この記事も、藤井さんのご活動も素晴らしかったですが、白川さんのコメントも良かったです。 やや的外れなコメントになってしまいますが、社会運動や権利のための活動に用いられる言葉や概念は、なんとなく知っていることを前提に議論してしまうものですし、
著書で『宝島』『ビックリハウス』といった1970年代のサブカル誌におけるロック語りを分析し、『宝島』誌上で行われた関川誠・中村とうよう氏の論争なども興味深く読みました。ロックを聴くことにおいて知識や対抗性が必要か否かという点が当時の論争の一
杉谷先生の研究分野は私の研究している社会運動論とはだいぶ違う研究分野ですが、実は近いことを言っているように思います。企業への「愛着」は、社会運動でいう「理念への賛同」に近いのかなと。消費者を物事の傍観者でなく当事者にさせ、価値にコミットして
「しがらみがない」ことがポジティブに受け取られているという話は、ここ最近の現象ではなく決して珍しくないとも思うのですが、それにしても興味深く感じます。それだけ「組織」や「集団」、さらにいえば人間関係やネットワークすらも既得権と結び付けられて
この件に関しては、全国がん患者団体連合会が緊急署名を集めたり、医療系の学会が緊急声明を提示したりと、多くの関連組織・当事者団体による活動が見られました。凍結に至ったことは、こうした一連の社会運動の成果だと思います。 よくこうした制度変更や
タワマン住民の調査結果が出ていますが、おそらく東京都中央区に限らず、多くの都市住民は、共助や互助、コミュニケーションやネットワーキングをそれなりに望んでいるのではないでしょうか。ただ、忙しく町内会や自治会に割ける時間がなく、また多様化と個人
学生の社会運動は「利益を享受できる(当事者でいられる)期間が限られるため、問題関心が生じても運動になりづらい、という難しさがあります。もちろん当事者でなくても声をあげていいわけで、すでに卒業された学生さんたちがこうした動きを始められるのは「
労働組合をはじめとした中間集団を研究していますが、佐倉先生がおっしゃるような「回覧板を回したり、よくわからない募金を集めたりする必要はない。必要な機能は防災機能と伝統芸能の保存ぐらいではないか」という意見はよく聞きます。同じ意見を持たれてい
社会は長い時間をかけて変わっていくもので、こうした一連の抗議も意味をなさないというわけではありません。一時的に「失敗」と思われた活動でも、それに感化された次世代が理念を引き継ぎ、実を結ぶというのもよくあることです。 ただ、だからといって
市民団体やアクティビストの人々が世界中から集まって行う国際会議は数多くありますが、世界女性会議はその代表的なものです。オンラインでも会議できる現在、わざわざ集まることにどんな意義があるの?と思われそうですが、他地域のアクティビストから情報
元々労働組合があった、ということが非常に重要だと思います。これは労働組合に限らず、どのような社会運動でも同様ですが、労働組合を一から作ったり、社会運動を一から立ち上げるのと、元々ある労働組合に入るのでは要する労力も時間も全然違います。そも
「効率性重視」「承認欲求が強い」というのは、若年層の特性を心理的要因に帰しているよくある若者観であまり感心しませんが、それに対する社会や政治の応答として、成果を求めない、「失敗してもいい」というメッセージを発すること自体はすごく重要だと思い
前半の「地縁・血縁回帰」の傾向を特に興味深く読みました。土井先生の議論に付け加えるならば、地縁・血縁の「よりどころ」志向は、個人化が進んだ結果、かつ、自分たちの同質性を確認・共有できる中間集団の存在感が弱まった結果でもあると考えています。
20年前と比べると、セクシュアリティやジェンダーの観点から「モテ」「恋愛」のあり方もずいぶん変わってきたため、「非モテ」や「恋愛資本主義」といった概念が以前と同様に受け取られるかは疑問ですが、秋元さんの言葉を借りれば「ちょっと変なこと」とし
今後多数の調査が専門分野の先生方から出てくると思いますので、あくまで肌感覚に過ぎない段階でコメントするのも気が引けるのですが、確かに「壁」引き上げを支持する若い方、特に大学生は自分の周囲を見てもとても多いですね。 こうした政策を支持する学
インタビュー記事ということでシンプルに説明されたのかもしれませんが、これなら「常民」の概念を敢えて使わなくてもいいのでは・・・。柳田の中でも変遷のある概念ではありますが、土地に根を張って生きる、民間伝承を固持する基層文化の担い手としての庶民
奥田さんが言及した「まち」と「弱目的的」という概念に興味を惹かれました。いま、都市空間は「強目的的」な場であふれかえっています。会員が体を動かすためのジム、ビデオ会議用のワーキングスペース......公園のような場ですら「なんとなくそこにい
ここ数年「推し」という言葉が定着して、「若者に投票してもらうには?」という、選挙時期によくあるメディアの取材に対し「推しを見つけるような気持ちで」と答える識者が少なからずいるのに疑問を感じていた。若者言葉で語りかければ響くだろうという安易
こうした調査を通じて人々の実態を伝えていくこともNPOの重要な活動ですね。まだまだ日本社会においては、貧困当事者への直接的な支援や援助以外はNPOの活動でないと思われがちですが、このような調査にも資源を割くことは我々が正しく実態を知る上で極
実は出産前、一番参考にしたのがオランダ版母子健康手帳でした(出産そのものを秘匿していたので、誰にも言えませんでしたが)。 基本的には寝かしつけ方法や栄養補給のガイドなのですが、母子健康手帳には「子どもは独立した一人の存在」とする考え方が徹底