私立中学・高校 FAQ=>偏差値を考える

2022年01月30日

日本学園が、明大の付属となって男女共学化する模様。


さて今回は久々に中学受験のお話です。

以下は2022年1月29日(土)の朝日新聞の記事になります。

「大学系列化」発表 説明会に高い関心」
「入れなくなる前に入りたい」

日本学園中(世田谷区)では、入試まで半月余りとなった1月中旬、オンライン併用の説明会が開かれた。直前にもかかわらず申し込みは異例の300人超。昨年12月下旬に同校は、2026年度から共学化し、明治大の系列校になると発表。今年の入学者は卒業時に「明治大学付属世田谷高校卒」となる。
 1885年に東京英語学校として創設され、画家の横山大観や作家の永井荷風岩波書店の創業者ほか、政界や経済界に多くの卒業生を輩出した伝統校だ。
 
 確かこの学校は最寄り駅が「明大前」。
 もとより地理的には近かったわけですが、とうとう付属校化ですか。

 「入学して普通に勉強していれば、最低でもGMARCHの一つに進学できる」ということであればお得な感じがいたしますね。
 
 最近は高校入学を廃止する学校が増えているとよく耳にします。
 中学受験をしないと、入れる高校がないみたいな。
 
 しかし、小学生のうちから塾通いをさせても、最終的に入れる大学が日東駒専レベルとなると〜。
 どうでしょうね〜。いささか不甲斐ない気がいたします。

 だからGMARCHかそれ以上の大学の付属校なら、狙い目というわけです。
 
 それに同時に共学化と言うことですから、インパクトも大きい。
 やはり、中高6年間を男子だけの環境で過ごすとなると抵抗もあるでしょうしね。
 
同校は、約10年前から明治大と「高大連携」して学びを進めると同時に野球やサッカ−にも力を入れてきた。都内の親子は「人気が上がり高校から入れなくなる前に入りたい」。

 日本学園といえば、最近は高校野球でもにわかに力をつけてきていて、このブログでも何度か記事にしました。
 
 なるほど、明治大との「高大連携」という後ろ盾があったわけですね。
 
 

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posted by セタケン at 21:17 | 偏差値を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月05日

合格者と入学者の差とは?



これまでの記事で、偏差値は本来学校のランクを表す点数ではないこと。
 学校の偏差値は意図的に上げることができること。

 2番手、3番手校の偏差値を吊り上げるのは、その学校をすべり止めとして受けただけの受験生なのです。
 自校の偏差値を上げたい学校は、もっと上のレベルの学校を第一志望にしている生徒に、すべり止め校の一つとして選択してもらうための工夫をしているのです。

 ところでその偏差値は誰がどうやって決めているのでしょうか?

 中学受験の場合、大手の学習塾や模試会社が模試の結果で算出しています。
 四谷大塚、日能研、SAPIX、首都圏模試センターなどがあります。

 これらの会社は全国規模の模試を実施しています。
 まずその模試の結果から模試受験者ひとりひとりの偏差値を出します。

 そして本番の受験の際には、それぞれの学校に模試のときの偏差値がいくつの子が何人くらい受かったのかが分かります。
 その結果を集計して得られた数値が、それぞれの学校の偏差値となるのです。

 よって模試を実施している進学塾によって、同じ学校でも偏差値は微妙に異なることになります。

 一般に受験層のレベルが高いのはSAPIX。
 続いて四谷大塚と日能研がほぼ同レベル。
 首都圏模試は比較的下位層が多いと言われています。

 かつては大手の進学塾の協力で偏差値を伸ばした中学もあったようです。
 この件はまた別の機会に詳しいお話をいたしましょう。


 それはともかく、あえて2番手3番手校を併願で受験する受験生から見れば、本命はあくまでもっと上位の学校です。
 滑り止めの学校に合格しても、第一志望に合格できれば当然そちらの方に入学してしまいます。

 これは以前べつのブログの記事で読んだお話ですが、
 「特待生が、なかなか入学してくれない」 とある私立中学の教頭先生がぼやいてたとか。
 その学校では入試の成績上位20名を学費免除の特待生としているのですが、上位20名になれるような優秀な生徒はもっと上の学校に入学してしまうのだそうです。

 つまり、その学校では実際に入学した生徒の偏差値はもっと低いものになるということです。
 偏差値を押し上げてくれた優秀な学生は実際には別の学校に行ってしまうのですから。

 学校の偏差値が上昇しているからといって、生徒の質までがその値どうりにというわけではなさそうです。
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posted by セタケン at 17:53 | 偏差値を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月18日

コースを細かく設けることで倍率を上げる。



偏差値を意図的に吊り上げる方法3

 これまでの記事で、偏差値は本来学校のランクを表す点数ではないこと。
 学校の偏差値は意図的に上げることができること。
 今回は上位校の併願先になるための方法の第三回目です。 

 2番手、3番手校の偏差値を吊り上げるのは、その学校をすべり止めとして受けただけの受験生なのです。
 自校の偏差値を上げたい学校は、もっと上のレベルの学校を第一志望にしている生徒に、すべり止め校の一つとして選択してもらうための工夫をしているのです。

 上位校の併願先になるための方法の第三はコースを細かく設ける事です。

 普通科の他に特別進学コースを設けたり、最初から理系進学コース文系進学コースに分けていたり。
 普通科のみに比べてコースごとの定員が小さくなり、各コースの倍率が上がり、結果偏差値も上がる訳です。

 これは以前の記事でのべた
 「受験日を複数回にすれば各回の競争率が上がり、学力上位の生徒を獲得しやすくなり偏差値向上につながる」
 という事と同じような理屈です。

 ただし! コースごとに偏差値に違いが出ることはいうまでもありません。
 違いというより「格差」でしょうか?
 同じ学校内でも偏差値が高いのは「特進クラスのみ」ということも有りうるのです。

 ちなみに世田谷学園には「スポーツクラス」が有ります。
 高校編入のみなので中学受験の偏差値のお話には直接関係ないのですが、たしか偏差値は40台の後半くらいだったと思います。
 これは1997年以前の世田谷学園と同じくらいの数字です。
 2013年の世田谷学園2の「60」と比べてみるとかなり低いですね。
 同じ学校でもコースやクラスによって「格差」が生じる一例として取り上げてみました。

 世間一般の人がその学校のレベルを計る基準として偏差値を見る場合、その学校のコースのうちで一番上位のものだけを見てしまいがちです。

 逆に言えば、コースを細分化すれば、学力の高いコースで見かけの偏差値を上げ学力の低いコースで生徒集めをすることも可能なわけです。

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posted by セタケン at 18:12 | 偏差値を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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