「帝国陸海軍の情報と情勢判断-北清事変から日露戦争へ-」( 五十嵐憲一郎/防衛研究所紀要(5)2/2003.3)より、先日の続き。 海軍は明治36年12月に至ると、ロシア艦艇の所在を要約して毎週配布しており、このことからのみ見れば、海軍の情勢判断は11月頃から切迫度を加えていったものと見積もられる。 このようにしてみると、海軍においては兵力整備が不十分なまま戦争に突入する危惧はあったものの、明治36年5月頃の時...
伊木壮次郎の話の中で掠る程度に海軍の諜報活動の話を入れたのだけれど、海軍はあまり自前の諜報活動をしていなかったらしい。日清戦争の辺りで私が知っている海軍の軍事探偵は宗方小太郎と石川伍一で、石川の方は清国側に捕まって銃殺されています。海兵15期を調べている時に知ったのですが、この方15期石川寿三郎の兄にあたる方でした。さらに弟に陸軍中将石川漣平、甥に作家の石川達三がいます(『生きてゐる兵隊』)。石川漣平...
サイト振り返りの第10回。今日は海軍の偉い人繋がりで「火焔燃ゆ ~上村彦之丞と山本権兵衛」。上村も山本もメジャーな人物過ぎてこれも本当にしんどい話でした。連載は大体しんどい。日露戦争の頃に活躍した提督では、上村彦之丞が好きです。いやあ…しかしまあ何と言うか、実際に自分の傍にいたら大変だろうなとは、思います。大変だろうとは、思うのよ。好きでもな。笑(山本権兵衛にも同じ感想を抱く)あの財部彪の縁談関係とか...
サイト読み返し、その9!山梨勝之進の回顧には、古い時代の提督の名前も沢山あります。一般的には無名に近いであろう人々で、中でも私が好きなのは坂本一。海兵7期で加藤友三郎、島村速雄、藤井較一、吉松茂太郎、伊地知季珍、伊地知彦次郎、松本和らが同期。本当にこれはねえ…山梨さんの『歴史と名将』を読んでみて欲しい。 この本を読んでいると本当に何と言うか、明治の提督達に強い郷愁を感じます。山梨さんの語り口もあると...
え、進撃の巨人兵続いてるの…?はい、土持家叔父と甥の話が非常にツボにはまりまして。甥っ子いくつ位かなあ…甥の平左衛門はまだ大分若いのではないかと思います。十代後半か二十代前半じゃないか。勝手に辺見十郎太(当時19歳)位かなと思っている。病院掛であるという事は書きましたが、あまり納得してでの役職ではなかったのか、やや不満はあった模様。前線に行きたい!ワナ ゴーバック フロントライン。土持佐平太宛て土持平左...
題wラピュタと混じりました。笑(※ラピュタは巨神兵)当時の日本人男性の平均身長152~3cm位→薩摩人=高身長が多い→禁門の変とか黒門口で猿叫しながら突っ込んでくるのどー見ても進撃の巨人という話です。引き続き『慶明雑録』ネタです。ネタて。戊辰戦争で新政府軍の核になったのは薩摩兵と長州兵です。薩摩と長州は自分達の首が掛かっているので、しょーことなしに参加しとる他の藩と比べても目の色が違う。薩摩はお国柄もあり...
久しぶりに読んだサイトの記事。その3。近代で安定的に読まれているのは「腹が減っては(2)」。軍艦の食事(メニューの話)、戦艦大和や長門でどういった食事が出ていたかという…まあ興味はあるわな。大和ホテルですからねえ。士官はとにかく兵食までこの献立なのかという思いを拭いきれない内容ではある。私が一番驚きであったのは昭和の巨大軍艦で使われていた調理器具で、4千人分を1時間15分で洗う洗米機とか(大和の最後の乗...
今回の桐野連載では名前が出なかったのですが、薩摩には石神良策という蘭方医がいました。幕末の薩摩で有名な蘭方医と言えばこの人と言っても良いと思います。桐野利秋の日記にも名前が見えていて、桐野も何度か石神の診療を受けている(慶応3年10月)。戊辰戦争の際はウィリアム・ウィリスの指導の下で治療に当たっている(当時オランダ医学は時代遅れになっていたのと日本人医師は外科手術の経験がない)。桐野連載で横浜軍陣病...
話としては「小頭見習」と同一線上の内容です。桐野利秋、当時は中村半次郎ですが、戊辰戦争の際は小頭見習となり、後監軍へと出世しています。そのふたつの肩書がついたのはいつなのかという話。昨日のサイトの更新と改訂で書いている話です。***引っ張っていた見逃し史料の話です。昨日更新したページでも紹介している『稲葉正邦家記』でした。稲葉正邦は当時の老中であった淀藩主稲葉正邦のこと。家記は『復古記』を編集する...
桐野の欠指、参考文献を入れて全5ページと書いていましたが、全6ページになります。一昨日見つけた史料を書き加えたら最終ページが長くなり過ぎました。元々やや長めのページではあったのですが、思い切って切りの良い所で分けて更新することにしました。この史料の事、すごく書きたい。見つけたと言うより単に見逃していただけなのですが、見ていて思わずうえっとなり申した…これは次回更新の話になりますのでその時に(引っ張る...