- 作者: 団鬼六
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/11
- メディア: 新書
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末期の腎不全を患いながらも、唯一の延命策である人工透析を拒否した氏が、死を目前にして、人生の価値を問い直す、現代社会への痛切なメッセージがこの本だ。男にとって本物の女とは? そしてセックスとは?
みんな中身が気になるでしょ!読んでみたいでしょ!でもなかなか手に取れないあなたのために私が代わりに読んであげましたよ!(笑)その破天荒な中身のエッセンスを紹介しよう。
・私は、子供の頃から平凡主義、快楽主義であったらしく、世の中は快楽さえ追及していけばそれでいいと思っていました。また、快楽というものは人間にとって一種の激情であって、激情のない人生なんて考えられません。一日おきに四時間の透析を行うなんてそこまでして生き続けたいとは思いません。そして死ぬまで酒と煙草、それに女はやめない、というのが快楽主義者である私の主義なんです。
・私の身体はガタがきているのは確かなんですが、気持ちだけはどういうわけか年をとれないんです。それは私が若い頃から楽天家で快楽中心主義の人間だった故かもしれません。快楽主義で世を過ごして来た人間は気持ちだけは老けこまないのです。
・こんなことを今、人にいったら笑われるかもしれませんが、今から十五年も前、そう、私が六十歳くらいのときにある金持ちの友人をスポンサーにして「鬼の快楽教」という宗教団体を作ろうと思い立ったことがあるんです。宗教理念は、「何もせんと遊んどれ」という理念もへったくれもないのが教義です。
・銀座の空きビルを鬼の快楽教本部にして貸していただけるなら、私としてもいろいろな企画があります。
・改築して二階から四階ぐらいまでを老人ホームにする
・屋上には男女混浴の露天風呂を作る
・週に一度か二度、若いアダルト女優や風俗嬢たちとの混浴デーを作る。
・風俗嬢たちに月極めで部屋へ健康診断に行かせる
・ときにはアダルトの男女ペアを招いて性戯の実演を信者たちに見学させる
・信者たち同士のスワッピング、乱交パーティなど開催する
・月に一度は研修バス旅行で地方のストリップ小屋を見て廻る
・賭博場見学、ファッションヘルス、性感ヘルスを愉しむ
・信者たちを街へ放り出してみて若い娘をナンパさせる
エロ坊主と私が老人の性の講座を受け持つことになります。私は六十歳を過ぎてからの夫婦の不倫を奨励し、一種のスワッピングを行うことによって夫婦間の愛情が新鮮眠味を帯びてくることなど、いささか異常を盛り上げるつもりでした。
・快楽教の信者は今までの人生とははっきり決別させてナンパ専門の不良に育て上げます。大体、老人は年をとればとるほど、温和になってきて、のんびりした暮らしを望み、老人ボケになっていくのが普通だが、快楽教団では年をとればとるほど、狡猾になり、卑猥になり、やくざっぽく仕上げていく。そして遊び人になって快楽というものに目覚めさせる、こういう不良老人たちの育成が日本の活性化につながるのではないか。
その他、「怠惰・放蕩は遺伝」「女性の純潔と魔性」「不倫天国と愛人論」「放蕩人生」「転落もまた楽しからずや」「三年周期」「堕落の美学」などはスゴイよ!はちゃめちゃだけど、オンリーワンの人生だね。うらやましいというか、憧れるなあ。(笑)