笹川翔平、川辺真改
同性婚を認めていない民法などの規定は「婚姻の自由」を定めた憲法24条1項などに反して「違憲」とした札幌高裁判決について、自民党保守系議員が激しく反発している。裁判長は早急な対応を求める異例の付言をしたが、岸田文雄首相は党内の声に配慮してか慎重な姿勢を崩さない。個人の尊厳や多様性の重視とは逆行する政治の姿勢が際立っている。
15日の参院予算委員会で、同高裁判決を受けて同性婚導入について問われた首相は淡々と答えた。「政府としては少なくとも同性婚に関する規定を設けないことが憲法に違反するものではないと考えている。確定前の判決であり、他の裁判所に同種訴訟が係属していることから、引き続き注視したい」
慎重姿勢の背景には、伝統的な家族観を重んじる党内の保守系議員や支持者への配慮があるとみられる。
保守系の閣僚経験者は同高裁の判断を「憲法違反の判決だ」と断じ、「家族のあり方がまるっきり変わり、日本の根幹が変わる。私はたとえ一人になっても反対し続ける」と語気を強めた。
判決文に盛り込まれた裁判長の…