「どうしたら『風』は吹くのか。それが政党関係者は知りたいところかもしれない」

 7月8日配信の記事「『自分たちはもう通用しないのか』 蓮舫氏惨敗余波、幹部の責任論も」に、歴史社会学者の小熊英二さんは、こうコメントした。

 記事では、東京都知事選で3位に沈んだ蓮舫氏を支援した立憲民主党に動揺が広がる様子を紹介。2位の石丸伸二・広島県安芸高田市前市長に無党派層が流れたショックは大きく、党勢の立て直しへの道筋が見えない状況を伝えた。

 蓮舫氏は共産党の支援も受けたが、小熊さんはコメントで「もともと立憲と共産の基礎票だけでは、自公の基礎票に及ばない。だから『風』がないと首長選や小選挙区では勝てない」と指摘する。

 今回、当選した小池百合子氏は自民党の候補ではなかったため、蓮舫氏が展開した「反自民」の訴えは争点化しにくかったという。小熊さんは、そのような環境下では「『反自民』よりも『反政党政治』の『風』が吹きやすい」として、それが政党の支援を受けない石丸氏に「風」が吹き、蓮舫氏が「風」を捉えられなかった要因とも説明可能では、と読み解いた。

 では「風」は、どうしたら吹くのか。小熊さんは「狙って努力すれば吹くというものでもない」として、「石丸氏にしても、次回にまた吹くのかといえば、そういう保証はない」と、「風」を読む難しさを強調する。

 「風」に頼れなければ、どうすればいいのか。小熊さんは「安直な答えはないと思う」として、「即効性のある対策などないのだと割り切って」基礎票を増やす地道な取り組みの重要性を説いた。

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