毎年元旦といえば天皇杯サッカーの決勝戦であった。
しかし諸事情で日程がずらされた。この判断には相応の根拠があると考えているので納得している。しかし寂しいことは寂しい。私がサッカーに興味を持った中学生の頃から、元旦の日の天皇杯決勝戦鑑賞は、ほぼ慣習に近かったからだ。
その代わりではないが、今年の元旦は国際親善試合としてタイのA代表チームとの試合が組まれた。結果は既に報じられた通り5-0の圧勝である。正直、今のアジアで日本と対等に戦えるのは、南コリア、イラン、オーストラリア、サウジぐらいだ。何故に今更タイと親善試合をと思っていたが、実はけっこう良い試合だった。
ただし前半限定ではある。タイは日本人の石井監督が率いており、ゴール前に8人並べる守備的な戦術である。これは基本であるからして、守備に徹したタイに日本の若手は苦戦した。この試合、日本代表はA代表歴の浅い若手主体で挑んでいる。
そのため連携不足は否めず、どこかちぐはぐなプレーに終始している。如何に個人技で勝ろうと、チーム戦術で守備を徹底したタイに苦戦するのは当然だ。Jリーグをよく見ている方ならご存じだと思うが、タイの有望な若手選手がJリーグで活躍している。
タイの英雄と云われるティーラシンやチャナティップ、ティーラトンらが有名だ。実はタイは東南アジア屈指のサッカー人気の高い国であり、日本が強くなるためには東南アジアの底上げが必要だと考える日本サッカー協会の肝いりで、有望な選手を日本に受け入れている。これは特別枠でもある。
当然にタイ国内でもJリーグへの関心は高く、特にタイの選手が所属しているJリーグのチームの放送は高視聴率を誇る。今回の親善試合も、日本以上にタイ国内では高い関心であったそうだ。タイの国民がTVで応援観戦していると分かっているタイ代表チームだから、日本代表が苦戦するのは当然だろう。
でも堂安や南野といったA代表の主力選手が前線に投入されると試合は一転した。後半だけで5得点であり、その凄まじい攻撃力にタイの選手が気落ちしてしまったのが残念。このあたり、試合時間ギリギリまで奮闘する南コリアの精神力を参考にして欲しいな。まぁ反則は真似しなくていいですけどね。
正直、サッカーの試合で5点差はあまり良い試合とは言えない。でも前半だけみれば、日本の若手選手には良い教訓になったと思います。出来たら今後は、日本とそうレベル差のない中南米あたりと試合を組んで更なる強化を目指して欲しいですね。