おみくじの原価は1円!―時代を超えて生き残るビジネス (宝島社新書 261)
- 作者: 金子哲雄
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/02/08
- メディア: 新書
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おみくじビジネスって、1000年以上続いているんだってさ!
「ラクして儲ける」が合言葉。原価率が低く、がっちり儲けているけれども、それを悟られないビジネスこそが長続きする、賢いビジネスだ!ということで、もののサービスの原価を切り口に現代の消費を分析しながら、儲けのからくりを解き明かし、ビジネスのヒントを提示している本。この中に儲けるヒントが満載だよ!(^^♪ チラ見しよか!・そもそもおみくじの値段なんて、あってないようなもの。それなのに、100円という値段がついているのはどうしてなのだろう?手折りで仕上げているおみくじはその作業台などもかかるようですが、人件費物流コストを含めずに、純粋に紙と印刷代だけで考えると、原価は1円なのだ!
おみくじは、もともと神社が無人で儲けるしくみをつくりたいというところから生まれたそうです。宮司がいなくても、お賽銭箱以外にお金が落ちる仕組みが欲しかったのです。つまり神社仏閣の入場料のようなものとしておみくじは誕生したわけです。
・経済産業省の統計(平成17年)から、製造業を例に原価率を見てみると、寝具は54%、自転車は約55%となっています。もっと低いのが時計の45%、メガネの約42%です。これらはほかの製造業よりも、多く儲けを乗せて売っているということ。1万円のメガネは、もう一つ1万円のメガネをオマケにしても儲かるのです。もっと原価が低いのは、カツラの約26%です。
・消費者が「根に持たない」ビジネス、つまり低価格商品を扱うビジネスは長続きします。顕著な例が100円ショップです。100円ショップで買ったボールペンがすぐに書けなくなっても根に持つどころか、ほとんどの人が「買った私が悪かった」と自分のせいにします。実際100円ショップはクレームが少ないそうです。
飲食店も同様で、高級フレンチの1万円おコースがまずかったら、「ふざけんな!シェフ呼んで来い!」ですが、小さな汚い低価格のラーメン屋はクレームが少ない。消費者もはじめから「そういうものだ」と思っているからです。
・最近よく見かける一杯390円のラーメンチェーン店。一杯390円で儲かると思いますか?あの儲けのからくりは…『餃子』です。一般論ですが、工場で大量生産される餃子の原価は1個3円程度!?調理するガス代などを含めても一個4円くらいです。それを、このラーメン屋さんは一皿160円で販売しています。一皿5個入りなので原価は20円!?実に儲かる商品なのです。
・ファミレスのドリンクバーの原価は、基本的に一杯5円〜8円程度。なんと200円のお店でも、お客さんは25杯以上飲んでようやく元が取れるのです。しかもファミレスとドリンク会社はほとんどの場合、「たくさん消費すればするほど仕入れ値を下げる」という契約を結んでいるので、どんどん飲んでもらうことによって、原価も下がるしくみになっています。
・ハンバーガーチェーンの定番メニューは、ハンバーガーが約60円〜80円、ポテトが約15円、炭酸系ドリンクが約8円です。つまり、消費者は、「ポテトとドリンクがついたセットメニューはお得!」と思ってしまうと、原価率が下がり、客単価も利益幅もアップするしくみになっています。実はセットメニューは、消費者よりも売る側がお得なのです。
・居酒屋の飲み放題メニューで売りたいドリンクは、チューハイやカクテル。理由は、水や氷で薄めることによって原価をコントロールできる商品だから。
・しゃぶしゃぶ食べ放題のしゃぶしゃぶ100gあたりの原価は75円前後。1000円で食べ放題だとして、1.3kgも食べなければお店には勝てないのです。食べ放題飲み放題は、どちらもそのものが「集客商品」でもあり、「収益商品」でもあります。
・高級ブランド品のキーホルダーは、バッグをつくった残りの端切れ部分で作っているので、加工費は多少かかるものの原価はタダ同然。まるまる利益になる「収益商品」になっているのです。
・首都圏のJRで、読み捨てられた雑誌を集めて再販するホームレスの人たちの収入は、なんと一か月に48万円!ゴミの廃棄費用等で年間120億円もの費用がかかってるから黙認…。
などなど!こんな裏話って面白いよね!?
PS 金子哲雄さん、大好きでした。合掌。