~ BARで 鯖戸 ~
「香ばしい……
良い香り…………
何つくってるの?」
「おからを用いた
ヘルシー気味のクラッカーを焼いたんです
どうぞお飯あがりください」
「へ~
おから入りなんだ~
こんなの初めてかも…カリポリ…
美味しい美味しい♡
熱燗と超合う♡」
おいおい待て待て……
クラッカーで何かが跳ねる要素なんてゼロだろ……
「中に入ってる
とろとろのチョコレートがまた絶品♡」
チョコレート入れた覚え無いですぅ………
「ねえねえバーテンダー……」
「はい?」
「その缶詰……
賞味期限の切れ方…
ハンパなくない?…….」
「棕櫚さん…
実は鯖缶って
賞味期限切れの熟成ヴァージョンのほうが
美味しいんですよ
缶の中で熟成が進むことにより
始めはパサつくこともある魚肉が
良質な鯖油と渾然一体となって
非常に滑らかなくちあたり
トロリとした食感となり
最高に美味しくなるんです
さあ
お飯あがりください」
「ねえ…バーテンダー……」
「?」
「鯖戸が鯖缶食べるのって……
倫理的な面で…
大丈夫なのかなぁ?……」
五月蠅えなぁ……
四の五の言わずに食べろよ……
「あ♡
美味しい♡」
頼む……
ちゃんと空気読んで
鯖から食べてくれ……
「うわ~
美味しい♡
ホントだホントだ~~
こんなに滑らかで
トロリとして……
こんなに美味しい鯖缶
初めて食べたよ~♪♡」
「でしょ?
一旦拭こっか……」
「サンキューサッパリ♡」
「はい
ナポリタン」
「あ♡
嬉しい
今夜もブレーン仕様だね♡
このトマトも美味しそう♡」
卵黄ですわ……
「美味しい美味しい♡
今夜も抜群~~♡」
「…………」
「ねえねえバーテンダー…
ちょっと見過ぎじゃない?
わたしのこと……………」
こんなに跳ねさせながらナポリタン食べてる女居たら…
見ない人居ないって……
しかも全身刺青で……
全裸……
でも……
すぐに目は逸らされるだろうけどね……
怖いから……
「ねえねえバーテンダー
愛の告白なら
そんなにボソボソ言ってないで
ハッキリ言いなよ?♡」
「……………
どうぞ…
本日のメインです……」
TO BE COMUGIKO