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三毒狩り

直木賞作家・東山彰良さんの夕刊連載小説。少年が冒険を通じ成長する姿や家族との絆を、現世と死後の世界を舞台に描きます。

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三毒狩り

/405 東山彰良 画 信濃八太郎

三毒狩り405=信濃八太郎・画
三毒狩り405=信濃八太郎・画

【あらすじ】佟雨龍(とううりゅう)が聖ラザロ聖堂で向かい合ったのは、田冲(でんちゅう)の顔をした瞋蛇(しんだ)だった。大蛇の牙が眼前に迫ってきたかと思うと、気付けば佟雨龍は村幹部宿舎のそばにいた。そこへやってきたのは養父の佟継漢(けいかん)だった。佟雨龍は養父のあとを追って建物へと入った。

 廊下には赤い絨毯(じゅうたん)が敷かれ、壁は白いペンキが塗られている。赤い絨毯は踏み固められて紙のように薄くなっているが、それでも足音を余さずに吸い取っていく。

 黄緑色に塗られた扉をふたつばかりやり過ごすと、いちばん奥の部屋から話し声が聞こえてくる。

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