今を遡ること約5年半、2019年の春に満を持しての定年退職。
最後の勤務を終えた日の翌日の3月30日の土曜日、解放感(←開放感でなく)に浸りながら18きっぷで姫路へと向かいました。
目指すは、桜咲く「姫路城」(兵庫県)です。
白鷺が羽を広げて舞っているように見えるという城を桜の満開の頃に訪れる…
長年の夢でした。
折しも旅の途中の4月1日に耳にした平成から「令和」への改元のニュース。
自分の人生が大きな節目を迎えた時に、時代も大きな節目を迎え感慨深いものがありました。
今もなお、全国各地に残る「城」。
城の象徴ともいえる天守が、江戸時代以前に築かれたものを現存天守と呼びます。
全国に12あり、そのうち、姫路城と松本城(長野県)、松江城(島根県)、犬山城(愛知県)、彦根城(滋賀県)の五城(訪問順)が国宝に指定されています。
姫路城に行ってから、5年半が経ち、先日行った彦根城を以って、国宝五城を巡ることができました。
総集編として、記録しておきます。
目 次
姫路城(兵庫県)
姫路城に行く前に、京都の観桜に寄ったので、訪問したのは2019年4月1日のことです。
桜が満開の晴天の日を狙って訪れました。
姫路城は、1346年に赤松貞範が、姫山に本格的な城を築いたのが始まりとされています。
関ヶ原の戦いの後、城主として池田輝政が入城し、大規模な城郭へと整備されました。
その後、西国大名の監視のため、親藩の松平家、譜代大名の本多家、榊原家、酒井家が城主を務めました。
別名「白鷺城」とも呼ばれ、1993年には世界遺産に登録されました。
現存天守は、初めての訪問だったので、その重厚な作りに驚かされました。
と同時に、現存天守特有の急な階段に体力の衰えを痛感させられました。
訪問時は、まだブログを始めていなかったので、今回が初めての紹介になります。
松本城(長野県)
松本城へは、18きっぷを使って、アルプスの山麓を東京方面から中央本線で塩尻を経由して向かいました。
訪れたのは、2020年1月10日のことです。
松本城は、戦国時代に築城された深志城が始まりと言われています。
黒漆が塗られた部分と白のコントラストがとても綺麗です。
想像では、もっと地味な印象を持っていましたが、実際は落ち着きのある重厚なお城でした。
松江城(島根県)
全国制覇の旅の本州最後の地となった鳥取・島根。
鳥取では鳥取砂丘、島根では松江城と出雲大社を訪れました。
松江城に行ったのは、2022年4月4日。
この時も、桜が満開の晴天の日を狙って出かけました。
松江城は、1611年に藩主・堀尾氏により築城されましたが、1638年に家康の孫にあたる松平直政が入国し、幕末まで出雲国を治めました。
天守からは、水の都・松江の象徴「宍道湖」が一望できます。
犬山城(愛知県)
犬山城を訪れたのは、2024年9月6日のことです。
1537年に織田信長の叔父・信康が木曽川に面したこの地に築城しました。
江戸時代に、徳川御三家の一つである尾張藩の付家老となった成瀬正成が拝領し、幕末まで成瀬家が城主を務めたのが犬山城です。
明治維新後、県の所有となったものの再び成瀬家に譲られ、2004年まで個人所有の城として保存されてきました。
全体的にコンパクトな印象のお城ですが、階段の段差はトップクラスのような気がしました。
彦根城(滋賀県)
彦根城を訪れたのは、2024年9月6日です。
犬山城とダブルヘッダーでの訪問です。
1600年、関ヶ原の戦いの後、徳川四天王の一人井伊直政が18万石で近江国北東部に封じられ、佐和山城に入りました。
彦根城は、大阪の豊臣家や西国に備える要害として、井伊直政の没後の1604年から築城が開始され、20年の歳月をかけて完成しました。
彦根藩を治めた井伊家は、最盛期には30万石を誇り、初代直政から一度の国替えもなく彦根を治め、大老を何人も輩出し幕府を支えました。
城内には、「玄宮園(げんきゅうえん)」と呼ばれる大規模な池泉回遊式庭園があります。
雑 感
若い頃、旅行は定年退職してからのんびり回ればいい、と考えていました。
国内の有名な観光スポットは、お城と神社仏閣が多くあります。
中でも、江戸時代以前に築かれた現存天守は昔の構造なので、とても階段が急です。
姫路城に行ったときは、お城巡りとはかくも過酷なものか…、と痛感しました。
その後も、階段から転げ落ちそうになりながらも、なんとか、2024年までに国宝五城を巡ることができました。
お城巡りに限らず、人生何事においても、行きたいとこ、やりたいことは先送りせず、
今、できるうちにやっておくことをおすすめします。