このブログで紹介している明治大学の先輩の亀山早苗さん。大人の恋愛についての著作が多いよね。
さて、この本。ヤバイよー…。(・o・) 変なエロ小説よりもいやらしい…赤裸々なドキュメント…。そのエッセンスを紹介しよう。
・やめてほしいという気持ちと、もっとしてほしいという欲求がわき起こってきて、私はどうしたらいいのかわからなくなっている。
・「怖い、隆雄さん、怖い」すべての細胞が爆発して、私自身も爆発した。隆雄さんとした翌日は、身体がだるい。芯がなくなったように重く、けだるい。なのに、決して気持ちも身体も怠惰にはなっていない。深い快感は、身体の奥底にエネルギーとして蓄積されていくのかもしれない。
・春香があわてて追った。後ろ姿を見ると、腰のあたりの丸みに「女」が漂っている。娘が家でセックスするような年齢になっているのだと、改めて気づいた。春香は自室へと上がって行った。その足音を聞きながら、あの部屋で、ついさっきまでおこなわれていた男女の行為を、私はまたも思い出していた。春香の乳房にむしゃぶりついていた彼の、まだ幼さが残る顔。とろけるような快感にうっとりしていた春香の大人びた表情。ふたりの関係が、本当に恋愛と言えるものかどうかはわからないけど、少なくとも、ふたりは極上の快感に酔っているように見えた。私は、春香のようにとろけるほどの快感を得たことがない。
・イク寸前は本当に怖かった。どこかにさらわれていくような押し流されていくような恐怖感があった。身体中の細胞がひとつひとつふくれあがっていって、弾ける瞬間、本当に死ぬかと思った。女性たちがイクとき、「死ぬぅ」と叫ぶのは、本当のことだったんだ。たった一日で、私は昨日と違う身体と、昨日と違う感覚を身につけてしまった。
・これが本当のオーガズムなのだろうか。そうだとしたら。オーガズムというのは本当に「死」に近い。強烈という言葉では表現しきれないくらいの快感は、恐怖感さえ超えて、死の一歩手前までいくものだと、私は初めて知った。もう快感を追い求める必要なないのだ。あれほどの快感を得られたのだから。たとえ今死んだとしても、私は「オーガズムを知って死んだ女」だ。それだけで満足だった。
・「お母さん、最近、なんだか変だけど大丈夫?」ある日曜日、娘の香織に誘われて、デパートに行った。香織の洋服選びにつきあい、疲れたのでカフェに立ち寄ったとき、いきなり香織がそう言った。「疲れてるの?それとも何か心配事?パートもやめちゃったし、何かあったんじゃないかってずっと心配してたんだよ」いつの間にか、香織は大人になっていた。中学生なのに、人の気持ちがわかるほどに成長していたのだ。私は香織に合わせる顔がなく、ただただ娘の目を見つめていた。
・「お母さん、恋している?」香織は真剣な顔になった。虚を衝かれて、気付いたら私は娘の前で泣いていた。自分でも考えられない失態だったが、涙が止まらない。香織は焦って、自分のハンカチを出して、私に渡してくくれる。「ごめんね」私は涙を拭き、ようやくそれだけを言った。少しだけ気持ちが軽くなっていた。香織はつぶやくように「好きな人と一緒にいられないって寂しいよね」彼女は何もかも見抜いていたのかもしれない。
年齢や環境に関係なく人は恋するんだねえ…、人生いろいろあるんだねえ。オススメです。(・o・)