いだてん あらすじと感想 第46話 炎のランナー
宮藤官九郎氏脚本のNHK大河ドラマ、【いだてん~東京オリムピック噺~】の46話は「炎のランナー」です。この「いだてん」も素晴らしいドラマですが、「炎のランナー」もまた素晴らしい映画でしたね~。タイトルを見ただけですぐにあの音楽が浮かんできました。
以下ネタバレのあらすじです。
田畑が辞めるなら俺も降りると言った黒沢明監督(増子直純)に代わり、市川崑監督(三谷幸喜)が記録映画を撮影することになりました。我が福島が誇る円谷幸吉(菅原健)も好記録を出して万全の構えです。聖火を手に走る第4弾のポスターも完成しました。
これが田畑が去って1年半が経過した頃だそうです。その頃はもう皆最終段階の追い込みで、前ほど田畑の家に集まることはなかったそう。
それがある日、岩田たちが、聖火リレーの最終ランナー候補を知らせにやってきました。坂井義則(井之脇海~黒田大樹@義母と娘のブルース)というこの早稲田の学生は、なんとなんと、1945年8月6日~原爆が投下された約1時間半後に広島で生まれたそうです。
坂井は、地元の高校在学中に国体で優勝したことから、東京オリンピックに出場したいと早稲田大学に入学しました。その競争部で坂井を育ててくれたのが、後に瀬古利彦さんを世界的ランナーに育て上げた中村清監督だったそうです。
残念ながらオリンピック出場の夢は叶いませんでしたが、坂井は平和の象徴として聖火リレーの最終ランナーに抜擢されました。
日本人なら誰もが賛成したいところですが、ここでもまた無用な「忖度」が働きます。政府はどう思うだろうか?アメリカが不快に思わないだろうか?
まったくこの辺は50年以上たってもまったく変わっていませんね。「NO」と言える日本はいつになったら実現するのでしょうか。
その辺は抜かりない松澤は、金栗四三でいいではないかとおもねります。ジジイがゆっくりと天国への階段を上る(って本当に失礼しちゃうわ)~なごみますよ~。
これに加えて、沖縄での日章旗掲揚にも意見が真っ二つに分かれました。
沖縄の第一走者は宮城勇という青年に決まったそうで、その際はなんとしても皆で日の丸を振って送り出したいとの要求が出されますが、組織委員会はこれまた忖度せずにいられません。
なんとも煮え切らない組織委員会に、田畑が真っ向から意見しに行きました。
やい!組織委員会!!日章旗を今すぐ用意しろ。俺が沖縄まで持っていく。日の丸を振って聖火を迎える。これは島民の願い!最重要事項!政府が何と言おうとやれ!それから聖火リレーの最終ランナーは早稲田の坂井義則君にすべき。
いいか?よく聞け、小役人ども。アメリカにおもねって原爆への憎しみを口にしえないものは、世界平和に背を向ける卑怯者だ!!
いや~現政府の人間にも聞かせてやりたかったですね~。何の肩書も無くなった田畑だからこそ言えるセリフだというのが、嬉しくもあり情けなくもあり。
東は帰ろうとする田畑に「まーちゃん!」と呼びかけ、「またいつでもいらしてください。席はご用意します」と続けて、深々と頭を下げました。横にいた河野も、田畑のこの的を射た発言には、さすがにぐうの音も出ませんでしたね。
この発言にマスコミが食いつき、一斉に坂井を取材しに駆け付けました。
こうしてお膳立てをした田畑は、またしても平沢を呼んでアメリカとの交渉を依頼します。菊枝が平沢のファンらしく、眼鏡をはずして化粧をしていたのが可笑しかったですね~。それでよく見えなくてふらふらしていたのですね。
平沢はでも、こういう時は事後承諾が一番だと主張しました。ジャカルタで懲りた田畑は不安そうでしたが、平沢はテレビを利用すれば大丈夫と請け合います。聖火が到着して走り出すまでの様子を「特別番組」として放送すれば、世界の反応を気にするアメリカは、一切妨害できないと確信していたそうです。
その確信は的中し、田畑は当日600枚もの日の丸をかき集めて皆に配布し、聖火の到着から出発まで、自らも腕もちぎれんばかりに旗を振って見送ったそうです。
当時実際に走られた宮城さんの言葉もまた感動的でした。トーチを掲げた瞬間に、今まで聞いたこともないような歓声が体に迫ってきたそうで、その瞬間は身体が震えたそうです。アメリカによる統治が続いていた中、さざなみのように押し寄せる日の丸にどれほど勇気づけられたことか想像に難くありません。
また、念願の選手村も完成しました。東のお墨付き以来、裏も表もない誰もが認めるご意見番となった田畑は大いに胸を熱くします。ああ、嘉納さんに見せてやりたかった。
そこへ、一番後に申し込んだのに一番先に到着したコンゴ共和国のヨンベとウランダ選手がやってきます。たった二人の参加はまさにストックホルムオリンピックでの四三と弥彦を彷彿とさせました。
コンゴ共和国の国歌は楽譜が無かったので、大島が電話で歌を聞き取ってなんとか楽譜に起こしたそうです。
果たして合っているのかどうか、ドキドキものでしたが、ふたりが嬉しそうに歌ってくれたのは何よりでした。ここでもまた、四三と弥彦があの白夜の日に君が代を歌ったシーンが再現されます。
ちなみに四三は、聖火リレーの最終ランナーに選ばれなかったことを泣いて治五郎に詫びたそうです。でも最後には相手が坂井では仕方ないと晴れ晴れとした笑顔を見せていました。彼こそが平和の象徴だから。
別に最終ランナーじゃなくても、途中のどこかを走らせてあげればよかったのにね。
五りんも、落語協会から要請を受けた志ん生が聖火リレーのランナーにと推薦したようですが、結局はどうなったのでしょうか。
またバレーボールのウマこと河西は危篤の父を見舞いには行ったものの、看取ることなく舞い戻ってきたそうです。オリンピックで優勝することこそが、父への一番のはなむけになると信じていたからでしょうね。
あとは開会式を待つばかりとなった前日、翌日の天気予報は「雨」でしたが、ローズのママの占いが「世界中の雨雲を全部東京に持ってきちゃったような曇天」と出たため、田畑たちは思わず「晴れ」を確信しました。
松澤の話ではこれまで一度も成功しなかったということですが、「世界中の秋晴れを全部東京に持ってきてしまったような晴れ」に広がるブルーインパルスの五輪が見られるといいですね~。
「いだてん」はいよいよ次回が最終回です。
拍手コメントをありがとうございます♪
Fさん、あらためまして、こんにちは♪(笑
いだてんは本当に素晴らしいドラマでしたよね~。
最後まで見たら、もう一度、最初から見せてほしいですね~。
ストックホルムオリンピック、もう一回見たいです。こん