政治学博士。大学院で先進国の難民受け入れ政策を研究する傍ら難民支援を行う国際機関やNPOにインターン/リサーチャーとして関わる。その後アフリカに関するキャンペーン活動やNGOや財団の運営、政策提言活動、キャンペーン事業に従事。(一社)SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)では、普及啓発事業を担当。現在、認定NPO法人Malaria No More Japan理事、(公財)プラン・インターナショナル・ジャパン アドボカシーグループリーダーも務める。著書に「FGM(女性性器損傷)とジェンダーに基づく迫害概念をめぐる諸課題―フェミニズム国際法の視点からの一考察」(早稲田大学出版部)。
ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の口論と喧嘩別れをめぐる報道はこの週末ずっと流れていました。報道を見ながら感じたのは、「超大国アメリカ」の時代が終わるのだなということでした。 今年は第二次世界大戦終結と国連創設から80周年にあたりますが
先日気候変動とジェンダーに関する講演をしたのですが、参加いただいた皆さんが身を乗り出して聞いてくれたたのが、気候変動がもたらす災害の多発と復興におけるジェンダーの視点でした。 日本は気象災害が多い国であり、特に温暖化により災害の多発と激甚
私が所属している国際NGOプラン・インターナショナルでは、2020年より池袋を拠点に若い女性を対象にしたオンライン相談や居場所を提供する取り組みをしています。活動から見えるのは、生活困窮や貧困、性被害・性的虐待、望まない妊娠、親や家族との不
歴史というものが決して中立ではない、一方の「正義」の理論に寄りかかって作られ、いくものだと気づかされる記事です。 戦争をめぐる記述は、これまで戦場に旅立つ夫や息子を、そして男性不在の家を守る銃後の母であり妻、そしてその子どもを描くものでし
勉強漬けの毎日で、学校や家でも休むことができない。「子ども時代そのものが、息子にはなかった」という言葉は、かつて1980年代後半の第二次ベビーブーム世代が大学受験を迎え、受験競争の激化が問題視された日本の姿を思い出します。 1970年代
南アフリカのアパルトヘイト政策がどのような歴史的経緯を有しているのか、そしてそれが今なお南アフリカにどのような不公正をもたらしているのか、その点への理解を欠いたアメリカの大統領令です。 アパルトヘイト廃止から30年経った今も、南アフリカは
動物は「モノ」である。こう言われて首をかしげる人は多いのでは、と思います。昨年1月2日に発生した羽田空港のJAL機と海保機の衝突炎上事故では、JAL機の貨物室に預けられていたペットが救出されませんでした。このとき、ペットの同伴搭乗を求める議
27日に10時間以上かけて行われた会見、私も何度かフジテレビでの放送を見たのですが、会見に参加した経営陣の問題への不十分な理解からくる説明の過不足や拙さよりも、質問する側の「質問せねば」という焦燥感にかられたような要点を得ない質問の方が目立
「大課長」、分かる。分かりすぎると頷いていました。と同時に、同世代の友人と飲むときのネタのひとつが「上司がポンコツ」というのがありますが、自分たち自身も「大課長」になっていないか、ちょっとドキドキしたりもします。 大課長になる背景は何か、
近年、企業の活動による人権への影響の重大さから、経済活動の中で人権尊重に取り組み、経済発展を実現すると同時に、すべての人の人権に配慮した持続可能な社会作りを進める取り組みが国際的にも、また日本国内でも進められつつあります。かつて人権を尊重す
農林水産省が2020年に発表した「農業生産における 気候変動適応ガイド うんしゅう みかん 編」では、気候変動による温暖化が進行した場合には、農業生産への悪影響のリスクがさらに高まり、農産物の安定供給に支障をきたすことが懸念されるとしてい
一度始めてみた方法が「お、上手くいくじゃん」となり、その手法が先輩から後輩へ引き継がれていく。そしてまた次の後輩へを伝えられるうちに「慣習」として定着する。誰もが従うけど、「あうんの呼吸で伝えられる」から責任の所在はどこにあるのかわからない
年末から週刊誌やネット上で飛び交っていた話題が、ようやく(今さら?)朝日デジタルでも取り上げたんだな、と思いながら記事を読んでいました。 先に週刊誌やインターネットメディアでの報道が先行し、新聞やテレビといった、大手メディアで取り上げるま
戦時下の女性の戦争協力については、これまででも専門家たちから指摘されてきました。「銃後の母」の言葉にあるように、戦場に駆り出される夫が安心して出征できるよう、不平不満を口にせず積極的に動員される割烹着姿の女性の姿は、これまでにも戦争を題材に
記事を読んで感じたのが、そもそもNPOなどの支援団体を「ボランティア団体」と呼称すること自体がおかしいのではないか、ということです。お話をされている明城さんをはじめ、私の周りでいわゆるNGO/NPOと言われる、市民社会組織(CSO)のスタッ
フキハラ、最近よく耳にするようになりました。 記事で紹介された男性の場合、専業主婦の妻の娘が生まれたときのワンオペがきっかけに、現在の状況が生じていると認識されています。 この記事を読んで思い出したのが、野原広子さんの「妻が口をきいてく
まずは福山里帆さんが実名で、そして顔を明かして告発された、その勇気と強さに敬意を、そして心からのエールを送ります。 記事にある福山さんの経験は、読んでいて本当に辛いものでした。家が心理的物理的に安全な場所ではなく、進学のために家を出ても、
これは聞きに行きたい、と思う落語です。 昔から落語が好きで、聞きに行くことはなかなかできないのですが、移動中によく聞いています。 「男性のつたない日本語を笑いの対象とする」ことをどう捉えるかは、落語のもつ社会的弱者への眼差しを意識できるか
かつて低用量の経口避妊薬、いわゆる「ピル」は、日本で1999年に承認されるまで44年かかりました。1990年の申請以来、9年間にわたる異例の長期審査を経て解禁されたとき、国連加盟国で承認されていなかったのは、日本だけでした。同年に承認された
非常戒厳が出された3日夜から翌日の解除、7日夜の弾劾訴追案不成立と目まぐるしい韓国の動きは、私たちに民主主義とは何か、政府の暴走に議会は、国民はどう向き合うべきか、多くの問いを突き付けました。 与党・国民の力は尹大統領が退陣するまで「事実