「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「夢を売る男」(百田尚樹)


夢を売る男 (幻冬舎文庫)


いや〜百田尚樹はオモシロイっ!!!これ出版業界の裏バナシなんだろうなあ…スゴイなあ…セールスマンの必殺トークばりの反論処理とプレゼンだなあ…(´⊙ω⊙`)


「輝かしい自分史を残したい団塊世代の男。スティーブ・ジョブズに憧れるフリーター。自慢の教育論を発表したい主婦。本の出版を夢見る彼らに丸栄社の敏腕編集長・牛河原は「いつもの提案」を持ちかける。「現代では、夢を見るには金がいるんだ」。牛河原がそう嘯くビジネスの中身とは。現代人のいびつな欲望を抉り出す、笑いと涙の傑作長編」そのエッセンスを紹介しよう。


小説を書く奴なんて、たいてい頭がおかしいんだ。嘘だと思うなら、一度三百枚くらいの小説を書いてみたらいい。絶対に最後まで書き切れないから。素人が原稿用紙を字で埋めるのは簡単なことじゃない。一日中かかって五枚も書ければたいしたもんだ。たいていの奴は一日一枚書くのがやっとだ。三百枚書こうと思えば、早くて半年、まあ普通は一年はかかる。その間ずっとモチベーションを保ち続けるなんて、並大抵のことじゃない。つまり最後まで書き切るというのは、そのあたりの神経がどこかおかしいんだ。


・知ってるか。世界中のインターネットでブログで一番多く使われている言語は日本語なんだぜ。70億人中1億人ちょっとしか使わない言語なのに。日本人は世界で一番自己表現したい民族だということだ。


俺たちの仕事は客に夢を売る仕事だ。この商売で一番大事なのは、客を喜ばせることだ。人は精神的な満足を喜びさえ味わえれば、金なんかいくらでも出す。俺のメソッドは30種類以上あるんだ。客に応じて使い分ける。金額も客の懐具合を推察しながらはじき出す。


・俺は、かなりの日本人が『自分にも生涯に一冊くらいは何か書けるはずだ』と思っていると思う。なぜか?日本語が書けるからだ。自分が一流ピアニストになれるとは誰も思わない。サーカスの空中ブランコをやれるとも思わない。でもな、日本語は誰でも書ける。だから自分も本くらい書けると思う。


うちの客は読者じゃなくて著者だからな。千人の読者を集めるよりも一人の著者を集める見つける方がずっと楽だ。


小説家というのはぶっちゃけて言えば『面白い話を聞かせるから、金をくれ!』という奇妙奇天烈な職業だ。人は皆、ワクワクする話、ドキドキする話を聞きたいと思っている。人類は大昔から物語を欲してきたんだ。人類がまだ文字を持たなくて、洞窟の中で暮らしていた時代ーその頃から物語はあったと思う。狩りが終わった夜、大勢で洞窟の中で肉を焼いて食べている時、そこには必ず面白おかしい話をする男がいたはずだ、と。皆は夢中になってそいつのホラ話を聞いたと思う。そいつはきっとそんな話をいくらでも語ったに違いない。で、肉にありつけた。


「夢を売る」っていいなあ。確かに夢にはお金を出すだろうなあ…。一気に読んじゃいます。超オススメです。( ◠‿◠ )




夢を売る男 (幻冬舎文庫)

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