生体肝移植の結果が様々な人間の運命に大きく左右する第4巻。
2021/09/30 09:53
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
生体肝移植の結果が様々な人間の運命に大きく左右する第4巻。結果は失敗に終わり、一躍時代の寵児となった実川医師は批判の的に。卜部の国立大手前病院院長の夢も失墜。となるのだが、過程はといえば一喜一憂の連続で十分に楽しめる。しかも、既に当麻医師が台湾に渡ることになる足場を登場させるなど、先への根回しも怠りない。最も驚いたのは、恋をめぐる三角関係の行方だったのだが、なんと当麻←江森京子←青木医師という関係が急浮上して波乱の渦を作り出す。一方、責任者でもない当麻医師がどういう経緯で責任を負わされるのかに関しては、幾つかの布石はみられるがまだ判然としない。予想をどんどん裏切っていく周到な構成・展開にますます興味津々。
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本邦初の生体肝移植は成功したものの、臓器の拒絶反応が原因で次々と合併症を引き起こし、術後3ヶ月に満たずあえなく絶命。手術技法上の問題はなかったものの、勝てば官軍、負けたので賊軍とされてしまうのは、日本ならではのお国柄か。臓器移植に関しては、30年も遅れた後進国になってしまった日本と違って、アメリカならば、さっさと再移植手術で命を救えたかもしれないのにという、現役医師の作家ならではの無念がひしひしと伝わってきます。
(2007/7/13)
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でもふと考えると、、、高校1年のときから付き合い始めた今は亡き恋人とはキスを1回交わしただけ。その後好きになった女性はいなく、、、したがってずっと独り身、そんな当麻先生、確かもうすぐ三十路。・・・え?!もしかして当麻先生って・・・((((;゜Д゜)))
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天才外科医当麻鉄彦が、外国での研鑚をつみ帰国し、田舎の総合病院で執刀する中、いろんな軋轢等になやみつつ新医療に取り組む。大学病院の実川と生体肝移植を試みる。実川への風当たりが強くなる中、まだ日本では法令化されてない脳死の肝移植を当麻は成功させ一躍脚光を浴びるが、昔からの肝移植学会とかの偉い面々からは四面楚歌となる。そんなおり母親の知人から台湾の病院に是非にと請われる。第四巻
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移植や学閥の問題だけではなく、終末医療、医療費など、盛りだくさんの内容を含む大作も、4巻目。
やっぱり、人はいやらしい。
2008年06月21日読了。
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成功をおさめたと思われた生体肝移植だったが、容態は日々変化を繰り返し、 そして願いむなしく幼児は亡くなってしまう。そしてまた、当麻の母親・峰子も・・・。 それを機会にマスコミの実川に対する態度は一変、手術は勇み足だったのではないかと責められることになり、実川は窮地に立たされる。一方、当麻を頼ってきた蘭(あららぎ)の検査結果が出た。なんという運命のイタズラか、彼の病気は彼がずっと専門として患者を治してきたはずの大腸がんであり、すでに転移も認められた。
一旦は成功したと思われた手術。その時にあれほど実川を賞賛し、もてはやしたマスコミも、幼児の死亡が知れるやいなや、どこも手の平を返したように態度を豹変。どんな事柄にも”初”はあるはずなのだが、医療の現場での”初”がいかに大変なことであり、また、こういった対応に医者達が苦悩し、2度目が遠ざかるというのがよくわかった。
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「生きている、てこと、いや、生かされている、といった方が適切かな?とまれ、細々ながらもこうして外科医の端くれにつながり、オペを終えた後ささやかな幸せを覚え、一杯のビールをこよなくうまいと感じ、飯も食べられる、この幸せ、生の喜び、これがいつまでも続いて欲しい、サマセット・モームじゃないが、不死の妙薬を得るためだったら、どんなことでもしたいと考えるようになるーーーーーー人間て、浅ましい限りだね」
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一気読みしました。まだあと2冊あるけど、もう2冊しかないの~~!?
面白すぎて、終わって欲しくない!
こんなカッコいい外科医は反則ですよん!
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生体肝移植の手術自体は成功したものの、次から次へと現われる合併症に翻弄されて……。
患者とどのように向き合い、快復に望みをつないで共に闘っていくべきか。外科医・当麻のゆらぐことのない姿を、医療に携わるすべての人に読んでもらいたい。
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生体肝移植、問題も多く抱えるが、それしか治療法がないのならそこに賭けるのが、医師であり患者であり家族だと感じた。間違いなく訪れる緩やかな死と、わずかな可能性の生。そういうことを深く考えさせられる巻。
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第6巻まで読み終わりました。
くだらない人間関係が多々ある中で、
光る生き方がちゃんと存在していると思いました。
どんどん人間の質がよくなっていくといいなと思います。
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生体肝移植の予後は、残念な結果となってしまったが、結果的には日本の医療の大きな一歩となったのではないでしょうか。
実川教授も選考試験のことで頭がいっぱい。
やはり、医師って地位とかに魅力があるんでしょうね。
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話の進展としては前3巻に比べると失速気味。セリフに頼った描写も増えてきて漫然とした印象がぬぐえない。作者にとっては、ようやく肝移植の話題が全面に出てきて、ここぞとばかりに語り始めたといったところだろうが、全体からのバランスを考えると偏りすぎな気がする。
ようやく4巻か、と次第に通読することに苦痛を感じ始めた…。
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内容(「BOOK」データベースより)
実川は一躍マスコミの寵児となり、母親と一緒に映る幼児の元気な姿が新聞を賑わした。だが喜びも束の間、容態が悪化していく。この手術の成功に定年後のポストがかかった卜部教授は、最悪の結果となった場合、当麻の手術に原因があったと発表しろと実川に言い渡す。折しも幼児の心臓が停止した。果たして、この小さな命を救うことはできるのか。
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いよいよ、医療小説っぽさが満開。臨床医療云々を差し置いて、学閥・派閥・ポスト争い…。色々な人間の思惑が絡み合ってて面白い。