歌壇・俳壇
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濁声も味の師走の焼きうどん 北九州文化研究会第1回俳句大賞 会長賞に二宮さん(小倉南) /福岡
2024/12/21 05:08 561文字北九州文化研究会(玉井行人会長)が主催する第1回俳句大賞の授賞式が19日、小倉北区であった。最高賞の同研究会会長賞には小倉南区の二宮正人さんの作品「濁声(だみごえ)も味の師走の焼きうどん」が選ばれた。 賞は北九州ゆかりの作家の紹介や文芸活動の場として2017年に小倉北区京町にオープンした「北九州文
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毎日京都短歌教室 秀作は田渕さんら /京都
2024/12/21 05:05 335文字毎日京都短歌教室が14日(土)に開催され、次の2首が秀作に選ばれた(参加13人、指導は遠山利子氏)。 ◇過疎すすむ里のはずれの大銀杏いよよ黄葉(もみ)ずる御神木なる西京 田渕 幸子たつぷりの水にほどきし菊のたば畑に生(な)りて香の惜しみなく長岡京 栗岡 みや子 ◇次回は来月11日開催
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房総文園 短歌年間賞決まる /千葉
2024/12/19 05:05 1817文字房総文園「短歌」のこの1年の投稿作品の中から、選者の川野里子さんが選出する「第12回年間賞」の受賞者が決まった。大賞には、鎌ケ谷市の桜井桂子さん(82)、優秀賞には香取市の嶋田武夫さん(85)と、旭市の寺島志津子さん(83)が選ばれた。喜びの声を紹介する。 ◇日々の感じた心、歌に 大賞・桜井桂子さ
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日々の生活、歌に込め 毎日短歌教室 今年締めくくる 橿原 /奈良
2024/12/17 05:11 323文字今年の締めくくりとなる毎日短歌教室が15日、橿原市の内膳町自治会館すみれホールであった。講師の横山季由さんが閉講式であいさつし、「世界では厳しい状況が続いた。日々の生活から素材を得て、歌にしていく心掛けが大切」と呼び掛け、「6年前に講師を引き継いだが、皆さん格段にうまくなった」と励ました=写真。
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毎日歌壇・俳壇 12月16日の特選より
2024/12/16 04:00 379文字<俳句>西村和子選 ◇星空へ手締めたびたび酉の市(羽生市 岡村実) <短歌>加藤治郎選 ◇音声に従い入力していくとオペレーターと会話ができる(大津市 佐々木敦史) 縁起物の熊手が売れるたびに売り子が威勢の良い掛け声と手締めを鳴り響かせる酉の市。岡村さんはそのざわめきと夜空の静寂さを対比させました。佐
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毎日俳壇
西村和子・選
2024/12/16 02:01 337文字星空へ手締めたびたび酉(とり)の市 羽生市 岡村実<評>空気が冷えてきて星がくっきり見える頃、地上ではとりの市のきらめきとざわめき。天地の光と音の対比が効果的な句。隠れんぼ団栗(どんぐり)踏んで見つかりぬ 川崎市 久保田秀司<評>気配に敏感な鬼は、こんなささいな音も聞き逃さない。季節感あふれる子ども
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毎日俳壇
井上康明・選
2024/12/16 02:00 360文字ぎしぎしと重き白菜割りひらく 平塚市 高橋佳代<評>ずっしりと重い白菜の手応えが伝わってくる。薄緑の葉が何枚も重なっている白菜を、大きな包丁で割るように切る。堆(うずたか)き練炭の灰石鼎(せきてい)忌 小平市 中澤清<評>俳人・原石鼎の忌日は12月20日。うずたかい灰に句と人をしのぶ。吉野在住の数年
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毎日俳壇
片山由美子・選
2024/12/16 02:00 357文字食べ頃(ごろ)となる干し柿にさす朝日 鹿児島市 平川玲子<評>柔らかさと甘さが増してきた干し柿は、日を浴びて朱色に輝いていることだろう。朝日に焦点を合わせたところがポイント。日向(ひなた)ぼこ眠るつもりはなかりしに 甲府市 村田一広<評>気がつくとうつらうつらしている、その気持ちよさこそが「日向ぼこ
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2024/12/16 02:00 340文字立冬の富士青々と西にあり 平塚市 小林耕平<評>地球温暖化の影響か、今年の富士山の初冠雪は観測史上最も遅かった。いぶかしみつつ青々とした立冬の富士を望む。抜け道を猫に教わる小春かな 宝塚市 石川裕子<評>猫について行ったら思わぬ場所に出られた。小春日和にもうけものをした気分だ。星の入(いり)東風(ご
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毎日歌壇
加藤治郎・選
2024/12/16 02:00 462文字音声に従い入力していくとオペレーターと会話ができる 大津市 佐々木敦史<評>人と話ができると早いのだがそうはいかない。いくつも入力が必要なのである。もどかしいシステムを淡々と歌った。「ゴミはゴミ箱へ」が「ゴミは持ち帰りましょう」にかわりゴミ箱消える 川崎市 船山登<評>街からゴミ箱が消えていったのは
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毎日歌壇
水原紫苑・選
2024/12/16 02:00 478文字今生のもっとも暗いところへと檸檬(れもん)よ落ちて落ちてゆくべし 雲南市 熱田一俊<評>「今生」の暗さと「檸檬」の力だけで、こんなやみくもな命令の一首が成り立つ面白さ。短歌の魔かもしれない。夢の樹(き)の根元で蝶々(ちょうちょう)結びされ苦しむ蛇を救う手引書 枚方市 久保哲也<評>たしかにこんな蛇が
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毎日歌壇
伊藤一彦・選
2024/12/16 02:00 471文字電飾がもう巻かれたる槻木(つきのき)が照らすこの世の翳(かげ)の深さよ 東京 福島隆史<評>都会は時に華やかに樹木が電飾されている。作者が目を向けるのは「翳の深さ」。今年はそんな世界だった。雪国に生まれしことのよろこびのひとつに君の手のあたたかさ 札幌市 住吉和歌子<評>雪国の作者のみならず、今は世
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毎日歌壇
米川千嘉子・選
2024/12/16 02:00 459文字一族の気負ひはなくて娘たち姓変へること淡々と言ふ 東京 池崎冨実夫<評>「一族」や家名の意識がなくなったゆえの身軽さ。とはいえ、送りだす父の心情は「淡々と」とはいかないかも。現実という固結びよ真夜中の蛇口に水のリボンをほどく 新宮市 小野小乃々<評>固く結ばれて解決困難な現実。つらい気持ちをせめて夜
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ことばの五感
応人生相談=川野里子
2024/12/16 02:00 613文字・バス停の看板が少し曲がりをり行き先がねぢ曲がることあり 目黒哲朗(歌集『生きる力』) 商店街の十字路にバス停があり、その前に薬局があった。不思議な薬局で、開いているのを見たことがないのだ。ただ、1カ所だけシャッターのない窓から製薬会社のマスコットのカエルの人形が見えていて、それが気になっていた。「
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点字毎日 ユニバーサル短歌/9 小森美恵子/下 高潔な生き方と創作姿勢=歌人・田村ふみ乃
2024/12/15 10:02 1428文字17歳で視力を失い絶望の淵に突き落とされた小森美恵子さんは、19歳の時に短歌結社の「水甕(みずがめ)」に入会します。その頃は盲目であることを隠すような歌ばかり作っていました。それが一変したのは女学校時代の恩師で、「水甕」の主幹だった松田常憲先生との再会でした。 小森さんは昭和29年に妹の結婚式で上
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点字毎日 点毎歌壇 真中朋久・選
2024/12/15 10:02 1214文字ふれみたき しんさつ 3しゅ まどぐちに ひきおとし てすうりょう 1100えんとは!? 北海道 佐々木陽子 【評】指に感じる特徴を覚えておきたいということもあるだろう。新紙幣を指定しての引き落とし。手数料も高くなった。てんじぼん おなかに のせて よんでいる あきの よながを ねむれない まま 兵
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俳壇、新選者に山本さん 「季語に寄りかかる句を」 /和歌山
2024/12/14 05:22 279文字毎日紀州俳壇に新たな選者が就任します。2010年9月からお務めの本多邁さんに代わり、25年1月から山本隆之さん(70)が担当します。 山本さんは長く県立高校で教鞭(きょうべん)を執り、15年に山口誓子の流れをくむ俳誌「岬」(手拝裕任さん主宰)に参加。「香雨」(片山由美子さん主宰)同人でもあります。
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毎日歌壇・俳壇 12月10日の特選より
2024/12/10 04:00 388文字<俳句>小川軽舟選 ◇熱燗や鍋敷となる求人誌(志木市 谷村康志) <短歌>米川千嘉子選 ◇ほくの手が戦わせてた 押し入れにウルトラマンと抱き合う命(四日市市 早川和博) 寒さが本格化して熱かんが恋しい時期になりました。谷村さんの句は求人誌を鍋敷きに使ったところに生活感があふれています。早川さんが押し
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2024/12/10 02:01 353文字熱燗(あつかん)や鍋敷(なべしき)となる求人誌 志木市 谷村康志<評>就職が決まって用の済んだ求人誌だと読んでおこう。明日からの仕事を気にしながら、ほどほどに酔いを楽しむ。着古した古着ばかりの冬支度 愛西市 小川弘<評>冬物を出してこれからの寒さに備える。着古した服ばかりでも思い出と愛着がある。霜晴
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毎日俳壇
西村和子・選
2024/12/10 02:01 346文字思ひ出すことに始まる秋思かな 久喜市 利根川輝紀<評>秋は殊更もの思いの多い季節。人生を重ねてくると、思い出が秋思を誘うということが多いことに気がつく。通用門閉じたる後も木の葉降る 鎌ケ谷市 海野公生<評>人間の時間の区切りが、必ずしも自然界の区切りではないことを思わせて興味深い。この道を行けとばか
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