今回は、国立科学博物館で開催されている企画展「鳥」をご紹介します。
イベント概要ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イベント名:特別展 鳥~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~
開催期間:2024年11月2日~2025年2月24日
開催場所:国立科学博物館
主催者:国立科学博物館
料金:当日券 一般・大学生 2100円 小・中・高校生 600円
前売券 一般・大学生 1900円 小・中・高校生 500円
目玉展示:ペラゴルニス・サンデルシ生体復元モデル
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上野にやって参りました。
9月に恐竜大夜行のため、東京国立博物館を訪れて以来です。
上野は古生物好きにとっては、とても大切な場所です。
もちろん、本日も古生物に関連するイベントのために訪れました。
今日もあいにくの雨ですが、完全屋内のイベントなので会場に入ってしまえば問題ありません。
そのイベントが国立科学博物館で開催される特別展 「鳥」です!
鳥の起源とその進化の過程が紹介されるそうです。
鳥が獣脚類から派生したことを考えると、この特別展でも恐竜が見られるに違いありません!
さらに、史上最大と呼ばれる絶滅種の鳥に会えるとか・・・
さぁ、国立科学博物館に着きました。
いつもの通り特別展入口から入場します。
初日ということもあってか、開場時間前に大行列です!
チケットを見せたら、いつものエスカレーターで会場への下っていきます。
入場してすぐにお出迎えしてくれるのはクジャクとシマエナガです!
どちらも大人気の鳥類ですね!
特別展「鳥」は、第1章から第8章で構成されています。
第1章の前に序章として「鳥を知ろう」で、鳥の基本を教えてくれます。
最初に鳥類の絶滅についての展示があります。
このマップで特に島を中心に多くの種が人類活動によって絶滅していることが分かります。
そして、絶滅したもしくは絶滅に瀕している鳥類の剥製が多数展示されています。
こちらはキタタキです。
漆黒の羽毛に覆われた身体で腹部が白く頭頂部の赤がとても美しいキツツキの仲間です。
対馬に生息していたものの、1920年に採取された雌雄を最後に絶滅したそうです。
こちらはトキです。
日本では2003年に一度トキが絶滅しましたが、現在は中国産のトキを迎え入れて野生復帰させましたね。
こちらはコウノトリです。
日本では1971年に一度絶滅しましたが、現在は旧ソビエトのトキを迎え入れて野生繁殖に至っていますね。
この他、ヤンバルクイナ、オガサワラカワラヒワ、ヤンバルクイナが絶滅危惧種として展示されていました。
第1章は、「鳥類の起源と初期進化」です。
そう、いきなり古生物たちの登場なのです!
2023年の特別展「海」もそうでしたが、進化を絡めた展示にすると、やはり序盤に古生物たちの展示になる傾向にありますね。
その前に鳥類の構造に関する解説があります。
タンチョウの剥製と全身骨格が並んでいます。
多くの鳥類は骨が軽量化されていることが解説されています。
こちらはフンボルトペンギン。
他の鳥類とは逆に潜水性の鳥類は、水に潜りやすいように骨が重くなっていると解説されています。
オオハクチョウとオウサマペンギンの上腕骨の骨です。
骨の断面から密度の違いを見比べることができる展示です。
こちらは鳥類の翼を特徴別に並べた展示です。
横軸が形が右側が尖った翼、左側が丸みのある翼です。
縦軸が長さで上側が長い翼、下側が短い翼です。
一番右上(長く尖った翼)には、アホウドリが位置しています。
大きいのは知っていましたが、こんなシャープな形をしていたとは意外でした!
中央下(短めで丸みのある翼)には、ひと際目立つコンゴウインコの翼があります。
翼の大部分は青色ですが、中央付近の赤色と黄色が映えますね~。
一番左の少し下(丸みが強く短め翼)には、ふくろうの翼があります。
こちらはイメージ通りの形をしています。
続いてのコーナーは"脊椎動物の飛行"の展示です。
鳥類以外で空を飛ぶ脊椎動物たちが紹介されいてます。
ここでついに化石の登場です。
こちらはイカロサウルスです。
こちらはイカロサウルスの復元図です。
滑空で空中を移動する生物の一つとして紹介されていました。
この他にもムササビやインドコウモリのような現生哺乳類。
トビトカゲやトビヘビの現生爬虫類などが展示されていました。
続いてのコーナーは"気嚢"の展示です。
ここで恐竜たちの気嚢が展示されています。
現生の脊椎動物では鳥類特有の構造としながらも、恐竜にも存在したと紹介されています。
こちらはユタラプトルです。
こちらはアンズーです。
あまり見かける機会がないので貴重ですね。
続いて羽毛のコーナーです。
羽毛に関する進化が紹介されています。
こちらの羽毛の形の違いは興味深いですね~。
こちらはマニラプトルの羽毛です。
なんと実物化石です。
続いて巣作りと抱卵のコーナーです。
巣での抱卵は現生の鳥類に通ずるものがありますね。
こちらはトロオドン類の巣と卵です。
続いて脳についてのコーナーです。
このように生物ごとのエンドキャストが複数展示されています。
こちらはアメリカアリゲーターガーのエンドキャストです。
恐竜のエンドキャストもあります。
化石標本の脳が入っていた空洞を立体構築したものだそうです。
こちらはデイノニクスのエンドキャストです。
アリゲーターガーと比べて大脳が大きいです。
こちらはアロサウルスのエンドキャストです。
デイノニクスのエンドキャストが倍率153%だったのに対し、アロサウルスのエンドキャストは倍率78%です。
さすがにかなり大きさが違いますね。
こちらはアーケオプテリクスのエンドキャストです。
倍率384%で全体的には小さめですが、大脳と小脳が大型化して現生鳥類と共通しているそうです。
さぁ、ここから古生物展示が連続します!
こちらはデイノニクスです。
今にも飛びかかって来そうな躍動感あふれる展示です。
特別展「鳥」の目玉展示の登場です!
ペラゴルニス・サンデルシの生体復元モデルです。
上空を滑空している状態が再現されています。
口には、歯のような突起をいくつも持っています。
翼開長は7m程度と史上最大の鳥類とされています。
こんな鳥類が空を飛んでいたなんて、驚きですね!
ペラゴルニス・サンデルシの小型模型もありました。
これは可愛いですね!
ペラゴルニス・チレンシスの化石レプリカ展示もありました。
ペラゴルニス・サンデルシよりも若干小さめですが、それでも翼開長が5.2mと超大型鳥類です!
中生代の鳥類と題して、鳥類の進化における分岐を解説したコーナーです。
アーケオプテリクスの復元骨格です。
その隣にはアーケオプテリクスのロンドン標本が展示されています。
最初に分岐した鳥類種として紹介されています。
続いてコンフキウソルニスです。
アーケオプテリクスの次に分岐した種として紹介されています。
コンフキウソルニスはデゥイとサンクタスの2種4体の化石が展示されていました。
こちらは上がメス、下がオスだそうです。
こちらなネウケンオルニスです。
後期白亜紀の鳥類ですね。
こちらはリャオニンゴルニスです。
前期白亜紀の中国に生息していた鳥類ですね。
オトゴルニスです。
モンゴルで発見された前期白亜紀の鳥類です。
カタイオルニスです。
前期白亜紀の中国に生息していた鳥類です。
リャオクシオルニスです。
同じく前期白亜紀の中国に生息していた鳥類です。
こちらはレプリカですが、この原標本はホロタイプだそうです。
ダリングヘオルニスです。
こちらも前期白亜紀の中国に生息していた鳥類です。
ガンススです。
最古の真鳥類の一つだったとされています。
チャオヤンギアです。
こちらも真鳥類です。
チャプカオルニスです。
北海道で発見された化石のレプリカです。
イクチオルニスです。
隣には実物の化石が展示されています。
アステリオルニスです。
ミマキエンジニアリングさんが製作した模型だそうです。
ヘスペロルニスです。
水中を及ぶ海鳥として紹介されています。
ガストルニスです。
凄い迫力!
コぺプテリクスです。
福岡県で発見されました。
ハセガワグンカンドリです。
群馬県立自然史博物館名誉館長の長谷川善和氏に献名された種小名なのだそうです。
古生物たちの登場が終わり、第2章以降は現生鳥類に関する展示です。
数多くの剥製たちがお出迎えしてくれます。
※古生物推しのブログですので、ここでは省略いたします。
いや~、素晴らしい特別展でした。
古生物の展示が想像以上に充実していました。
今回のキャッチコピーは"一生分の鳥"です。
そのキャッチコピー通り、一生分の鳥を見た気がします。
是非、皆さんも会場を訪れてたくさんの古生物と一生分の鳥に会いに訪れてみてください♪
動画もご覧ください。