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参考文献追記:『パタリロ!』

魔夜峰央『パタリロ!』

 常春の国マリネラを治める若き王様であるところの天災的なクソガキが、周囲を酷い目に遭わせたり因果応報を受けたりするお話。

 『クックロビン音頭』の元ネタ。

 パタリロはいつもバンコランにいじめられて可哀想、というのが母の感想だった。どうしたらそんな解釈ができるのか、私には未だ以て謎である。
180518


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参考文献追記:『アルセーヌ・ルパンの逮捕』

モーリス・ルブラン『アルセーヌ・ルパンの逮捕』

 神出鬼没の怪盗紳士ルパンのイメージを心に抱いて読むと、ルパンいきなり捕まっとるやんけ! とショックを受け、いや、ここから颯爽と逃げるんだよね? え、逃げないの? え? え? と狼狽えているうちに終わってしまうお話。

 『語り手が犯人』の元ネタ。

 大人になってから読み直したところ、ラストシーンのヒロインの挙動が、記憶のそれとは違って颯爽としたものではなく、たいへんガッカリした。
 そんな苦い経験は多々あるが、それでも、思い出の本は読み直さないに限る、と言いきれないのが読書のつらく面白いところだ。
180518


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→本編


参考文献追記:『少年探偵彼方 ぼくらの推理ノート』

夏緑/原作,井上いろは/作画『少年探偵彼方 ぼくらの推理ノート』

 モノホンの小学生男児(こましゃくれてはいるが)が、ミステリのお約束通り公正に公開されている手がかり(この絵じゃ分かりにくいよってのはあったが)に基づいて推理し、事件を解決するお話。

 もともとは雑誌に連載されていた、読者参加型の三択クイズ。小学生向けの推理クイズをこれだけ考えるのは大変だったろうに、という旨の感想を面と向かって原作者に申し上げたら余裕綽々で笑ってらした。プロは下手に謙遜するより笑って受け流す方が好ましい。
180518


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→本編



参考文献追記:『ミステリの書き方』

H.R.F.キーティング『ミステリの書き方』

 なんか外国の有名な作家らしいおっちゃんがミステリの何たるかを滔々と語ってくれるお話。いやお話やない。

 ミステリにおいて、殺人を犯すためは4つのエースが必要であり、それはスペード(機会)、ハート(動機)、ダイヤ(殺す能力)、そしてクラブ(物語の特定の犯罪を犯す能力)、なのだそうだ。
 で、ダイヤとクラブの違いは?
 ダイヤは殺人の能力、クラブは殺人以外の、たとえば殺人を犯すために必要とされた不法進入とか器物損壊とかの能力なのだろうか。
180518


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『虚構推理』

◇参考文献
『虚構推理』
『ミステリの書き方』
『少年探偵彼方 ぼくらの推理ノート』
『アルセーヌ・ルパンの逮捕』
『パタリロ!』



◇誰が刑事を殺したの? それはわたしと鋼人七瀬

「ねぇねぇ」
「あ~?」
「マンガの『虚構推理』を読んだんだけどさ」
「ああ」

「1巻しか手に入らなかったから続きが気になっちゃって、結局、小説の方を図書館で借りて読んだよ」
「ほう、ミステリへの苦手意識を克服したか」
「苦手意識は相変わらずだけど、『虚構推理』は頑張って読んだ」
「そうか」

「何と言っても紗季さんが可哀想でさぁ!」
「そこか」
「魚も鶏も美味しく食べられないなんて!」
「牛はいいのか」
「牛なんて風味だけで、栄養価は豚にも劣るじゃん」
「ちょっと行って畜産業者に殴られてこい」
「一方、魚は良質のタンパク質で、肉に比べて体を冷やしにくい」
「冷え性の人間は大変だな」
「鶏はというと、蛇や蛙がその味にたとえられるほどプレーンなお味であり、イルカよりも美味いと伊豆で大好評だ」
「ちょっと行って養鶏業者と伊豆出身者に殴られてこい」
「鶏の唐揚げや鶏そぼろがなくなったら遠足のお弁当が如何に味気ないものになるか!」
「まぁこだわりのポイントは人それぞれだが」

「ところで『虚構推理』って何ダニット?」
「あ? 何だに?」
「いやだから、誰が殺したかを推理するミステリをフーダニットっていうんじゃなかったっけ?」
「ああ、それか」
「犯人が分かった上で、どうやって殺したかを推理するのがハウダニット、何故殺したかを推理するのがホワイダニット、だよね?」
「Who done it?、How done it?、Why done it?はその通りだ」
「うん」
「他にも、When done it?、Where done it?、What done it?、How many done it?、How much done it?がある」
「ねーよ! 少なくともハウメニーとハウマッチは絶対ねー!」
「5W3Hをなおざりにするとビジネスが立ち行かんぞ」
「ビジネス関係ねーっ!」

「それにしても、ミステリが苦手という割に、フーダニットだのハウダニットだのミステリの類型に詳しいのだな」
「以前、苦手意識克服のために、『ミステリの書き方』って本を買って勉強した」
「努力の方向がおかしくはないか? 『少年探偵彼方 ぼくらの推理ノート』みたいな軽い推理クイズものから読み慣れていけばいいだろうに」
「あれこそイライラの極致だよ! 如何にも小学生向けの内容だけに、解けなきゃ腹立つし解けても嬉しくないし! ミステリなんてさ、もっとこうバーッと分かりやすければいいんだ! 『謎は全て解けた! 犯人は俺だ!』みたいな!」

「語り手が犯人、というのはミステリの一ジャンルだな。ルパンにもそんな話があった」
「三世?」
「元祖」
「元祖天才バカボンの~♪ パパじゃなくて祖父だから~」
「小学生のときに、『小学何年生』か何か、子供向けの雑誌に載せられていたものを読んだ」
「ボケ丸無視かい」
「まーるむーしでーんしゃーがピーポッポー♪」
「分かった、ツッコミたくないボケは丸無視するに限るんだな」
「後年、青空文庫で読みなおしてみたが、記憶していたほど小粋な話ではなくて随分失望した。昔の俺が読んだものは、多少脚色してあったのかもしれない」
「思い出補正だったのかもしれないしね」

「参考までに、『ミステリの書き方』は誰の作だ? 類書は幾つかあるはずだが」
「さあ? なんか外国のおっちゃんが書いたやつ。『パーフェクト殺人』ってタイトルのミステリを書いた人」
「把握」

「でさ、『虚構推理』なんだけど、これ、何ダニットでもないよね?」
「いいや、フーダニットだ」
「何でだよ。『フー』は鋼人七瀬、『ハウ』は鉄骨で殴った、『ホワイ』は人々が無意識にそうすることを期待したから。中盤の情報収集でそれらが確定した上で話が展開してるんだから、何ダニットでもないじゃないか」
「フーダニット型のミステリでは、物語の最後に探偵役が真犯人を名指しするのが様式美だ」
「だから真犯人は鋼人七瀬だってば」
「探偵役の岩永は、最後に誰かを告発しなかったか?」
「……あれ?」

「真犯人は鋼人七瀬、勿論そうだ。だから岩永に告発された者は犯人ではない、勿論その通りだ。
 それでも探偵役の岩永がしたことは、どうやって殺したか、何故殺したか、そして何より、誰が殺したかを虚構推理することだったのさ」
「なるほど、だからフーダニットなのかぁ」
「フーダニット……誰が殺した……」
「お、おう?」
「だーれが殺したクックロービン♪」
「何故今『クックロビン音頭』!?」
「それでは今日はこのへんで。さようなら~あ~ぁ~……」
「……そして誰もいなくなった」
180518


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参考文献追記:『3×3EYES』

高田裕三『3×3EYES』

 高校生の少年が、三ツ目の妖怪に不死身の化け物にされてしまったが、その子が可愛い女の子だったので、彼女のために戦ったり冒険したりする話。

 『奴隷だね』の元ネタ。

 パイがブスだったりババアだったり男だったり、あまつさえ『三つ目がとおる』の写楽みたいな奴だったりした日には、八雲は物語の最初期で匙を投げていたのではなかろうか。

 一冊一冊別の書店で買ってそこのカバーを掛けてもらうという我ながら意味不明なルールに則り集めていたが、あんまり長いので途中で飽きて買うのをやめてしまった。最後はどうなったのだろう。
180516


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→本編


参考文献追記:『少女探偵金田はじめの事件簿』

あさりよしとお『少女探偵金田はじめの事件簿』

 ミステリには残酷な死体や偏執狂的な犯人がゴロゴロ出てくる、ということがとても分かりやすいお話。

 ミステリでは格好いい役柄のはずの探偵たちが明後日の方向に、否、明々後日の方向にブッ飛んでいる。『命運探偵』の神田川には読ませない方がいいマンガ。
180516


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→本編①
→本編②


参考文献追記:『ミス・マープルと十三の謎』

アガサ・クリスティ/著『ミス・マープルと十三の謎(創元推理文庫 105-8)』1981年
 大阪市立図書館所蔵。

 ババア無双。その一語に尽きるお話。

 私は母親の文庫本を勝手に読んでは字が小さいだの漢字が読めないだのと言って数ページで投げ出すような小学生であったが、字が小さかろうが漢字が読めなかろうが最後まで読み通した本も何冊かあって、その一つがミス・マープルの短編集(おそらく『火曜クラブ』)だった。
 ミステリへの根強い苦手意識があり、『名探偵コナン』も『金田一少年の事件簿』も受け付けなかった私に、同じくらい強いミステリへの憧れがあるのは、ミス・マープルが原因だと思う。

 蛇足ながら、「無双」は本来形容動詞であって、サ変動詞ではない。
180516


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→本編①
→本編②
→本編③


参考文献追記:『命運探偵神田川』

泉すずしろ『命運探偵神田川』
 探偵が出てきて事件が解決するお話。

 「探偵が出てきて事件『を』解決するお話」ではない点がこのマンガのキモ。
 いわゆるお約束、ご都合主義、黄金のワンパターンは、効果的であるが故に手垢にまみれており、下手を打つと興ざめの素だ。
 しかしながら、『命運探偵』ではそれが煮詰めに煮詰められているので、逆に目新しいのだろうと思う。
180516


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→本編①
→本編②
→本編③
→本編④
→本編⑤


[追記]
本編②
 結局、神田川探偵が安楽椅子探偵になる話は1本もなかった。
200812

本編③
 ガンガンオンラインで『命運探偵神田川』の第6話が更新されてた頃に制作。
 結局、探偵と怪盗との間に決着らしい決着はなかった。
 打ち切りを疑いたくなる唐突な終わり方であったから、変に話をまとめられるよりはマシと考えよう。
200914

本編④
 ガンガンオンラインでライバルポジションの高校生探偵も井浦助手の過去話も出ていなかった頃に制作。

本編⑤
 ガンガンオンラインで『命運探偵神田川』の第7話が更新されてた頃に制作。
 これ以降、首岬村のおばあちゃんに執着して著者のブログでおばあちゃんを推し続けた。努力は実を結ばなかったが後悔はしていない。


参考文献追記:『虚構推理 鋼人七瀬』

城平京/著『虚構推理 -鋼人七瀬- (講談社ノベルス シP-01)』
 大阪市立図書館所蔵。

 でかチチのオバケを、ツルぺたで将来的な成長も見込めなさそうな小娘が、キーボードを叩いてやっつけるお話。

 プロは一作にミステリ4本分のネタを突っ込めるのか! という大きな感動を得られた一冊。作者名は、読み方を知らなくても『平城京』のアナグラムだと覚えていれば書ける。

 自分の望みの未来を掴むために、必ず生き返るからといって躊躇なくポンポン死ねるヒーローと黒幕は、身も心も化物を超えた空恐ろしい化物だと思う。同じ不死身でも、『3×3EYES』の八雲とは根本的に異なる。あの二人と渡り合えるメインヒロインは、精神的怪物なのだろう。サブヒロインが常識人なので、彼らの異質さがより際立っている。
180516


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→本編①
→本編②
→本編③
→本編④


プロフィール

あらいなかむら

Author:あらいなかむら
主に読書感想文を朝7時に公開しています。
定休日は土日祝日です。
本コラムには記事にするほどでもない小ネタが書いてあります(不定期更新)。


 先日、
「……と、当日 本人が証言」
 とメモした。

 実際には、
「……と、当日本人が証言」
 とメモしてあった。

 本日それを読み返して、
「『当 日本人』って誰!?」
 と気が動転した。


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