【テレビで放映されないコロナ闘病記(16 闘病記その1編)】
※ ワタシのこの闘病記をヒントに、コロナで助かる人もいるかもしれないと、妻の記録と証言をもとに、大幅に修正、更に詳細を記録しました。ポイントは3つ。
1 一日の差、一分一秒の差が生死を分ける。
2 本人の「大丈夫」は、あてにならない。周りで見ていないと異常に気がつかない。
3 わずか30分で病状は急変する!!!自分で歩いて救急車に乗った人が、3時間後には助からないかもしれない!
※ お見舞い品などは、お断りさせていただきます。お気持ちだけ頂戴いたします。
ワタシ、小野塚テルは、新型コロナウィルスを発症し、8月12日〜26日までの15日間入院し、先日、無事退院致しました。せっかくの貴重な体験なので、テレビでは放映されない「リアルな」新型コロナウィルス闘病記を時系列で残したいと思います。あとでわかったことですが、妻が詳細なメモを残しています。
7月29日(水) 体温平熱 この頃よりなぜか食欲減退 どこか変だ お酒を控えよう
8月 9日(月) 体温平熱、咳も出ない。トイレに行くと息苦しいくらい、だが、
どこか 何か変だ 体調が良くない、嫌な予感がする
近所のクリニックを調べてPCR検査申込み。明日の16:30予約。
もし陽性だったとしても お盆休みを利用して自宅療養で治せばいい。もし隔離されたとしても、 ホテルでYouTubeを見ながらのんびり夏休みを過ごせばいい、と能天気に考える。(笑)
8月10日(火)10:00 自宅で、吉田拓郎のDVDを観る。その余裕があった。(笑)
16:30 クリニックでPCR検査。ここは自宅からバスで5分だが、
クリニックのスタッフより「万が一のことを考えて公共交通機関は使わないでほしい、タクシーもNG」と言われ、やむを得ず自転車で出かける。これがトンデモナイ地獄の苦しさ!
いつもは普通に登れる上り坂が登れない、息が切れる、自転車を引いて歩いても苦しい。なんでこんなに呼吸が苦しいのかっ!?ぶっ倒れそうになりながらも、クリニック到着。
PCR検査で唾液が出ず、2時間掛かって採集。結果は明日。帰りの坂道の下りがまた地獄。息が切れる。苦しい。呼吸がデキない。途中で何度も転倒しそうになる。10kmくらいのスピードのノロノロ運転でも、フラフラし歩行者に1名にぶつかりそうになり、その後1名にぶつかる。謝る、ゴメンナサイ。ナントカ帰宅。妻のメモ「呼吸、速い、浅い」
8月11日(水)夜 クリニックが休診日にも関わらず、一日早く「陽性」の連絡をいただく。この一日の差が大きかった!明日、保健所から連絡があるとのこと。妻のメモ「呼吸、浅い 寝たり起きたり」
→ 1 一日の差、一分一秒の差が生死を分ける。
8月12日(木) 朝36.7℃。妻のメモ「ノド乾く、食欲なし、プリンも食べられない。
飲むゼリーはOK」
朝、保健所に連絡したがつながらず。
11:45 保健所から電話。ホテルもいっぱいで、自宅療養です。
妻が電話で「自宅療養じゃゼッタイにダメです。呼吸が速い、モウロウとしている、おかしいんです」この時、パソコンでコロナのことや、病状について調べようとするが、検索ができない。パソコンが使えない。意識がモウロウとしている。
12:07 保健師さんからワタシに電話、パルスオキシメーターを届けるとのこと。
13:00 体温一時39.6℃。でも普通だった。ツラくなかった。
14:00 パルスオキシメーター届く。妻は「98%」。
ワタシはエラーが続き、測定できない。やっと測定できた数字が「77%」(平均95%〜99%、93%以下が異常)保健所に電話。トンデモない数字に、「それは、生きている人の数値じゃない!いますぐ救急車呼んでっ!」
14:13 救急車到着。3人防護服で自宅内へ。救急隊員「苦しくないですか?」「はい、大丈夫です」「自分で歩いて下まで降りられますか?」「はい、大丈夫です」
※ 酸素を十分取り込めていないのに息苦しさを感じないケースがあり「ハッピー・ハイポキシア」=「幸せな低酸素症」と呼ばれている。脳に酸素がいかないと、ツライとか苦しいとか認識しなくなる。
2 本人の「大丈夫」は、あてにならない。周りで見ていないと異常に気がつかない。
14:20〜15:30 救急車に乗る。酸素吸入開始。受入先探し
隊員が車内で電話を掛けまくる「酸素量77%の重症患者です。いま、酸素を入れて95です。受入出来ませんか?」と1時間くらい粘る救急隊員。「……ダメかあ……」毎回、それを聞くたびに「そおかあ……オレは、中等症じゃなくて重症だったんだあ……」と知る。
15:34 市大センター病院「ベッドが満床で入院できないが、診察、検査のため、一旦受け入れる」とようやく回答をもらい、救急車が移動。病院到着。CUに入る。これがラッキーだった!
17:02 病院から妻に電話。酸素10リットル吸って 77% → 90% いま、落ち着いているので、これから他の病院に転院します。
17:29 担当医師から妻に電話あり。急激に悪化して、両肺がまっしろ、肺炎と肺塞栓症。とても悪い状態、本当に悪い状態になったので、人工呼吸器、人工心肺が必要かもしれない。転院できる状態ではなくなったので、転院せずにウチで診ることにします。おどすようかもしれないが「助からないかもしれないです」と何回も言われる。妻のメモ「ショック」
3 わずか30分で病状は急変する!!!自分で歩いて救急車に乗った人が、3時間後には助からないかもしれない
8月13日(金)朝4時過ぎ 雨 鳥が鳴いている「助かったー!助かったー!」と聞こえる。リビングの網戸にセミがとまっていた。
病院からまた連絡しますと言われる。ところが丸一日電話がない。忙しいと思ったのでこちらからは電話はできない。
8月14日(土)雨の朝。クロアゲハが飛ぶ。
連絡しますと言われたのに、丸一日電話がないので、こちらから電話したら、看護師「何も答えられません。聞きたい場合は、先生に予約を取ってください」といわれる。担当医は休み。担当じゃない先生が、カルテを見ながら、病状を説明してくださる。「(連絡しなかったのは)本当に申し訳有りません。こちらの病院の落ち度です。今後は連絡するよう必ず伝えます」と謝罪の言葉がありました。
→ 病院から連絡する、といっても掛かってこない場合は、こちらから電話をすること。看護師さんは何も答えてくれない。
気管挿管でもおかしくなかった。酸素マスクで、酸素10リットル → 5リットルに改善。肺炎と肺塞栓症。レムデシビル、ステロイド、アクテムラ、リクシアナ。CT造影剤で判明したが、肺の血管の空気のやりとり、ガス交換がうまくいかない。炎症はよくなってきている。安心はできないが、改善されている。この間、ずっとワタシは意識がある。「何か、いろいろとバタバタとやってもらってるなー!」というくらい。「三途の川」は見えませんでした。(笑)