はじめての海外個人投資で海外投資を知る
私は海外に行くときに文庫本を2,3冊買います。空港の本屋で立ち読みをして、もっと読みたいと思ったものを買います。この買い方のメリットは、あまり話題になっていない本でも自分の感性に合う良書を見つけられるということです。
廣重勝彦氏「はじめての海外個人投資」も成田空港で見つけました。 さて、「はじめての海外個人投資」の良いところを三つあげます。
筆者の海外在住経験から世界趨勢と日本の姿を説明している
日本にいるとデフレのため円の価値の下落に気づきません。世界の国と人々の殆どはこの20年でGDPを伸ばし、所得を伸ばしました。かつて日本に旅行に来たり、買い物に来たりする外国の人は限られていました。
今は違います。街中で外国の人を多く見るようになりました。それは、日本という国が金額的に来やすい国になったことと無関係ではありません。
円の価値は国内だけ見るとあまり変わりませんが、外国はその間インフレも進み、所得も増えました。海外では通貨の価値は時代とともに下落するという当たり前の原則が生き続けていたのです。
円だけにしがみついていると、ゆでガエル状態になるかもしれません。序章と一章はそのことに気づかせてくれます。
米国株を始め、海外の株式、債券、ETF、FXに網羅的に触れている。
筆者は投資のバランスの大切さとバランスが崩れた時の対応も説明しています。リバランスと言います。だから網羅的に触れているのでしょう。ただ、株式と債券のリバランスはちょっと投資初心者には難しいと思います。
本当に初心者で最低限のことを知るなら、ETFについての部分だけ読んでも勉強になります。具体的な銘柄もいくつか出ています。
ETFは株のように市場で売買できます。そして、株や債券の集合体なので値動きがまったりしています。より安全ということです。ゼロになることは絶対にない商品ですからね。
誰もができる投資として、長期投資を基本としている
誰もができる投資。それは成長国のインデックス投資です。この本の基本姿勢がインデックス投資に置かれているところに共感しました。
株価が低いところで買い、高いところで売る。そんな絶妙なタイミングで売買できる。それはその道のプロとも言える人ができることで、誰でもできる投資ではないというスタンスは深く共感するところです。
誰もがサッカーのメッシになれるわけではない。投資も同じであるというのは分かりやすいたとえでした。
あまり話題になっていませんが、私は良書だと思います。
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