“この蹴りに世界がひれ伏す!!!!!!!!”
大きく出たな東北新社。取りあえず俺はひれ伏すぞ。
ゼン(ジージャー)は自閉症ですが、驚異の動体視力とデビル・イヤー並みの聴覚、そして写真的記憶力で、武芸(テコンドー&ムエタイ&クンフー)の達人に。
視覚から入ったものを技術として取り込んでしまうという“映画的嘘”ですが、心にブルース・リーとジャッキー・チェンとトニー・ジャーが三位一体で入った可憐な少女の前ではあらゆる嘘が正当化されます(笑)。
タイ・マフィアのボスとその女(ゼンのお母ちゃん。白血病)とヤクザの幹部(阿部寛!←ゼンのお父ちゃん)の三角関係という辛気臭い背景がちぃっと難ではありますが・・。
「ドラゴン危機一発」のトーンに近いものがありますね(ちゃんと製氷工場も出てくるし)。
中盤以降は美しくも洒落にならないアクションの連打。
クライマックスの“ビル壁の戦い”は、「プロジェクトA」の時計塔落下シーンを群舞でこなす気の触れた大活劇。
実はそこに辿り着く直前に、ものすげー刺客が登場するのですが、ここ多分地上波じゃ放送できません。
本編終了後にはお約束のNG集が。普通、NG集ってのは、本編の緊張を和らげる「笑い」を提供するものですが、これは真逆。打撲・流血の連続で本編より緊迫感アゲアゲ。
NG集でひとつ安心したのは、落下時に命綱だけはつけていた事。ここで「ノー・ワイヤーって言ったやんか!」とか突っ込むのは野暮。ワイヤー・ワークと命綱は違います。
最後は入院した俳優(スタントマン?)のお見舞いで〆・・って、これ普通なのかタイでは?
次回は是非、明るい萌え萌えな美少女格闘映画にしてください。
※参考:「ドラゴン危機一発」→2009年12月17日