ゴールデンウィークということで家族でゆっくり過ごしたり、旅行をされているご家庭も多いと思います。
塾講師時代に多くのご家庭のお話を聞く機会がありましたが、家族での過ごし方について印象的だったエピソードをご紹介したいと思います。
お父さんが大好きなB君家族は国内旅行が大好き
これまで何度かご紹介している東京御三家中学合格のB君。
お父さんが大好きで、憧れのお父さんと同じ学校で行きたいと中学受験を頑張りました。
B君は圧倒的な学力の高さはもちろんのことですが、家族仲がとても良く、ほっこりするエピソードも多かったことをよく覚えています。
そんなB君のご家庭は年数回の連休には必ず家族旅行に出かけていました。
その旅行の内容を聞くと、「ああ、やはり子どもが優秀な家庭の過ごし方は違うなぁ」と毎回感嘆したものです。
旅行先はさりげなく社会のカリキュラムを意識した国内旅行
B君が小4から小5にかけて社会で地理分野を学習していた頃、たとえば中国・山陰地方の学習が少し先に控えている時期には、広島県・岡山県・鳥取県など複数の県をまたいで旅行をされていました。
鳥取と島根を混同する受験生は多いですが、実際に訪れればまず間違えることは無くなりますし、道中車窓から見える山脈や河川など、実際に目にした風景はしっかり記憶に根付きます。
数か月後授業でその単元に入ると、ありありと記憶が蘇り、スポンジが水を吸うようにどんなに細かい知識も難なくいつも覚えていくB君でした。
家族で地方の特色を体験
厳島神社や原爆ドーム、鳥取砂丘など、テキストにも載っている定番のコースは当然のこと、
B君家族はたとえば山梨県でブドウ狩りをしたり、焼き物などの伝統工芸品を作る体験をしたりしていました。
B君には3歳下の弟とさらに年の離れた妹がいたので、家族皆で楽しめる工夫をするのは親御さんもきっと大変だったろうと思います。
しかしけっして「受験勉強のため」と力んだ旅行ではなく、のびのびと自然体で楽しんできたことが、いつも連休明けにB君が話してくれる様子から伝わってきました。
宿泊先はかならず温泉旅館
B君曰くは「お父さんが温泉大好きだから」とのことで、お父さん大好きなB君も真似をして一端の温泉好きでした 笑
温泉は火山が近くにあったり風光明媚な場所にありますから、社会の地理分野だけでなく、理科の地学分野の学習に大いに役立ったようです。
また食事も地元の特産品をふんだんに使ったお料理が提供されるので、自然とその地方の特産物を五感で味わうことができます。
休み明けにB君から美味しそうな旅行話を聞くのは私の楽しみでもありました。
旅行以外にも実体験を大切にしていたB君家族
ほかにもB君の家では生き物の飼育をよくしており、ハムスター、メダカ、メダカのための水草の栽培など熱心に取り組んでいました。
印象的だったのは、卵から蝶を育てたというエピソード。
羽化する瞬間を偶然見られたそうで、成虫になり虫かごを巣立っていったときには、B君は泣きながら見送ったそうです。
大切に大切に育ててきた蝶の巣立ちは、嬉しくも切ない気持ちでいっぱいだったのでしょう。
面談でお母様と話しながら、Bくんの健気な姿を想像して私は思わず泣きそうになってしまいました。
B君はとにかく4教科全てハイレベルかつバランスが取れた成績で無敵の受験生でした。
それには、やはりこうした実体験の豊かさが大きな要因だったのかな、と感じます。
もう一人印象的だった生徒がいるので、エピソードを次の記事でご紹介します。