- 作者: 浅羽通明
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/04
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 188回
- この商品を含むブログ (60件) を見る
数年前から、昭和、特に昭和30年代レトロブームだね。ご存知「新横浜ラーメン博物館」に始まり、2002年、ヴィレッジ・シンガーズの「亜麻色の髪の乙女」を島谷ひとみがカヴァーしたり、お台場に昭和を再現した「台場一丁目商店街」ができたり、極め付きは、「ALWAYS 三丁目の夕日」が大ヒットしたのも記憶に新しい。
平井堅が、「大きな古時計」、ウルフルズ「明日があるさ」、鬼束ちひろ「いい日旅立ち」、倉木麻衣の「イミテーションゴールド」、椎名林檎の「木綿のハンカチーフ」などなど。「犬神家の一族」「砂の器」のリメイク…。ああ〜昭和って好きだわ!そう考えるとけっこうあるよね。( ..)φメモメモ
さて、この本はなぜ?昭和レトロブームなのか?昭和30年代になぜ引きつけられるのか?を様々な事例とともに探った本。これは面白いよ〜!(^◇^)そのエッセンスを紹介しよう。
・「戦前からの人付き合いや人情の模倣などをしっかり受け継ぎながら物質的にもめぐまれるようになったのが昭和30年代」「モノと人間の心のバランスがとれていた稀有な時代」「現在は、モノが豊かになってもヒトの心が追いつかない」ともっぱら「心=人情」を強調している。
・「ALWAYS 三丁目の夕日」の宣伝コピーには、「携帯のパソコンもTVもなかったのにどうしてあんなに楽しかったのだろう」でした。これが本末転倒なのは明らかですね。人々が否応なく「附合」わざるをえなかった時代だからこそ、携帯電話もパソコンも必要がなかった。こう考えなければならないでしょう。
・「プロジェクトX」人気の秘密は、技術系サラリーマンがを中心とする主人公たちが取り組む困難な仕事(プロジェクト)が「何の役に立つのか」がきわめて分かりやすいところではなかったか。
・成長はもう限界達した可能性が高い日本社会はやっぱり折り返し地点を回ってしまったのです。「格差社会」「下流社会」「貧困」というリアルな昭和30年代がやってきたようです。
・まとめ
1 日本人が、新しいもの、欧米から到来したものこそこれからの文化だと信じて飛びついた時代が終わり、自分たちの過去の文化を思い出し、それを再生して享受する時代が始まりつつあると観る視点。
2 思い出し美化したい過去イメージの国民的最大公約数が、昭和30年代の東京下町ん理想化したユートピア像へ集約していくという視点。
3 ゼロ成長、マイナス成長が常態となる可能性を繰り込んで日本の将来を考えねばならとする視点。
4 再生される文化、よいとされる生活イメージの数々が単に古ければよいのではなく、スタンダード、オーソドックス、ストレート、シンプル、わかりやすさといった特徴をこそ要求されているという視点。
これらをまとめると戦後の近代国家化、経済成長へ、文化的には欧米化、多様化へ右肩あがりひた走ってきた日本国民は、おそらく80年代半ば過ぎからバブル期の前後、終に頂点まで到達してしまった。ゆえに現在は、我々が折り返し地点を曲がった復路のはじまりなのだ。すなわちいまは、ひとつの頂点へ向かって巻き戻されていくような時代である。
へえ〜!(・。・) なんか腑に落ちるよね〜!(^◇^)だからいまこそコミュニケーションとか情が必要なんだね。おススメよ。