制限

桐野の欠指、参考文献を入れて全5ページと書いていましたが、全6ページになります。
一昨日見つけた史料を書き加えたら最終ページが長くなり過ぎました。
元々やや長めのページではあったのですが、思い切って切りの良い所で分けて更新することにしました。

この史料の事、すごく書きたい。
見つけたと言うより単に見逃していただけなのですが、見ていて思わずうえっとなり申した…
これは次回更新の話になりますのでその時に(引っ張る引っ張る笑)。
でもこれ、目にはしているのだけれど突っ込んでいる人がいない気がします。
桐野って案外そういう事が多くない…?

それはさておき、今回の更新は上野戦争の時期の話でした。
他地域での戦争とパラレルで起こっている戦争ですが、何となく別次元の出来事の様に思えてしまう。
あ、そうか同時期の話であったなと思うんですよねえ。
あの辺りは薩軍というよりも大村益次郎が面白いよなあ…あなたが神か…

『花神』でも読み応えがある場面のひとつだと思います。
あの敵味方に対する容赦の無さはヒヤッとする。
西郷隆盛と同じく同時代人からの好嫌が非常に分かれる人物であったでしょう。

大村益次郎像@靖国神社

靖国神社の参道に建立された大村益次郎像は上野を見ています。

大村益次郎像@靖国神社

上野の様子を見るために双眼鏡を持っている。

来週21日に『合葬』が時代劇チャンネルで放送されるそうです。
『合葬』は私が幕末を好きになって極々初期に買った幕末漫画でした。
高杉晋作(私の幕末の入り口)に夢中だった頃で(笑)、出てくるのも知らない人ばかりだったし、読んだ時は彰義隊というだけで何だかよく分からなかったなあ…
「君辱めらるれば臣死す」という言葉を知った漫画で、この作品が入り口になり杉浦日向子さんの漫画は大体読みました。『とんでもねえ野郎』が好きだった。

***

前回書いた「時間的に無理」は当時の風呂屋の営業時間の話です。
サイトに書いた通りで、風呂屋が開いているのは日の出(明六つ)から日の入り(暮六つ)迄。
日中しか営業が許されなかったのは火事を出させない為で、風が強い日も時間に限らず早仕舞いせよとされていました。

江戸は大火事に何度か見舞われている都市で、火事には非常に敏感でした。
火付けは一番の重罪です。
鬼平の火盗改(火付盗賊改方)、火付けと盗賊(と賭博)が独立しているのは、それだけ重罪であるからの特別部門なのです。
火盗改は番方といって武官になりますが、町奉行は役方、文官になります。
前者は容疑者や犯人の扱いが荒いのである。平気で拷問にかけるし、殺してしまうし(切り捨てOK)。
強盗団に生易しい事は出来なかっただろうなとも思いますが…

町方の方は容疑者や犯人は殺してはいけません。捕まえて話を聞かなければならない。
江戸市中で発見した高野長英を殺してしまったのは、町方の大失態です。
拷問にも好き勝手掛けられません。
テレビの様に簡単に出来るもんじゃないんですよ…一応お偉いさんの許可がいる。
しょっ引くのだって捜査令状が必要だったんですよ。一応。あまり知られてないと思うけど。
(「ツミとバツ」に書いてます)

話が逸れました。
ただ風呂屋では火を落とすのが暮れ六つで、湯が暖かい内は人を入れていた。
その為大体夜8時位迄、早仕舞いの時でも夜6時位迄は営業していたようです。
上野で朝っぱらからドンパチやってる最中、しかも戦場と薩軍本営の間にある神田三河町の風呂屋で通常通り営業してたのか?(笑)
しかも上野戦争の数日前に新政府軍は「数日の内に戦争するから家財まとめておいて」という布告を江戸庶民に対して出している。
普通に営業していたんだろうか…

よくよく思えば上野戦争があった当日、風呂屋に行った際に桐野が襲撃されたと言うのは、時間的な制約を考えると結構厳しいのではと思ったのですよねえ。
にほんブログ村 歴史ブログ 近代 明治・大正・戦前へ wavebox_拍手拍手
関連記事
 0

COMMENTS

M:明治
  翻译: