キリコというのは、旋盤やボール盤の金属加工作業で出る削り屑のことです。 小関智弘氏の『職人ことばの「技と粋」』 という本のあと書きを読んでいて知りました。 オリジナルの文章をざっとまとめると、眼に鉄粉などが刺さったときは、瞳のど真ん中でなければ器用な職人さんが眼科医の代わりをしてくれたのだそうです。方法は髪の毛で小さな輪をつくって眼球に沿って動かすのですが、それでも取れないほど深く刺さっているときは、竹箒の繊維の先をかみ砕いて作った極小の刷毛で鉄粉を履き取ります。そのあとが傑作で、先輩の職人さん達に、「そういうときの目薬は、女性の乳が一番効果がある、それも一番訊くのは独身の若い女の子の乳だから…