十五夜は、旧暦の8月15日に当たる満月の日で、日本では古くから美しい満月を愛でる日として、お月見など行事として行われてきました。
そして十五夜には、すすきを飾ることでも知られていますが、すすきにはどのような意味があるのかご存知でしょうか。
今回は、十五夜にすすきを飾る意味と、どのような行事なのかを解説します。
また、十五夜の行事は本州と沖縄で違いがあると言われていますが、どのような違いなのかも併せて解説します。
十五夜にすすきを飾る意味を子どもに伝えよう!
(十五夜とは?)
月の満ち欠けは約30日あり、新月から約15日で満月になり、その後約15日で新月に戻ります。
そのため、1年間に約12回十五夜があることになりますが、特に旧暦8月15日の夕方に出る満月が「中秋の名月」と呼ばれ、お供え物を添えたり、酒宴や詩歌などを読む習わしがありました。
現在でも、家族や友人と月を眺めながらお祝いをする習慣があります。
この中秋の名月は、新暦では9月7日~10月8日頃になります。
(十五夜にすすきを飾る意味は?)
十五夜にすすきを飾る意味は、主に次のような諸説があります。
①すすきを稲穂に見立てる。
・・・農耕民族である日本人には、満月を豊穣の象徴として敬ってきた経緯があります。
特に十五夜には、五穀豊穣の象徴である「稲穂(米)」の豊作への期待と感謝を込めて、色々お供えをしました。
しかし、十五夜の時期は稲穂が実る前なので、見た目の形がとても似ている「すすき」を稲穂の代用として飾ったと言われています。
②家族や仲間との絆を祝う
・・・十五夜にすすきを飾ることは、家族や仲間との絆を祝い、大切な人々と一緒に過ごす時間を重視する伝統的な行事です。
家族が一堂に集まり、月を見ながら楽しいひとときを過ごすことで、絆を深めるきっかけとなります。
③自然との調和を感じる
・・・すすきは、自然と調和する姿を持っていて、強い風にも負けないしなやかさがあります。
十五夜にすすきを飾ることで、自然の恵みに感謝し、自然との共生を感じる大切な意味が込められています。
④家や家族の守り神としての信仰
・・・すすきは古くから家や家族の守り神として信仰されてきました。
家の周りにすすきを飾ることで、家族や住まいを守ってくれると信じられています。
⑤収穫や豊かな秋を祝う
・・・十五夜は、収穫の秋に当たる時期です。
すすきを飾ることで、豊かな収穫や豊作を祝い、感謝の気持ちを表現します。
⑥願いをかなえるチャンス
・・・古くから、満月の夜は神聖な日とされ、願いをかなえるチャンスがあるとも言われています。
十五夜にすすきを飾りながら、心の中で願いを込めることで、願いが叶うことを願う習慣もあります。
⑦すすきで邪気を払う
・・・ススキは、茎の中が空洞なので神様が宿ると信じられ、魔除けの意味があります。
またススキの鋭い形は、邪気を払うと考えられています。
そのため、ススキを飾ることで、家族を守るという意味があります。
これらの意味が重なり合い、十五夜にすすきを飾ることになったと言われています。
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十五夜は、すすきを飾る他に何をするの?
(十五夜の行事や習慣)
十五夜は、すすきを飾るだけでなく、様々な伝統的な行事や習慣があります。
①お団子を食べる
・・・十五夜には「お月見団子」と呼ばれる団子を食べる習慣があります。
これは、満月の丸い形をイメージして作られた団子で、主に白玉団子や柏餅(かしわもち)などがあります。
お月見団子は家族や友人と一緒に楽しまれることが多く、月を見ながら団子を味わう風習です。
また、団子の他にも芋や豆をお供えします。
②地域の祭りやイベント
・・・地域によっては、十五夜を祝うための祭りやイベントが開催されることがあります。
例えば、屋台や露店が並ぶお祭りや、地域の伝統芸能や文化を楽しむイベントが行われることがあります。
③月を愛でる
・・・十五夜には、月を愛でる習慣があります。
家族や友人と一緒に、庭やベランダなどで月を見上げ、その美しさを楽しむことが行われます。また、月の形や模様を見ながら、詩を詠んだり、月にまつわる物語を語り合うこともあります。
④すすきで作った飾りを飾る
・・・すすきを使って、飾りや装飾品を作り、家の玄関や室内に飾ることも行われます。
すすきの飾りは、家を守ってくれると信じられており、家族の健康や幸福を願う意味が込められています。
また地域によっては、十五夜に使ったすすきを、水田や畑に立てたり、軒先に吊るしてお守りにする風習もあります。
⑤地域の風習や伝統を体験する
・・・十五夜は地域によって風習や伝統が異なります。
地域の文化センターや博物館などで、十五夜にまつわるイベントや体験プログラムが開催されることもあります。
こうした機会を通じて、地域の伝統を学び、体験することができます。
これらの行事や習慣を通じて、十五夜は日本の伝統文化を感じることができる特別な日となっています。
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十五夜について、本州と沖縄の違いは?
十五夜については、本州と沖縄にはちょっとした違いがあります。
これは、地理的な違いによるものと、琉球王朝時代からの風習などに影響を受けています。
(沖縄の十五夜はいつ?)
①沖縄は旧暦8月15日
・・・沖縄は、旧暦行事に馴染みがあり、十五夜も旧暦8月15日になりますが、これは本州と同じ日です。
(沖縄と本州の十五夜の違い)
①お供え物
・・・五穀豊穣などを感謝する目的などは同じですが、本州ではすすき、お月見団子、餅、芋、豆などですが、沖縄では「フチャギ」というお家で作る豆もちをお供えします。
おもちが月、豆は子どもを表しており、豆が多いほど子孫繁栄が期待できるとされています。
②お供えの場所
・・・本州では特にお供えする場所が決まっていませんが、沖縄ではヒヌカン(火の神様)と仏壇の両方に備えるのが一般的です。
③八月踊り
・・・沖縄では十五夜前後に豊年満作祝いとして、「八月踊り」をする地域があります。
五穀豊穣を祈願する民族踊りですが、沖縄県の無形民俗文化財に指定されています。
④十五夜綱引き
・・・本州には十五夜で綱引きをする風習はほとんどありませんが、沖縄の各地では綱引きの行事が盛んです。
「那覇大綱挽」「糸満の大綱引き」「与那原の大綱曳き」が沖縄三大綱引きとして有名です。
東西に分かれた引手が巨大で長い大綱を引き合い、家庭円満、商売繁盛、子孫繁栄、無病息災を願います。
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まとめ
子どもと一緒に十五夜を楽しむのもおすすめです。
十五夜の夜に、お月見をしたり、すすきの花を摘んだり、お団子を食べたりしながら、家族で楽しい時間を過ごしましょう。