MacBook Pro(Late 2016)13インチ Touch Bar搭載モデルの分解をiFixitが公開しています。
同じ13インチのTouch Bar非搭載モデルと比べて異なる点が確認できます。
その違いは、Thunderbolt3ポートやTouch Barといったスペック上の違い以外の、設計上異なる部分であり、同じサイズながら実はかなり別のマシンであることが明らかになっており、非常に興味深いです。
具体的には、バッテリー、スピーカー、SSD、冷却ファンなどです。
小さく軽いバッテリー
まずはバッテリーの違い。
Touch Bar搭載 | 11.41V | 49.2Wh | 4314mAh | 重量197g |
Touch Bar非搭載 | 11.4V | 54.5Wh | 4781mAh | 重量235g |
どちらも同じ画面サイズの2モデルですが、バッテリー自体の容量や重量に違いがあります。なお、Appleの仕様によれば2モデルの本体重量はどちらも1.37kgです。
Appleは2モデルのバッテリー容量に違いがあることを仕様で明らかにしています(今回の分解で確認できたバッテリー自体の表記と同じ49.2Whと54.5Wh)。ただし、どちらも同じ駆動時間(最大10時間のワイヤレスインターネット閲覧&iTunesムービー再生)です。
バッテリーを小さくすることでTouch Bar搭載分の重量を減らす意味があったのでしょう。それが実際のバッテリー駆動時間の違いとして影響がでなければいいのですが。
配置もモノも異なるスピーカー
続いてスピーカー。
Touch Bar搭載モデルのスピーカーは、表面に見える2つのスピーカーグリルの真下にはありません。スピーカーグリルはキーボードの左右にありますが、スピーカーユニット自体はその下のパームレストの下に潜んでいます(下の写真でいうと赤色がグリル、オレンジがスピーカーユニット)。
スピーカーの音はおそらく筐体側面の通気口から出るのでしょう。
したがって、表面のスピーカーグリルはフェイクなわけですが、写真で確認できる大きなスピーカーユニットの上部隅に小さなスピーカーが備えてあり、その音がグリルを通して聞こえてくる設計なのかもしれません。この小さなスピーカーは高周波音を鳴らすために設計されたツイーターであるとiFixtitは仮定しています。
一方、Touch Bar非搭載モデルのスピーカー(写真では左右に2つずつある小さな細長いもの)は筐体表面のスピーカーグリルの真下にあります。
写真で見る限り、Touch Bar搭載モデルのスピーカーは、Touch Bar非搭載モデルのスピーカーよりも大きいです。それぞれ別のスピーカーユニットのようです。おそらく音質も異なるのではないかと思われます。
筐体表面自体は、おそらくは製品ラインを統一するために両モデルで共通化を図ったのでしょう。
Touch Bar搭載モデル。スピーカーユニットとグリルの位置が異なる。
Touch Bar非搭載モデルの中身。スピーカーユニットとグリルの位置は同一。
SSDもロジックボード直付け
続いてプロセッサ、メモリー、SSD。
Touch Bar搭載モデルでは、CPU、RAM、そしてSSDがロジックボードにはんだ付けされています。これらを交換したりアップグレードすることは不可能です。これはすでに先行した分解レポートでも明らかになっていました。
一方、Touch Bar非搭載モデルでは、SSDが取り外し可能です。サードパーティが互換性のあるSSDを提供できれば交換やアップグレードも可能です。
2つの冷却ファン
冷却ファンはTouch Bar搭載モデルで2基内蔵されています。一方、Touch Bar非搭載モデルは1基です。
最後に、Touch Bar搭載モデルの電源ボタンはTouch IDを兼ねており、そのためにロジックボードにApple T1チップ(上の写真)が直付けされています。もし電源ボタンが壊れた場合はロジックボード丸ごと交換になってしまうでしょう。かなり高額な修理費用になるはずです。なお、Touch IDボタンはiPhoneのホームボタンと同様サファイアガラスでカバーされています。
その他、今回分解されたのは2.9GHzデュアルコアIntel Core i5搭載のTouch Bar搭載エントリーモデル。実際にはSkylake 第6世代 Intel Core i5-6267U(28W Intel Iris Graphics 550)が搭載されていました。一方、Touch Bar非搭載エントリーモデルは2.0GHzのIntel Core i5-6360U(15W Intel Iris Graphics 540)でした。