist | Part-Time YouTuber & Blogger | Boosting Revenue & ROI with Highly-Targeted Campaigns

7ヶ月前

Sounds like helpful advice. Context is key! What's the most common mistake you've seen? Avinash Kaushik

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返信

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