1. はじめに
マズラプです。222回目の投稿になります。
今回は、ライトノベル『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 1』を読んだ感想を書いていきます。
※ネタバレありです
本作品は、傷つく女の子と尊い百合を同時に楽しめる作品で、個人的にとても楽しむことができました!
今回の記事では、本作品を読んで特に印象に残った以下の3つのことを挙げていきます。
①無慈悲で多種多様な闇が、かわいい女の子たちを襲う!
②儚くも尊い百合
③セーラが最推しになった件について
どちらかというと、作品の紹介というよりは、感想や感じた魅力を書いて発信することで、少しでも作者の方の励みになればいいなというような趣旨の記事になっています。
作者の kiki 先生並びに関係者のみなさんに届け!この思い!
作者の方に関わらず、読んでいただけるととても嬉しいので、どうぞ読んでいってください。
2. 『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 1』を読んで特に印象に残ったこと3選
①無慈悲で多種多様な闇が、かわいい女の子たちを襲う!
1つ目は、本作品の世界観が印象に残りました。
なんと本作品は、かわいい女の子たちが、精神的物理的に、シャレにならないレベルのダメージを負います。
率直に言って、世界がフラムたちに厳しすぎます。
こちらの項では、特に物理的なダメージに関して、感じたことを書いていきます。
多様で質が高い「かわいい女の子の負傷描写」
まず第一に、本作品を読んでいて、かわいい女の子がダメージを受けたときの描写の内容とその多さが印象的でした。
殴られる、壁に打ち付けられる、犯されそうになるなどのオーソドックスなものから、噛みちぎられる、火傷させられる、バラバラに切られる、回転の力に脚が捩じ切られるといったハードなものまで、多種多様な負傷の仕方が描かれており、飽きることなく最後まで楽しむことができました。
また、悲鳴やうめき声もバリエーションに富んでいて、当人の苦しみや痛みをより鮮明に感じることができました。
私はかわいい女の子が物理的にダメージを負ったり、ダメージによる苦痛で表情を歪めたり声を挙げたりする場面も好きなので、本作品の負傷描写を読んでいてとても楽しかったです。
待って!通報しないで!
再生能力(痛覚あり)
作中でフラムは『魂喰い』の効果により、再生能力を手に入れました。
この再生能力こそが、本作品における「かわいい女の子(主にフラム)の負傷描写」と大きく関係していると感じました。
フラムの得た再生能力で重要なのは以下の2点です。
- 即死でなければ再生する
- 痛覚は存在する
つまり、即死でさえなければ、どんな攻撃をしてもフラムは復活し、物語は終わらないのです。
手加減する必要などありません。
身体の欠損も、フラムにとっては不可逆ではなく可逆なのです。
また、フラム自身も即死は避けなければならないと理解しているので、再生能力を過信せず、ちゃんと回避行動をとってくれます。
これにより、多少即死レベルの攻撃を放っても大丈夫ですし、避けきれず致命傷一歩手前の重傷を負うなんて展開も期待できます。
そして痛覚は存在するので、身体が損傷すれば、フラムは苦痛に顔を歪ませたり、呻き声や悲鳴をあげることになります。
つまり、「かわいい女の子にえげつない攻撃を仕掛けて苦痛に顔を歪ませたり呻き声をあげさせる」状況を何度も何度も繰り返し堪能することができるのです!
かわいい女の子の負傷描写が好きな私にとっては願ってもないことです。
ありがとう再生能力。ありがとう魂喰い。
本作品を読んでいて、やっぱり痛覚を伴う再生能力はいいものだなと思いました。
セルフ腕切断
そんな数ある負傷シーンの中で一番印象的だったのは、セーラの回復魔法を用いて、フラムが自らの腕を切断したシーンです。
自分の意思とタイミングで自分の腕を切るという行為は、他人にされるのとはまた違った苦しみがあるのだろうなと思い、胸が痛みました。
そして、最後に切断しきれなかった部分を自ら引っ張って引きちぎっていた描写が一番心にきました。
情景やフラムの心情などを想像してしまい、あまりのえげつなさにゾワゾワしてしまいました。今思い出しても鳥肌が立ってしまいそうです。
本作品では、上記のシーンをはじめ、かわいい女の子に容赦ない攻撃が浴びさられる場面が多く存在していて、個人的にとても満足できました。
かわいい女の子だろうと関係なく平気で致命傷を与えてくるスタイル、とても好きです。
読んでいて、作者の方とは仲良くなれそうだなと感じました(ニッコリ)。
②儚くも尊い百合
2つ目は、フラムとミルキットの百合が印象に残りました。
心の中で相手のことをかわいいなと思ったり、相手のことを思い合っていたり、頬を触り合っていたり。
ささやかながらも尊い百合が展開されており、読んでいて笑顔が溢れました。
深い闇が襲いかかってくるような世界だからこそ、2人の触れ合いの尊さが増しているような気がします。
終盤の包帯をとるとらないのあたりなんかは、もはやポップな感じの百合作品になっていて、ニヤニヤが止まりませんでした。
ミルキットを想うフラム
中でも、ミルキットがフラムの心の支えになっている描写が印象的でした。
前述したセルフ腕切断の後には、ミルキットのことを思うことで、フラムのすり減った心が蘇っていました。
そして、謎のオーガを打ち倒す最後の一押しにもミルキットへの思いが関わっていました。
「ミルキットが待っている。彼女が悲しむから、彼女を救えなくなるから、死ぬわけにはいかない。」と、自分のことではなくミルキットのことを思うことで力を生み出す展開には、エモさを感じ、グッときました。
思い人の存在が生き残るための支えになる、こんな形の百合もいいですね…!
はやく結婚してくれ!
③セーラが最推しになった件について
3つ目は、セーラが私の好きな要素をいっぱい宿していて、印象に残りました。
というわけで、こちらの項では、セーラについてお話ししていこうと思います。
前述したように、フラムやミルキットはとても魅力的なキャラクターで、2人の今後を見守りたくなりました。
しかしながら、今回の1巻を読んで、私はセーラが最推しになりました。
セーラ登場直後は、元気が取り柄な感じの、明るいけど難しいことは得意ではない、みたいなキャラクターかなと思って見ていました。
しかし、物語を読み進めセーラについて知っていくにつれて、セーラの印象が大きく変わって行きました。
教会のやり方ではなくあくまで自分の信念に従って人助けをしていたり、肉弾戦がかなり得意だったり、フラムを信じ死を目前にしても時間稼ぎに徹したりと、最初に想像していたものよりも数段素敵なキャラクターで、どんどん好きになっていきました。
リカバーを使う英断
そして中でも、前述した「フラムのセルフ腕切断」にて、セーラがヒールではなくリカバーを使ったシーンを読み、セーラのことが一気に好きになりました。
このシーンは「大切な人を能動的に傷つけなければならない」「本来人を助けるための魔法を、人を傷つけるために使わなければならない」といった点から、セーラもかなり精神的負担が大きかったと考えられます。
しかし、そんな苦行をセーラはやり遂げたのです。
このときより前の場面でフラムにヒールを使ってしまったときには、セーラはかなり狼狽していたので、今回もすんなりはいかないだろうなと思っていました。
しかし、セーラは自分の意思を殺し、即座にリカバーを放っており、私はその姿にグッときました。
さらにこの場面では「即座にフラムの意図を理解し、より確実に腕を切断できるように『ヒール』ではなく『リカバー』を使っていた」「腕切断後も狼狽えることなく、フラムの手を取り逃げる選択ができていた」といったセーラの凄さも見てとれました。
このようにこのセルフ腕切断の場面からは、セーラの「他人の意図を汲む能力」「状況を正確に判断する能力」「自分の感情に流されず、最優先事項を完遂する能力」を感じることができ、セーラに対する印象が一気に塗り替えられました。
セーラは、まだ10歳なのに、本質的に人を助ける心を持っていて、頭も良くて、行動力もあって、人当たりも良くて、おまけに戦闘能力も高い女の子なのです。
なんて良い子なんだ…!
私の推したくなる要素てんこ盛りで、セーラのことを好きになってしまいました。
そんなわけで、今後のセーラの活躍も心待ちにしています!
どうか死なないでくれ…!
3. おわりに
今回の内容は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
上記では触れていませんでしたが、作中のフラムの姿を見ていて、諦めたり腐ったりせずに、自分にできることを積み重ねることの大切さを学ぶことができました。
フラムが、『反転』の真価を発揮することができたのも、謎のオーガを打ち倒すことができたのも、ミルキットの病を治すことができたのも、全てフラム自身の功績だと言えます。
運がよかっただけのように見えますが、それは違います。
フラムが諦めず、足掻き続けたからこそ成し得たことなのだと、強く感じました。
そんなわけで、私もフラムのように、自分にできることを積み重ねていこうと思います。
願わくば、かわいい女の子に転生して、ミルキットやセーラのような魅力的な女の子たちと仲むずまじく暮らしていきたいところですね!(自分にできることを積み重ねるとはなんだったのか)
いろいろ書いてきましたが、総じて素晴らしい作品でした。
最新巻まで追っていこうと思います。
今後の展開がとても楽しみです!
では、今後もよろしくお願いします。
追記
「お前ごときが魔王に勝てるな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい 2 の感想も書きました。
気になる方はこちらもどうぞ!
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