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石田瑞麿先生の『女犯』(ちくま学芸文庫)でも繰り返し指摘されているように、江戸時代は僧侶の女性問題について、幕府はそれなりに規制を行い、実際に取り締まられた事例もあったようである。そこで、今回は或る一節から、幕府の規制について現場の僧侶がどう思っていたのかを見ておきたい。第三不貪婬〈中略〉此の戒、在家の菩薩は、正婬を開して邪婬を制す。出家は開なく男女の色共に堅く禁ず。もとも僧に女犯あらば、官制にも許さず。女犯肉食却盗は、僧の三条罪とて、世・出世共に立がたし。凡そ此の戒は、老弱共に甚だ慎むべし。溺れやすきは愛欲の境なり。いはゆる行婬のとき、三学共に不成。戒すでに破るが故に、定慧共にならず。婬を行じて禅定を修し、智慧を明かにせんとするは、沙を蒸して飯となすがごとし。労して功なし。然れば修行人第一の公案なり。容...江戸時代の僧侶は幕府からの規制をどう思っていたのか?
日本史の中の幕府政治における「将軍大将軍」についてのイメージを問えば、現代でいう「総理大臣」もどきに地位というくらいの答えが返ってくるのが、まあ一般的だろう。要するに、国家の政権の最高の地位にあり、また最大の権力を握った者、というイメージだ。たとえば、江
本場所のその日の取り組みを終えた力士数人が、部屋に戻ろうと国技館を出ると突然靄が立ち込めた。何事かと思っていると目の前に木造の街並みが現れた。時代劇で見たことがあるような、そう彼らは江戸の町にタイムスリップしたのである。 昨今、ドラマや映画でタイムスリップものが評判である。それらを見ていていつも思う事がある。現在でも、江戸時代から継承している文化や行事があるし、ドラマや映画等で江戸時代の風物が再現されている。では、それら継承或いは再現した人、文物、態様が、タイムスリップして、過去に出現した時、何事もなく、当時の人々に受け入れられるものなのかということである。 冒頭に書いたように、浴衣や着物を着…