1970 年 48 巻 5 号 p. 452-460
1968年2月から1969年1月まで南極昭和基地(69°00'S,39°35'E)においてField Mill大気電場計を用いて,大気電場の連続観測を行なった.
その結果,次のような興味あるデーターが得られた.
(i)静穏電場に顕著な日変化が認められなかった.
(ii)正電場の増加と風速との間には正の相関があり,それは卓越風向が第1象限の時に限られた.
(iii)10m/s前後の南風では特徴的な静穏電場を示した.
(iv)低い地吹雪,高い地吹雪に伴う特有の電場の変化.
(v)急激な風速増加の5~20分前に正電場の急激な増加が認められた.
(vi)電場にノコギリ歯状の特徴的なパターンが月に1~2度認められ,それは風向,風速の記録にも同時に認められた.
(vii)快晴,無風時に静穏電場の数倍程度の正電場の擾乱が度々観測され,それ等のあるものはオーロラ活動の影響と考えられる.