主人からいきなり質問が飛びました。
「諸星大二郎さんを知らない人に薦めるとしたら何を薦める?」
「む、難しい質問を…
わたしなら「暗黒神話」。
日本の神話を踏まえながら、作者独自の解釈がされていて、ラストまでどこに辿り着くのかわからない。
単行本1冊分の物語なのに、いろいろ深読みできて何度読み返しても面白い。
絵柄に抵抗を持つ方ひともいるかもしれないけど、諸星大二郎さんの描く女性のなまめかしさに目覚めるひともいるかも。
わたしもそうだった」
「「孔子暗黒伝」もいいけど、あれは孔子さんについて知っていた方がさらに面白く読めるから」
「「論語」は読んどいたほうがいい。
漢文の授業でもやるけど」
「女子高校生のとき、常々漫画を「くだらないもの」と言っていた漢文の男の先生に、「孔子暗黒伝」を見せたクラスメートがいて」
「ふむふむ」
「先生、しっかり全部読んでくれて、「これはよく調べて書いているな」と感想までくれたと」
「…先生、えらいね」
「「オンゴロの仮面」なんてのもある」
「「マッドメンシリーズ」ね。
パプアニューギニアと日本とを結んで、神話と現代文明を絡めた作品で、
主人公たちと一緒にパプアニューギニアの森を冒険できる!」
「「妖怪ハンター」シリーズもお薦めだね。
ワクワクするし、わかりやすくおもしろいから。
作品数が多いから、その中のどれを選ぶか難しいけど」
「ハンターといっても、妖怪を退治する話じゃない。
むしろ妖怪じゃないものとの遭遇というか、異世界と繋がる話が多いというか」
「うん、通称妖怪ハンターと呼ばれる、稗田礼次郎という考古学者が登場するから、このシリーズ名なのだけど…
稗田礼次郎は、いつも傍観者で、事件が起こっても解決するわけではなく、それに理屈つけをしたり推論を述べるだけ」
「主役でもヒーローでもないね」
「だからこそ、ありそうな話だし、怖い話になってくる」
「怒々山博士は?」
「「ど次元世界物語」で
「トウモロコシガホウサクダヨ~♪」と踊りだす人ね。
あのギャグセンスは読む人を選ぶと思う…」
「一般的には「栞と紙魚子」シリーズもいいかも」
「あれはクトゥルフ神話を知っていないと、わからないところが多いでしょ」
「登場人物のホラー作家の段一知先生とか、その娘のクトルーちゃんとか、ペット(?)のヨグとか、知ってればさらに笑えるからね」
「まあ、知らなくても充分変で楽しめる話だけど」
「いきなり第一話で、女子高生が真剣に生首を飼い始めるし」
「ホラーだけど、主人公の女の子ふたりがたくましくて、笑える物語です」
なかなか難しいです。
こんな話題になると、はなしは尽きません。
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おすすめ本ばなしは、他の漫画家さんや小説家さんでもできそうです。