「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜波瀾万丈の生涯!…『赤塚不二夫自叙伝 これでいいのだ』

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

私が最も影響を受けた不世出の漫画家・故・赤塚不二夫氏。亡くなったんだよねえ…。(T_T)

HUMAN〜追悼・赤塚不二夫氏…タモリさんの弔辞
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小学校の時にずっとマンガを描いていて将来漫画家になろうと思っていたこともあった。当時集英社が、手塚治虫の名前をとったストーリーマンガの手塚賞に対してギャグマンガ赤塚賞ができたときに、やっぱり赤塚賞を狙うかな〜!と思っていたんだけど、小学校の時は天才といわれた画力はついに花咲かなかった…。(^^ゞ


この本は氏の自伝。意外だったのは、内容のほとんどが旧満州での少年時代の戦中、戦後の話。
当時の貴重な証言としての価値もあるんじゃないかな〜。(・。・)そして親子の愛、時代に翻弄された彼の家族、漫画との出会い、伝説のトキワ荘などを綴るこの自叙伝から、破天荒な赤塚ギャグの奥深くに息づく「家族」というテーマが見えてくる。そのエッセンスを紹介しよう。


・19歳の時江戸川区の化学工場で働きながら、毎日、アイデアを考えて日記帳につけた。少なくともアイデアが一つ出るまでは寝ないことにした。毎月、4コマ漫画を10点投稿し、その中から一つか二つ、載るようになった。いくつかコツも分かってきた。
漫画少年の入選が重なり常連になると、常連どうしで持とうということになった。このころの入選常連者には、石森(石ノ森)章太郎、高井研一郎松本零士石川球太水野英子、板井レンタローなど、後に漫画家になった者が多い。


石森章太郎がまだ高校生だったとき、長谷邦夫とぼくの3人で雑司ヶ谷手塚治虫先生のお宅を訪ねた。手塚先生は忙しい様子だったが、ぼくたちにあってくれた。先生は「漫画ばかり描いてちゃダメだよ。一流の音楽を聴きなさい。一流の芝居を観なさい。一流の漫画を見なさい」


・博多にケタはずれに面白い男がいる、と言い出したのでは山下洋輔だった。「呼んでみようじゃないか」という話になって、山下が連れてきたのがタモリだった。(昭和49年か50年)タモリの芸に夜通し腹を抱えて笑った。朝、タモリに寝るところがあるのかと聞くと、ないという。それじゃうちに泊まれと、ぼくは寝泊まりしている目白のマンションに連れて行った。結局、1年間ほどベンツつきで居候させていた。僕はますます紙の上に描く漫画よりも、さまざまな人間、ジャンル、自然をも巻き込んだ「3次元の漫画世界」に耽溺していった。


・元編集者の武居俊樹はいう。「ギャグ漫画というのは、ストーリー漫画と違い、毎回読み切りだ。何本かの連載を抱え、その質的なレベルを保つためには、アイデアマンが優秀でなくては無理だ。ただ、赤塚は、その生命線であるアイデアマン古谷三敏たちを、自分の作品のパワーが減ずるにも拘わらず一本立ちさせる。この辺が、赤塚の人間的な素晴らしさだと思う」


この本の冒頭に「おやじとかあちゃんに感謝のココロを捧げるのだ」と書いてある。赤塚家では、夫婦・親子が一つ屋根の下で暮らせた日々は驚くほど短い。時代=戦争に翻弄され家族は引き離される。貧乏と飢えにさらされながらも、一緒に暮らせる日を夢見ている。
赤塚にとっては幸せと家庭が同義語なのだ。後に、赤塚は『母ちゃんNo.1』という漫画を描いている。赤塚は、マザコンと夫人も前夫人も証言している。赤塚のギャグ漫画『おそ松くん』『天才バカボンで描かれる家庭には、母親が出てくる。だが、この二人の母親は、笑いの対象にはなっていない。
赤塚にとって、母親というのは聖域。ギャグにはできない。赤塚ギャグは正真正銘のホームドラマといえると思う。


昭和を代表する3人。美空ひばり黒澤明赤塚不二夫この3人は、ひばり、平成元年、黒澤、平成10年、赤塚、平成20年。ほぼ、10年おきに亡くなった。昭和は遠くになりにけり、だ。赤塚は、ひばりと黒澤がとても好きだった。自分より好きだった。そして、尊敬していた。宴会好きの赤塚は、今天国で、好きな人々と酒を酌み交わしているに違いない。おやじとかあちゃん、女房と前女房、ひばりと黒澤と。6年間も病院で禁酒してたんだから、さぞ酒が五臓六腑に沁みわたるだろう。


氏はちょうど父と同じ世代。なんか共通点があるなあ。(^^♪ 静かな感動!

赤塚不二夫公認サイト これでいいのだ
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ようこそ 青梅赤塚不二夫会館へ!
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