2023/02/27
「おばあちゃん」のイメージが覆る?「おばあちゃん姉妹探偵① 衝動買いは災いのもと」
これまで6000冊以上の本を読んで記録してきた。
作家で詩人、ピューリッツァー賞候補にもなった著者のアガサ賞受賞作がこちら。格式が高い作品?と思いきや、予想を裏切るズッコケぶりが楽しいミステリ。
パトリシア・アンは身長154センチ、体重48キロ、60歳の元教師。夫のフレッドとは40年間連れ添っている。65歳の姉メアリー・アリスは身長178センチ、体重113キロで3人の夫に死に別れた。家で出産していなければ、病院で取り違えられたのではないかと思ってしまうほど似ていない姉妹だ。メアリー・アリスが気まぐれに買ったバー、<スクート&ブーツ>で、前のオーナーのエドが死体で見つかったことから、2人は事件に巻きこまれる。
姉妹ふたりに”探偵”を期待すると、肩すかしを食らう。読み終わって記憶に残るのは、2人の探偵ぶりではなく、事件への見事な巻きこまれっぷりとどこかズレたやり取り。登場人物同士の会話やパトリシア・アンの独白の面白さがクセになる。著者はすでに亡くなってしまったが、シリーズはあと2作邦訳されているのでこれから読むのが楽しみ。
アン・ジョージ 寺尾まち子訳 おばあちゃん姉妹探偵① 衝動買いは災いのもと コージーブックス