スペイン出身の若きプロフィギュアスケーターが今季、振付師としての第一歩を踏み出した。浅田真央さん(30)が座長を務める「サンクスツアー」に参加しているエルネスト・マルティネスさん(愛称はエルニ、22)だ。デザイナーとしての一面を持つ彼のモットーは「選手の心を聞いて作る」ことだという。

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 サンクスツアーの練習日、エルニさんを取材した。氷上に図形を描くコンパルソリーの練習を入念に繰り返しているのが印象的だった。この日はちょうど浅田さんも練習が一緒。「へえ、エルニの取材ですか? どんどんしてください」と浅田さんも笑顔。ツアーメンバーの一員として浅田さんもエルニさんに大きな信頼を寄せている。

 2018年2月にツアーオーディションを受けてメンバーになった。とにかく昔から浅田さんの大ファンで、浅田さんのナンバーの振り付けはほとんど覚えている。「仮面舞踏会」「愛の夢」……。すぐに振りを見せてくれる。15年にバルセロナで行われたグランプリファイナルには現地まで浅田さんの応援に行き、一緒に記念撮影したという。

 そんなエルニさんはスペイン・マドリード出身。スケートを始めたのは10歳。スペイン国内外での大会に参加してきたが、浅田さんが育った日本に憧れを抱き、高校生だった16年夏にスペインから短期間、新潟の高校に留学。その後、けがもあって現役スケーターを辞めたが、17年から文化学園大学(東京)に1年間通って服飾を学んだ。そしてスペインに帰国しようと思っていた矢先、サンクスツアーのスケーター募集を知って人生が変わった。

 すっかり日本が拠点になったが…

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