「買い物は戦いだ、自分自身を切磋琢磨していくための――。お洒落でお馬鹿な中年になるための買い物術指南。読むと欲しくなる」そのエッセンスを紹介しよう。
・今日はいいことがあったから、がんばったから、 と理由をつけて買い物をするのが好きだ。高額なものを買っても、 後ろめたさを少しだけ吹き飛ばしてくれるような気がする。 女の子みたいだって?買い物に女も男も関係ない。 勢いが大事なのだ。
・今日はいいことがあったから、がんばったから、
【かみさんからのプレゼント】
・「あの編みかけの物なあに?」「ばれた?ばれて当たり前よね。 一緒に住んでいるんだもの。隠れて編物が出来たら魔女よね?」 そしてこう付け加えた。「 もうあげるもののネタが尽きちゃったからね」そういえば、 あと2週間で僕の誕生日だった。 ついでにいうならついに大台に乗る。ついに50になるのである。 完成形はロングマフラーだと言う。 アルパカのいい毛糸があったから編んでいるのだと言う。
・大事なものはとっておく。 ツートンカラーのそのマフラーはあまり出番もないまま長い間箪笥 の中で眠っていた。 僕の中で間がさしたのはそれから3年くらい経ったある日のことだ 。
・ かみさんはコンサートをクリスマスの夜に船を借り切ってやろうと 思いついた。ライブはその中のひとつのイベントだけど、 船の中でいろいろなアトラクションがあってもいいんじゃないか。 例えばオークションとかね。で、何を血迷ったのか、 僕はこのマフラーを出したら受けるだろうと考えたわけだ。 彼女がなんと言ったか覚えてはいない。 話したことは確かだけれど、やっぱり傷ついていたんだろうか。 僕には彼女が面白がっているように見えていたんだと思う。 そして想像もしなくほどの人気で、 確か7万円くらいのプライスがついて、オークションは大成功、 大人気のうちに終了したのである。
・さて、僕は取り返しのつかないことをした、 どう考えても人でなしだ、 ということに気付いたのはそれからさらに数年経ってからである。 というより、 しばらくはそのマフラーの存在すら忘れていたということだ。 もっと悪いね。しかし、思い出したとき、 僕は今までの自分の犯した中で最も重い罪だ、 と思うようになった。当然だろう。 人の好意を何だと思っているんだ、大馬鹿者だ。それ以後、 何かあるにつけその話をして歩いた。後悔しています、と。 僕にとってはそれが一種の懺悔でもあったわけだ。ところが。 その話がどこでどう伝わったのか。落札者の元に届いてしまって、 それを返却してくれる、というではないか。 それはある日事務所に届いていた。ひどく嬉しかったけれど、 今度は別の意味でまた疚(やま)しい気持ちになった。
「ホンダのモンキー」「特注のトートバッグ」「バンジョー」など。いいなあ。ワタシもギターの散財日記は、いっぱい書けるなあ!書いてみようかな。オススメです!(・∀・)